エスジーエル(SGL)鋼板、ガルバリウム鋼板の特性、製造メーカー、ガルバ・SGL屋根材メーカー各製品、その特徴、耐用年数、断熱性能、雨音特性、耐震性能、屋根葺き替え費用、単価、各部の解説、各部の施工費用、坪別、屋根面積別費用例、工事例など網羅しました。知りたい項目は下のメニューをクリックしてください。良く分からない場合、追加の相談があれば、小形;0120-58-1152まで



まずは、エスジーエル、ガルバリウム鋼板の屋根材各社の製品を見てみます。特に素材、基材は何を使っているのか?表面塗装は何を使っているのか?を概観します。今特に注目されているのが、フッ素樹脂塗装です。空欄、書かれていないものが、現在製造中止になっている製品です。
表は、今手に入るものを掲げています。ガルバリウム鋼板、SGLはどれを今選択できるか?です。また、比較検討するべき仕様とは何をみればよいのか?その解説になります。
エスジーエル、ガルバリウム鋼板で製造される屋根材製品の比較です。簡単に概観、施工概算もお知らせします。全てのガルバリウム鋼板屋根材を紹介できませんが、リフォーム用として主なものを掲げています。どの様に違う製品か、簡単に述べています。詳しい説明は別のページで書いています。
・MFシルキー、スーパーガルテクト、横暖ルーフαS、スマートメタル、チヨダGL
屋根材各社は、他社との差別化のために;1:塗装を変える、2:断熱材を入れる、3:嵌合部分を工夫してより水の侵入を防ぐ、4:製品の価格設定を低価格にする。などのことをやっています。
ここでは、2の各製品の断熱性能を自社で測定してみました。その前に、良く聞かれるスレート、瓦との断熱性能比較実験をやってみました。結果は興味深いものになっています。何故そうなるかを考察します。また各社が設定した断熱材が果たして効果があるものなのか?どれくらいの実力なのか?も合わせて考えてみました。断熱性能測定は自作の実験BOXで行いました。
断熱性能の向上は屋根材の選択だけでは不十分です。本質的には、屋根屋さんのお仕事ではありませんが、関連が強いので「通気工法」などの紹介、断熱性能を解説しました。
・MFシルキー、スマートメタル、スーパーガルテクト、横暖ルーフαS、アスファルトシングル、石粒付鋼板
SGL・エスジーエルの性能、なぜ次世代のガルバリウム鋼板と言われているかの解説になります。特性、特長、メッキの組成、何故SGLは優れているのかの説明になっています。
■エスジーエル、ガルバリウム鋼板の施工価格、概算の項目です。ここでは、エスジーエル屋根材とガルバリウム鋼板の本体施工価格は、2016年当時、同じでした。そのとき価格を上げた施工会社はあまり見当たりませんでした。何故なら問屋や商社の価格が同じ卸価格だったからです。
一部、サイトで新しいガルバリウム鋼板の為値上げしますと宣言されていましたが、他の業者さんはそのままの価格でした。提携屋根屋も変えていませんでした。2021年秋に屋根材メーカーは一斉に、値上げに踏み切りまして、17%程材料費が上がっています。つまり屋根屋さんは、値上げを何かの形で上げている可能性があります。
しかし、材料費をそのまま施工費用に転嫁しても、その上がる価格は、5%内外になります。見積は材料費、人件費、経費、利潤などからなり見かけ上変化が無いように思います。
ですから、お助け隊も今回の相場観を変えないでいきます。実際の見積は少し高くなっているかもしれません。その際はご容赦を願いたいと思います。
また屋根工事の価格は概算、参考価格であり価格の保証ではありません。おおよその価格を提示しているだけと思ってください。正確な価格は見積をとってください。
自分の屋根のガルバリウム鋼板における施工費はいったいどれくらいの費用になるあのか?の質問に対しての単価も出してみました。坪別、屋根面積別の概算も参考程度に提示いたします。これも正確な価格ではありません。参考価格になります。
お助け隊で契約し、施工した工事例になります。全てのガルバリウム鋼板の施工例とまではいきませんでしたが、やはりリフォームの工事で一般に採用されている屋根材での工事例になります。仕上がりと屋根の様子を見て頂きたいと思います。
横暖ルーフαS、ヒランビー、横暖ルーフ・きわみ、横暖ルーフきわみ黒、トタン屋根、トタン簡易カバー工法、ヒランビーのカバー工法、立ハゼ、瓦調ガルバ、瓦U葺き替え、瓦Uの例
エスジーエル、ガルバリウム鋼板の屋根材を施工する際に、「え!こんなはずでは無かった」と言わない為に、デメリットもチェックしておきたい項目だと思います。結構あります。ただし対策もあり、そのデメリットの為に不採用とするかは、良く検討することをお薦めします。これは絶対譲れない項目がもしあったら、他の部材を選ぶ選択ももちろん「あり」と思います。
特にデメリットの項目は、一生懸命書きましたので見て頂きたいです。
屋根のリフォームで今一番良く契約を頂くSGL(次世代ガルバリウム鋼板)、ガルバリウム鋼板を凌ぐ耐用年数です。このページでは次世代ガルバリウム鋼板のページとして、ご案内します。


エスジーエル、ガルバリウム鋼板屋根材メーカー各社の製品
製品名 | 屋根材メーカー名 | 基材 | 表面塗装 | 保証内容 | 断熱材 |
---|---|---|---|---|---|
横暖ルーフαS | ニチハ | ガルバリウム鋼板 | ポリエステル塗装 | 穴あき保証:25年 塗膜等の保証:なし | 硬質ウレタン |
スーパーガルテクト | アイジー工業 | SGL | ポリエステル塗装 | 穴あき保証:25年 塗膜等の保証:15年 | ポリイソシアヌ レートフォーム |
シルキーG2 | 福泉工業 | ガルバリウム鋼板 | ポリエステル塗装 | 穴あき保証:25年 塗膜等の保証:15年 | ウレタンフォーム |
リファーナ | メタル建材 | SGL | フッ素塗装 ポリエステル塗装 | 穴あき保証:25年 塗膜等の保証:15年 | 発泡ポリスチレン |
スマートメタル | KMEW | SGL | ポリエステル塗装 | 穴あき保証:25年 塗膜等の保証:15年 | 発泡ポリエチレン 3mm厚 |
ヒランビー | 稲垣商事 | ガルバリウム鋼板 | 記述なし | 記述なし | なし |
スーパーヒランビー | 稲垣商事 | J-クラフト | クロメート フリー塗装 | 塗膜保証:15年 | カルフォミクス |











SGL、ガルバリウム鋼板で選ぶべき屋根材はどの製品?






フッ素樹脂塗装に関わるお話
日本でSGL・ガルバリウム鋼板の「屋根材」メーカーは、10社以上あり、多くの製品が存在します。上の表は、屋根のリフォームで良く聞く(提携業者が良く使うもの、相見積、Webで見る製品)製品です。どのガルバリウム鋼板屋根材が良いか、耐用年数からのお薦めは、SGL&フッ素樹脂塗装の屋根材です。
しかし、2022年3月現在、フッ素樹脂塗装の屋根材製品はほとんど生産中止になっています。メーカーの営業に聞いたところ、焼付け塗装に使うフッ素樹脂が世界的に不足しており、いつフッ素樹脂の原料不足が解消されるのか分からないとのことです。
ですから、SGL・ガルバリウム鋼板の製品表からフッ素樹脂塗装の製品は除いてあります。SGLは、既存のガルバリウム鋼板よりメッキ層の劣化が遅く寿命が長い特徴があって、施工価格もガルバリウム鋼板と遜色ないレベルになっています。
電話で問い合わせたところ、2022年3月でフッ素樹脂の屋根材を生産しているのは、メタル建材のリファーナとエテルナでした。(メタル建材は日鉄鋼板の販売会社)
ガルバリウム鋼板、SGL屋根材で注目する仕様
ガルバリウム鋼板・屋根材製品仕様の見るべきポイント:
基材、表面塗装、保証内容は表の様にカタログにあります。
他には、耐用年数(これ一番重要)、断熱性、雨音特性、耐震性、防水性でしょうか?耐震については、記事を書いています・・・ガルバのカバー工法は耐震に不利か?
防水性は嵌合部が関係すると思いますが、この部分の情報があまりありません。実験するしかないと思っています。各社の製品を施工して、散水後、下に水が漏れないか?のテストをいつかやりたいと考えています。
比較表のコメント:
表、各社のカタログを見てて おや!と思うのが、保証内容がほぼ同じ、ガルバリウム鋼板でもSGLでも同じなのは何故?と誰しもおもうところです。耐用年数はSGLの方が長いはず?です。SGLを開発した※日鉄鋼板自身が、ガルバリウム鋼板の3倍の「耐食性」を実現したと言っているからです。
塗装も重要な仕様なのですが、ガルバリウム鋼板での塗装は、焼付塗装は高温で塗膜を形成するので、屋根材では、ポリエステル塗装とフッ素樹脂塗装の2種が主流になっています。しかし、フッ素樹脂の不足により、メーカーはこの製品の供給ができなくなっています。例外はメタル建材。
efルーフ:基材:ヨドコウ特殊ちぢみ意匠塗装ガルバリウム鋼板を使用
※日鉄鋼板は日本製鉄のグループ会社でSGLの開発会社
ガルバリウム鋼板屋根材各社の製品考察






ガルバリウム鋼板屋根材5つ/実験に使ったもの含む
- ①:MFシルキー:福泉工業製品(GL鋼板)
- ②:スーパーガルテクト:アイジー工業製品(SGL)
- ③:横暖ルーフαS:ニチハ製品(SGL)
- ④:スマートメタル:KMEW製品、保護シート(SGL)
- ⑤:チヨダGL:千代田鋼鉄工業製品、断熱材なし(GL鋼板)
注意: SGL:次世代ガルバリウム鋼板、GL鋼板(ガルバリウム鋼板)
全5社のガルバリウム鋼板屋根材:2019年6月18日
今、手元にあるガルバリウム鋼板屋根材は上の5製品です。実験のために購入したチヨダGL(千代田鋼鉄工業)は断熱材がありません。また実際の屋根材の長さは、3,600mmとか2,700mm、1,800mmの長さになっていて、サンプルとして、断面を写すのに短く切断しています。傷などや綺麗に切断できなかったものもあるので、そこはご容赦ください。
お助け隊の相場感から言うと;
●各屋根材の本体施工価格(お助け隊の独自相場観:2019年6月)
- MFシルキー:材料費+施工費で;¥5,800/㎡(本体)
- 横暖ルーフαS:材料費+施工費で;¥6,500/㎡(本体)
- スーパーガルテクト:材料費+施工費で;¥6,500/㎡(本体)
- スマートメタル:材料費+施工費で;¥6,500/㎡(本体)
- チヨダGL:材料費+施工費で;¥5,300/㎡程度(本体)
屋根工事は本体ばかりではなく、いろいろな部品、足場、下地、ルーフィングなどいろいろな工事があります。本体工事の相場感はお助け隊独自の調査であり、正確な金額は実際に見積りを取って比較してください。屋根屋によって価格はかなり違うはずです。お助け隊の提携屋根屋はおおよそこれらの費用になります。
購入した屋根材ひとつひとつ見ていきます。
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①MFシルキー/現シルキーG2:福泉工業
福泉工業は、2019年6月現在で、ガルバリウム鋼板屋根材(GL)断熱材付きの屋根材を発売しています。SGLではありませんが、SGLよりは優しい価格になっていると思います。塗装はポリエステルの遮熱顔料を含んで、遮熱の要素があると言っています。断熱性能については、別ページで各製品の比較をしていますので、見てください。
(追記:2022年3月、MFシルキーはMFシルキーG2になっています。違いは断熱材をアルミのシートで包んだこと)
galtect
②スーパーガルテクト:アイジー工業製
ほんの数か月ですが、ニチハより早くSGLを採用した屋根材を販売したのはアイジー工業です。横暖ルーフαSと同じような硬質ウレタンをアルミで覆った構造で材料の強度は頑丈です。横暖ルーフαSと価格もほとんどかわりません。
違いは塗装で、専門的にはスーパーガルテクトの塗装は固くて傷がつきにくいと思っています。錐で表面をひっかくと横暖ルーフαSのほうが柔らかいと分かります。僅かな違いですが、スーパーガルテクトの方が塗装に傷が付きにくいです。
しかし、これはもろ刃の剣で塗膜が硬いとひび割れがし易いです。どちらが塗膜の寿命が長いか?誰も実験していないので不明ですが、この違いがあると思います。
あと、問題にするほどではないですが、断熱材の入れ方が丁寧です。スーパーガルテクトの写真右断面ですが、右端の嵌合部にも丁寧にきちっと断熱材が入っています。断熱性能は実験によると横暖ルーフαSもスーパーガルテクトも全く同じ性能ですが・・・>>> スーパーガルテクトの個別ページ
③横暖ルーフαS:株式会社 ニチハ
2017年にはいち早く新日鉄住金のSGLを屋根材に採用したメーカーのひとつです。断熱材は硬質ウレタンと思われます(メーカーの発表はありません)その断熱材をアルミのシートで封入していますので材料としての強度は頑丈です。
問題の断熱性能は、横暖ルーフαSとスーパーガルテクトが同じくらい良くて、スマートメタルの断熱材はが言っているように保護シートで、断熱材の役割はほとんどないと言ってよいと思います。
詳しくは下の断熱材の項目を参照してほしいですが、どの製品も僅か10mm程度しか厚さがないので、実験データ的には違いが僅かありますが、実際に屋根に施工をしてこの違いを体感するのは、非常に困難と考えます。つまりはガルバリウム鋼板屋根材に付随している断熱材の効果は期待するほどではないということです。どれも夏は暑い。
因みに瓦やスレート材料は厚みがあるので、薄いガルバリウム鋼板より断熱性能が良いと思っていますが、良いようなイメージがありますが、測定してみると瓦もスレートもガルバリウム鋼板も似たり寄ったりなのです。ですから本格的に断熱を考えるのなら別のことを考える必要があります。
>>> 横暖ルーフαSの個別ページ
④スマートメタル:KMEW(ケミュー)製
KMEWは、旧松下電器産業の建材部門とクボタの建材部門が合併してできた会社で、両者はスレート屋根材のトップメーカーであり、ライバルでしたが、スレート材の健康問題で業績が悪化。ついにこの部門は合併して新会社になった経緯があります。このスレート屋根材の専門会社である「KMEW」です。
いままでスレート屋根材、外壁材でやってきましたが、結局金属の材料を始めることになったようです。それが「スマートメタル」です。
ですからあまり気合の入った製品になっていません。断熱材はないし、フッ素塗装のバージョンもないですし、価格で新風を起こす気もないようです。あまりやる気を感じない製品になっています。
実際に屋根屋の見積もりをとって価格で有利なら施工してもよいかな?程度の製品になってしまっているようです。・・・お助け隊のひとり言。
・・・ スマートメタルの個別ページ
⑤チヨダGL:千代田鋼鉄工業製
断熱材なしのガルバリウム鋼板:
このガルバリウム鋼板屋根材は、次世代のSGL、スーパーガルバリウム鋼板ではなく、普通のガルバリウムメッキ鋼板になります。ベツレヘムスチール社の実験では、耐用年数25年以上が実証されている優秀な屋根材です。
断熱材は、写真の通りありません。
表と裏側の写真ですが、塗装も違います。気になるのは一枚の材料に嵌合部分があることです。屋根材の合わせ目、嵌合部と言いますが雨漏りの観点からですとできるだけ嵌合部は少ない方が良いのは言うまでもないことです。雨漏りの遠因となる可能性が大きいからです。
ガルバリウム鋼板は1972年にベツレヘムスチール社が開発したメッキ鋼板で、2017年まで世界中で使われています。この鋼板はそのです。ここでは、新しいガルバリウム鋼板・SGLを紹介しますので、分かり易く区別するために、旧ガルバリウムと言うことにします。厚さは写真右で、公称値0.35mmです。





スレートの断熱性能、対ガルバリウム鋼板との比較
結論:スレート材(コロニアル、カラーベスト)とガルバリウム鋼板(断熱材付)と比較した結果、断熱性能は、違いがありますが、横暖ルーフの方が室内の温度は低くなります。どちらも気温より高くなって夏は暑いですが、エアコンの電気代は横暖ルーフの方が僅か安くなると思われます。
お助け隊で実施した、断熱性能実験:スレート屋根 vs 横暖ルーフαS
良く言われることですが、スレート、コロニアルを撤去してガルバリウム鋼板に交換したら、薄い鋼板なので、断熱材があっても夏は暑くなるのではないか?というものです。
データを見ると、どちらも暑いですが、横暖ルーフの方が温度は低いことが実験から分かりした。どちらも気温より高いですが、横暖ルーフの方がより「まし」です。一般の噂は正しくないとなります。




瓦の断熱性能、対ガルバリウム鋼板との比較
つでに瓦と断熱材付きのガルバリウム鋼板との断熱性能比較です。下のグラフ参照。
お助け隊で実施した、断熱性能実験:瓦 vs 横暖ルーフαSの温度グラフ




断熱性能測定BOX
いろいろな屋根材でBOX内の温度測定をした実際の試験BOX2つです。この中に電子温度計を設置して朝から夕方まで、5分ごとに測定しました。このBOX2つの断熱性能も測定してあります。この2つの断熱性能が違えば何を測定しているのか分からなくなるからです。
見てほしいのは、BOXのグラフと気温のグラフの形とレベルです。気温のグラフに追随していると、BOX内の温度は外気の影響を受けている、熱の出入りがある、つまり断熱性能がない、または弱いということになります。理想は外気の熱を100%遮断することですから、BOX内の温度は一定になれば、理想です。
使った温度計の精度は下写真の電子温度計で精度は;+ー0.3度。かなり精度は良いものを選びました。2つのBOXを作ってからいろいろ断熱の漏れなどを修正しました。


ガルバリウム鋼板屋根材、断熱材なしとある屋根材との比較グラフ:
SGL、ガルバリウム鋼板の10mm程の断熱材ですが、効果は限定的です。あるなしどちらも暑いです。実験はガルバリウム鋼板;スーパーガルテクト(アイジー工業)
お助け隊で実施した、断熱性能実験:千代田鋼鉄のガルバ vs 横暖ルーフαS
断熱材がない方が部屋の中の温度は高いです。午後2時ごろの気温が一番高くて33度、断熱材ありが43度、断熱材なしは48度です。これをどう解釈するか?ですが、確かに断熱材の効果はゼロではないと思います。
しかし、これで断熱材としての効果が「充分」にあると言えるでしょうか?最高温度が 43度と48度、5度の違いはありますがどちらも暑いです。
多分断熱材があってもなくても”暑い”と感じ、断熱材の効果を体感できるかは、微妙です。どの屋根材も同じなのですが、気温に対してどのくらい下がるのか?が重要で、僅かな違いで快適になるとは思わない方が良いと考えます。
ガルバリウム鋼板各種断熱性能比較
横暖ルーフαS、MFシルキー、スマートメタル、スーパーガルテクト、アスファルトシングル、石粒付鋼板の断熱性能を横暖ルーフαSとの対比で測定してみました。あくまでもお助け隊独自の実験セットである条件の元で測ったものです。飛び抜けて断熱性能が悪い材料はありませんでした。また特に優秀なものもありません。どれも気温に対して内部の温度は高いです。
お助け隊で実施した、断熱性能実験:MFシルキー vs 横暖ルーフαS
MFシルキーは2022年3月現在、MFシルキーG2になって、断熱材がアルミのシートで包む構造になっています。データは大きく変わらないと考えます。このグラフではどちらも断熱材がすごく効いているとは思えないです。どちらも暑くなります。
気温より、かなり高いからです。横暖ルーフαSの方が少しましかな?ぐらいです。50度と45度、5度の違いをどう考えるか?です。
お助け隊で実施した、断熱性能実験:スマートメタル vs 横暖ルーフαS
KMEWのスマートメタルは、断熱材がありません。なのにデータはほぼ横暖ルーフαSに近い値です。言い訳をすると、この日の天気は快晴なのですが、気温はそんなに高くないです。最高気温33度程度。また少し風があったのでガルバリウム鋼板の表面温度は少し緩和されたと思います。
お助け隊で実施した、断熱性能実験:スーパーガルテクト vs 横暖ルーフαS
良く契約を頂く、ニチハの横暖ルーフαSとアイジー工業のスーパーガルテクトの比較です。予想の通りほぼ同じ温度特性です。この2つを比較しましたが、表面塗装も同じ茶色、断熱材も同じ構造なので当然同じになるはずでした。
どちらにするか、断熱性能の違いでは優劣をつけられません。
お助け隊で実施した、断熱性能実験:アスファルトシングル vs 横暖ルーフαS
オークリッジプロはアスファルトシングルで、1mm程度の薄い材料です。でも金属の材料ではないので、どうなるか?気になった材料です。横暖ルーフαSとほぼ同じで、断熱効果は限定的です。
お助け隊で実施した、断熱性能実験:石粒付鋼板 vs 横暖ルーフαS
石粒付鋼板は、ガルバリウム鋼板の上に石粒をコーティングした材料で、この石粒が太陽光を散乱し、遮熱の効果が少しはあると思ったのですが、期待ハズレでした。断熱効果は限定的です。この日は結構気温も上がって暑かったです。断熱性能で石粒付鋼板を選ぶことはないかもしれません。
ガルバリウム鋼板屋根の断熱性能を少しあげる方法/通気工法





お助け隊で実施した、断熱性能実験:通気工法 vs 横暖ルーフαS
両方ともガルバリウム鋼板での屋根葺き替えですが、一方は通気工法のスーパーガルテクト、もう一つは、普通の横暖ルーフαSの施工屋根です。通気工法の温度特性は、気温より低いデータですので、涼しいとまではいきませんが、少しは過ごし易い環境になっているのではないでしょうか?
この工法の特徴は、葺き替えの工程が桟木とコンパネを追加するだけという断熱のやり方でコストがあまりかかりません。もし、この工法が気に入って、且雨音も軽減したいのであれば、石粒付鋼板を使うこともできるので、遮音の効果も実現できます。。更に詳しい通気工法のページ
通気工法とは?
通気工法とは、屋根に通気のために 30mm程の隙間を空け、ここに自然換気をする工法のことで、夏の暑さ対策になります。工事は、下地+桟木(30mm程度の角材)+2枚目の下地コンパネ+ルーフィング+仕上材(ガルバリウム鋼板等)
SGL vs ガルバリウム鋼板/保証、特性、組成、性能
SGLとガルバリウム鋼板の性能について、参考になる情報です。耐用年数の規定はどのメーカーの仕様にもありません。唯一公開されていたものは、保証値ではありませんが、ベツレヘム社の実験結果です。この25年という数字を覚えてください。
1:ガルバリウム鋼板の耐用年数:25年 ベツレヘムスチール社の防爆実験から
2:ガルバリウム鋼板屋根材の赤錆保証:10年(例:以前の横暖ルーフシリーズ)
3:ガルバリウム鋼板屋根材の耐用年数:どのメーカーも規定がありません。
4:SGLの穴あき保証:25年、日本製鉄のSGLの穴あき保証が25年、故にSGL屋根材メーカーの穴あき保証も全て25年です。
5:SGLの耐用年数:日本製鉄は何も規定がないので、全てのSGL使用の屋根材メーカーも規定がありません。
6:Jクラフトの穴あき保証:25年、ガルバリウム鋼板でJFE鋼板が開発、柾目FLeXに採用されている。同様に耐用年数の規定はありません。
次世代のガルバリウム鋼板:エスジーエル、SGL
新ガルバリウム鋼板:SGLの登場
2013年、日本製鉄(旧新日鉄住金)は、次世代のメッキ鋼板「SGL」を誕生させました。SGLの「S」は、Super、Superior、SpecialのS、「GL」はガルバリウム鋼板の略。私はスーパーガルバリウム鋼板と呼んでいますが、マスコミの記述では、スーパー鋼板とか次世代ガルバリウム鋼板などと呼んでいます。
ガルバリウム鋼板との違い:
屋根材での耐用年数を比較すると;
・塗装ガルバリウム鋼板屋根材の保証は塗膜10年程度でした。耐用年数:25年以上(ベツレヘムスチール社の実験による)>ガルバリウム鋼板25年の耐用年数実験
・塗装スーパーガルバリウム鋼板の屋根材の穴あき保証:25年、耐用年数はそれより長いのが当然なので、25年以上と思います(メーカーは耐用年数については言っていません)
このようにSGLは旧ガルバリウム鋼板より長い耐用年数が期待されています。
SGLのメッキ構成、なぜ高対候性か?優れている点
ガルバリウム鋼板:亜鉛:43.4%、アルミニウム:55%、シリコン:1.6%
SGL:亜鉛:41.4%、アルミニウム:55%、シリコン:1.6%、マグネシウム:2%
ガルバリウム鋼板のメッキ組成にマグネシウムを2%混合したことがミソなのです。マグネシウムをメッキ組成に混合することにより、耐食性が大幅に改善されることを長年の調査、実験、検証によって「見つけたのです」発明というより発見と言うべきかもしれません。
何故マグネシウムの2%混合で腐食性が改善するのか?
SGL開発元の性能詳細:日鉄鋼板Webサイト:SGLのページ
SGLを使って屋根材を製造している屋根材メーカー
現在(2019年10月)アイジー工業、ニチハ、メタル建材、KMEWの各社がSGLの屋根材を生産、販売しています。各屋根材の商品名を列挙します。
・アイジー工業:製品名:スーパーガルテクト
・ニチハ株式会社:製品名:横暖ルーフプレミアムS
・メタル建材:製品名:エテルナ、リファーナ
・KMEW:製品名:スマートメタル
この新しいメッキ鋼板の穴あき保証は25年、ガルバリウム鋼板の耐用年数は25年以上ですので、保証が25年と言うのはかなりの自信作です。日本製鉄はSGLの耐用年数にはついて何も公にしていませんが、保証よりかなり長いのは確実です。
ガルバリウム鋼板屋根葺き替え費用・相場
今屋根葺き替え市場で最も契約件数の多い屋根材は、間違いなくガルバリウム鋼板です。新しいガルバリウム鋼板も含めてその施工費用、価格をまとめてみました。ガルバリウム鋼板での葺き替えを考えているなら是非参考にしてもらいたいです。
ガルバリウム鋼板施工費用:相場のデータ(お助け隊独自の調査)
お助け隊で頂いた契約、依頼のあった見積、競合会社の見積、インターネット上での価格などなどを元に相場を出してみました。スレート屋根をガルバリウム鋼板でカバーする工事が最も多い工事ですので、これを抽出して相場みたいなものを出してみました。下のグラフになります。
相場とは、平均の価格ではなく一番多く現れた価格帯のことで、このグラフでは、左から3本目の価格帯:¥6,250 ~¥6,750の価格が最も多く採用された費用と言えます。この費用は、条件によりガルバリウム鋼板のスレートのカバー工法での工事でその本体のみの材料費+施工費の単位㎡あたりの価格を言っています。つまり2017年ではガルバリウム鋼板(その材料のメーカーによらず)の本体施工価格は¥6,250 ~¥6,750で代表値として㎡あたり、¥6,500を相場としています。
この値を使っていろいろなガルバリウム鋼板施工費用を出しています。
ガルバリウム屋根施工費用詳細
ガルバリウム鋼板施工詳細/本体、棟、軒先などの部品施工価格他
ガルバリウム屋根施工費用:主な箇所の費用単価
本体と各役物各部の施工価格(材料費を含む、お助け隊の相場感)
- SGL本体施工価格: ¥6,500/平米
- 棟板金施工価格: ¥3,500/m
- 軒先、スターター:¥2,500/m
- ケラバ包、板金施工価格: ¥2,500/m
- 壁の取り合い部分施工価格: ¥3,500/m
ガルバリウム鋼板屋根の本体&役物施工価格
ガルバリウム鋼板屋根は平部と言う本体、軒先、棟、ケラバ、壁の取り合い等のパーツからなっています。本体の他に端、すみっこから雨の侵入を防ぐためのいろいろな役物(部品)を施工してガルバリウム鋼板屋根が出来上がります。
今回はその役物を含めた屋根全体の解説と費用・相場を説明したいと思います。簡単に屋根のサンプル、スレート屋根の屋根を家のサンプルで説明です。
上の家の例で説明すると;このスレート屋根の上にガルバリウム鋼板を施工する費用の合計と各部品の施工費用(材料費込み)の内訳は下のようになります。
葺き替え項目 | 各部分工事金額 | 単価 | 単位 | 数量 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
税込み合計 | ¥ 684,000 | - | - | - | |
内訳: | - | - | - | - | |
足場設置&解体費用 | ¥102,400 | ¥800 | ㎡ | 128 | |
ルーフィング施工費 | ¥45,900 | ¥900 | ㎡ | 51 | |
ガルバリウム鋼板 本体施工費 | ¥ 331,500 | ¥6,500 | ㎡ | 51 | |
軒先水きり部分 | ¥ 23,700 | ¥1,500 | m | 15.8 | |
棟・板金施工費用 | ¥ 22,400 | ¥3,500 | m | 6.4 | |
けらば部分雨抑え | ¥44,750 | ¥2,500 | m | 17.9 | |
壁の取合部分雨抑え | ¥21,700 | ¥3,500 | m | 6.2 | |
屋根工事の小計 | ¥ 592,350 | - | - | - | |
諸経費(工事費の5%) | ¥ 26,618 | - | - | - | |
税込み合計 | ¥ 684,000 |
ガルバリウム鋼板本体と役物とは?
一般木造住宅屋根をガルガリウム鋼板で葺き替える場合、屋根は本体とそれ以外の部品(役物と言われている)に分かれます。本体とは一番大きい平たい部分で屋根全体の大部分を占めますので、この価格は大きなウエイトを占めます。
各部の名称は下のようです。
(ガルバリウム鋼板屋根材を施工する前の屋根の様子:スレートの屋根を想定)
各部の施工費用単価は、屋根工事お助け隊独自の相場感で示しています。提携業者さん、Web上での価格、お客様からの情報に基づく概算です。
棟:
この屋根の形は「切妻型」と言いますが、棟とは屋根の頂点の部分を言います。寄棟にも棟があります。ガルバリウム鋼板屋根にはスレート屋根と同様の棟板金、又は棟包みという役物が施工されます。
この棟に結露を防止する換気棟というものも施工されることがあります。換気棟は、1mもので、1万円程度の役物で屋根の中の湿った暖気を逃がす役割を持っています。すでに屋根の軒天やケラバ下に換気口がある場合は必要ありません。
写真のような標準的な板金棟の施工費用は、材料費込みで¥3,500/m程度です。この板金は下に心材を施工し、これに釘、ビスで側面から固定します。
軒先:
軒先から雨水を確実に雨どいに導くものが軒先唐草という役物です。屋根は下から施工するので、屋根の工事で一番初めにセッティングするのがこの軒先唐草なので、スターターという名前でも呼ばれます。スターター=軒先唐草です。
この軒先唐草は、上から降りてきた雨水を軒先の裏側、下地材に回り込まないような構造になっていて、いろいろな特許が取得されています。いろいろな形、工夫があるということです。
下の図でこの軒先唐草の構造を説明します。典型的で簡易な軒先唐草で説明します。軒先の役物は軒先水切りとか軒先唐草などと言う部品がつきます。
軒先の断面図です。
コンパネは下地材、9mmや12mmの合板です。この上に雨水を確実に雨どいに導く為に水切り・唐草があります。この部品は上から雨水が下りてきて下地材の裏側に行かないように、下地材が水に濡れないようする為に先に返しがあります。またスターターがこの役割を兼ねるものもあります。
施工費用は材料込みで、¥2,000~¥3,000/m程度です。ここでの価格相場は¥2,500/mとしました。
ケラバ部分:
切妻型の屋根に特有の個所・名前です。切妻は軒先から大方の雨水が流れますが、屋根の側面と言える個所がけらば(ケラバ)です。横殴りの大雨でこの隙間から雨が侵入しますので、しっかり防水します。その為にけらば専用の役物があります。ケラバ包みなどと言う雨押えです。
ケラバ部分からの雨の侵入を防ぐ為の役物です。側面には雨どいがありませんが、ケラバにある雨水を軒先方向に落とし破風板に侵入させないようにやはり返しがあります。この場合のケラバ包みの施工費用は;¥2,500/mとしています。
壁の取り合い部分:
例の家は二階建ですが、1階の屋根(下屋とも言ったりします)と二階の壁部分も雨が入り込み易い個所です。ここでも雨を抑える専用の形をした板金部品があります。壁との隙間から水の侵入を防ぐ部品です。その形状、施工方法はその壁の構造によっていろいろあり、使う部品も少し違っています。おおよその価格を言うと、ここでは¥3,500/mにしています。屋根屋によって、使う部品によっていろいろになります。
この場合、壁は窯業系のサイディングですが、板金を簡単に中に施工できません。新築の場合は下のように壁と壁の下地との間に雨押さえの板金を入れて、壁の中に雨が入らないように工事をします。
壁の取り合い部分の雨仕舞はこうなっています。本体であるガルバリウム鋼板の下には防水材のルーフィングが入っています。結構複雑な構造です。新築の場合はこうやるのですが、この場合は実はスレートの上にガルバリウム鋼板の施工ですので、外壁材の上に雨押さえの板金を施工します。
すると、壁と雨押えとの間に隙間ができます。下には一連のスレート屋根の防水システムがあるので、安心ですが念のためコーキングを打っておきます。
ガルバリウム屋根施工費用詳細のまとめ:
本体と各役物各部の施工価格(材料費を含む、提携屋根屋、メーカーのカタログ価格参考にお助け隊の相場観)
- SGL本体施工価格: ¥6,500/平米
- 棟板金施工価格: ¥3,500/m
- 軒先、スターター:¥1,500/m
- ケラバ包、板金施工価格: ¥2,500/m
- 壁の取り合い部分施工価格: ¥3,500/m
- 谷部分施工価格:¥4,000/m
SGL、ガルバリウム鋼板屋根材の施工価格・費用
SGL、ガルバリウム鋼板の施工価格は、2016年当時は同じ価格だった
ガルバリウム鋼板とSGLは全く違う屋根材ですが、SGLが発売された当初は、ガルバリウム鋼板と施工費用、材料費とも同じでした。問屋の卸価格が同じでしたので、当たり前です。施工費用は材料のメッキ部分が違うだけなので、同じでした。
新ガルバリウム鋼板の本体施工価格は、材料費込で¥6,500/㎡が相場です。旧ガルバリウムの施工費用もこれに準じていますが、SGLが今や主流ですので、旧ガルバリウム鋼板は安くなることも期待できます。逆にガルバリウム鋼板屋根材での価格を安くし、競合力を持つという考えもありと思います
注意:この価格は、お助け隊独自の相場感で業者によって変動します。
ガルバリウムからスーパーガルバリウムへ
ガルバリウム・「屋根材」メーカーの大手であるニチハ、アイジー工業が旧ガルバリウムでの屋根材生産を中止し、新しい鋼板「SGL」(スーパーガルバリウム鋼板)での屋根材の生産をすでに開始ましたので、旧ガルバリウム鋼板での屋根材生産をしている屋根材メーカーは、福泉工業、セキノ興産、稲垣商事、日本ルーフ建材(さいわいルーフ)、月星商事、 中山化成、ビルドマテリアルなどです。(2018年4月から福泉工業はSGLでの生産)
新しい高性能メッキ鋼板のメーカー(高炉メーカー)
- 日鉄住金鋼板株式会社:新日鐵住金の関連会社でSGLを生産
- JFE鋼板株式会社:JFEスチールの関連会社:J-クラフトを生産
- 日新製鋼株式会社:ZAMを生産
日新製鋼:ZAMという優れたメッキ製品があったのですが、屋根材には採用されませんでした。今、日本製鉄の傘下に入ってしまったので、屋根材での販売は難しいと思います。
ガルバリウム鋼板での工事概算価格(断熱材なしの廉価版)
すべのお客様が、スーパーガルバリウムを選ぶとは限らないので、断熱材は無くとも安いガルバリウムはないのか?という問い合わせもありますので、少し安い断熱材のないガルバリウムをご紹介し、その施工価格の相場をお知らせいたします。
すべての会社のすべての製品はとても紹介しきれませんので、2015、2016、2017年と比較的良くでた断熱材なしのガルバリウム鋼板製品は、稲垣商事/ヒランビー、日本ルーフ建材/さざなみ等です。
日本ルーフ建材(さいわいルーフ)のさざなみは、フッ素塗装で同じ価格帯ということで多数ご注文を頂きました。断熱材をオプションとして販売しているところもあります。
断熱材のない旧ガルバリウム施工価格
旧ガルバリウム施工価格、¥608,000(屋根面積:65㎡、断熱材なしの下参照)
相場価格:モデルとなる家は前出の屋根面積51㎡のモデルをつかいます。
工事項目 | 金額・費用 | 単価 | 単位 | 数量 | |
---|---|---|---|---|---|
税込合計金額 | ¥ 608,000 | - | - | - | 概算の為千円未満四捨五入 |
内訳: | - | - | - | - | |
ルーフィング、防水材 | ¥ 30,600 | ¥600 | ㎡ | 51 | ゴムアス、普及品、耐用年数約20年 |
断熱材なし、ガルバリウム鋼板材料込 | ¥ 280,500 | ¥5,500 | ㎡ | 51 | さいわいルーフ、きわみ想定 |
棟板金施工費用 | ¥ 22,400 | ¥3,500 | m | 6.4 | |
軒先/軒先唐草施工 | ¥ 23,700 | ¥1,500 | m | 15.8 | 軒先に施工する部品 |
けらば施工 | ¥44,750 | ¥2,500 | m | 17.9 | 切り妻屋根の横部分 |
壁の取合部分雨抑え | ¥21,700 | ¥3,500 | m | 6.2 | 一階下屋と二階壁部分の雨抑え |
仮設足場設置&撤去費用 | ¥102,400 | ¥800 | ㎡ | 128 | |
工事費用小計 | ¥ 526,050 | - | - | - | |
諸経費(工事費の5%) | ¥ 26,303 | - | - | - | |
税込み合計 | ¥ 608,000 |
===============
見積を比較する場合、条件で何が違うのか?を明確にする必要があります。この場合はスーパーガルバリウムと旧ガルバリウム鋼板・断熱材なしの安価な材料との比較です。
この場合は、約8万円の差がありますが、お客様それぞれに8万円の意味が違うと思います。8万円は結構大きいので、できるだけ安くしたい方は、性能より価格です。
または、スーパーガルバリウムが気に入っておられる方は、8万円しか違わないのか!という意見もあると思います。
しかし、重要なのはきちっと相場の価格を出す業者で比較しないとわけが解らなくなりますので、見積比較ではどこから見積をもらうのか?が重要です。屋根屋から直接見積を貰うのがベストです。建築会社、工務店、リフォーム専門会社などは屋根屋直の価格よりマージンのために高い価格になります。
2016年に開発された新しいメッキ鋼板;SGL
2016年、ガルバリウムのメッキ方法を改良した新しい鋼板、SGL、スーパー鋼板が新日鉄住金によって世界に先駆けて開発されました。画期的なこのメッキ鋼板は「正確」には、ガルバリウム鋼板ではありません。ガルバリウム鋼板の亜鉛+アルミニウム+シリコンの合金メッキからマグネットを少量混合することで今までのガルバリウムよりより耐久性の高い鋼板を完成させました。この新しいメッキ鋼板を使って屋根材を製造しているのが;アイジー工業、ニチハ、KMEW、メタル建材です。(2019年11月、JFEはJ-クラフトという新ガルバリウム鋼板を開発済)
ガルバリウム屋根材メーカーは随時この鋼板にかえてくると思われます。すでに4月からは福泉工業がSGLでの製品を発売しています。
屋根の葺き替え、施工単価の算出/建坪と屋根の広さの関係
ガルバリウム鋼板、SGLの施工単価はいくらぐらい?
ガルガリウム鋼板の施工価格を屋根の広さごとに算出し、新ガルバリウム鋼板、SGLの屋根の葺き替え単価を出してみました。SGLでの本体施工単価;¥10,000/平米(本体以外の役物、足場、下地は含まずの単価概算)でした。
また、建坪に対して、屋根の広さのおおよその面積は、建坪1で屋根の広さは概ね1.3~1.5でした。特殊な軒先や屋根の計上でなければ1.5以内ではないかと思われます。良く使う比率なので確認です。
お助け隊の独自相場を使って、SGLの本体、役物、ルーフィングの施工単価をおおよそお知らせしたかったので、5種類の屋根を使って概算を出してみました。役に立つかな??また屋根の面積がわからない方に建坪からおおよその屋根面積を出す倍数をお知らせしたかったのです。
本体、棟板金、ケラバ、軒先唐草の施工単価
スーパーガルバリウム鋼板SGLを主体に使う工事の価格相場;ガルバリウム鋼板屋根材の本体、棟板金、ケラバ板金、軒先唐草、壁の取り合い部分板金、その他屋根部品の施工単価は次の数字を使います。(独自調査)
- ガルバリウム鋼板;本体施工単価:¥6,500/平米
- 棟板金(棟包み)施工単価:¥3,500/m
- 軒先唐草(水切り)施工単価:¥1,500/m
- ケラバ雨押え板金施工単価:¥2,500/m
- 壁の取り合い部分(一例として):¥3,500/m
- 谷の部分:¥4,000/m
注意:これらの価格は金額を保証するものではありません。また屋根の形状、使う材料の種類、予想される手間の時間によって変化します。定額ではありません。どんな壁の取り合いでも同じ費用というわけにはいきません。正確には屋根屋の正式な見積を取って検討してください。あくまでも参考価格として見てください。
建坪別、ガルバリウム鋼板施工費用比較:
建坪10坪の家、二階建て屋根面積:切妻型 51㎡のガルバリウム鋼板施工費用
ガルバリウム葺き替え単価:¥10,000/㎡ おおよその目安と考えてください
建坪 vs 屋根面積の比率: 1:1.5
この費用は足場を入れてあります。スレートのガルバリウム鋼板カバー工法の価格とほぼ同じ費用になります。
サンプルとした家の全体像モデルです。
この屋根にガルバリウム鋼板とルーフィングを施工する費用;
葺き替え項目 | 各部分工事金額 | 数量 | 単位 | 単価 | 備考欄 |
---|---|---|---|---|---|
税抜き工事計 | ¥ 638,150 | - | - | - | |
10%消費税込み合計 | ¥ 701,965 - | - | - | - | |
内訳: | - | - | - | - | |
足場設置&解体費用 | ¥102,400 | 128 | ㎡ | ¥800 | |
ルーフィング施工費 | ¥ 45,000 | 51 | ㎡ | ¥900 | NEWライナールーフィング想定 |
ガルバリウム鋼板本体施工費 | ¥ 331,500 | 51 | ㎡ | ¥6,500 | スーパーガルテクト、横暖ルーフαSなどを想定 |
本体以外の役物 | ¥128,350 | 一式 | - | - | |
屋根工事の小計 | ¥ 608,150 | - | - | - | |
諸経費(工事費の5%) | ¥ 30,000 | - | - | - |
建坪15坪の家、二階建て屋根面積:76.5㎡のガルバリウム鋼板施工費用
葺き替え項目 | 各部分工事金額 | 数量 | 単位 | 単価 | 備考欄 |
---|---|---|---|---|---|
税抜き工事計 | ¥ 990,950 | - | - | - | |
10%消費税込み合計 | ¥ 1,090,045 - | - | - | - | |
内訳: | - | - | - | - | |
足場設置&解体費用 | ¥ 153,600 | 192 | ㎡ | ¥ 800 | |
ルーフィング施工費 | ¥ 68,850 | 76.5 | ㎡ | ¥900 | NEWライナールーフィング想定 |
ガルバリウム鋼板本体施工費 | ¥ 497,250 | 76.5 | ㎡ | ¥6,500 | スーパーガルテクト、横暖ルーフαSなどを想定 |
本体以外の役物 | ¥224,250 | 一式 | - | - | |
屋根工事の小計 | ¥ 943,950 | - | - | - | |
諸経費(工事費の5%) | ¥ 47,000 | - | - | - |
建坪20坪の家、二階建て屋根面積:88.3㎡のガルバリウム鋼板施工費用
葺き替え項目 | 各部分工事金額 | 数量 | 単位 | 単価 | 備考欄 |
---|---|---|---|---|---|
税抜き工事計 | ¥ 1,161,586 | - | - | - | |
10%消費税込み合計 | ¥ 1,277,745 - | - | - | - | |
内訳: | - | - | - | - | |
足場設置&解体費用 | ¥176,000 | 220 | ㎡ | ¥800 | |
ルーフィング施工費 | ¥ 79,461 | 88.29 | ㎡ | ¥900 | NEWライナールーフィング想定 |
ガルバリウム鋼板本体施工費 | ¥ 573,885 | 88.29 | ㎡ | ¥6,500 | スーパーガルテクト、横暖ルーフαSなどを想定 |
本体以外の役物 | ¥277,240 | 一式 | - | - | |
屋根工事の小計 | ¥ 1,106,586 | - | - | - | |
諸経費(工事費の5%) | ¥ 55,000 | - | - | - |
建坪25坪の家、二階建て屋根面積:123㎡のガルバリウム鋼板施工費用
葺き替え項目 | 各部分工事金額 | 数量 | 単位 | 単価 | 備考欄 |
---|---|---|---|---|---|
税抜き工事計 | ¥ 1,491,080 | - | - | - | |
10%消費税込み合計 | ¥ 1,640,188 - | - | - | - | |
内訳: | - | - | - | - | |
足場設置&解体費用 | ¥245,600 | 307 | ㎡ | ¥ 800 | |
ルーフィング施工費 | ¥ 110,430 | 122.7 | ㎡ | ¥900 | NEWライナールーフィング想定 |
ガルバリウム鋼板本体施工費 | ¥ 797,550 | 122.7 | ㎡ | ¥6,500 | スーパーガルテクト、横暖ルーフαSなどを想定 |
本体以外の役物 | ¥266,500 | 一式 | - | - | |
屋根工事の小計 | ¥ 1,420,080 | - | - | - | |
諸経費(工事費の5%) | ¥ 71,000 | - | - | - |
建坪30坪の家、二階建て屋根面積:139㎡のガルバリウム鋼板施工費用
葺き替え項目 | 各部分工事金額 | 数量 | 単位 | 単価 | 備考欄 |
---|---|---|---|---|---|
税抜き工事計 | ¥ 1,700,133 | - | - | - | |
10%消費税込み合計 | ¥ 1,870,146 - | - | - | - | |
内訳: | - | - | - | - | |
足場設置&解体費用 | ¥280,000 | 350 | ㎡ | ¥800 | |
ルーフィング施工費 | ¥ 124,893 | 138.77 | ㎡ | ¥900 | NEWライナールーフィング想定 |
ガルバリウム鋼板本体施工費 | ¥ 902,005 | 138.77 | ㎡ | ¥6,500 | スーパーガルテクト、横暖ルーフαSなどを想定 |
本体以外の役物 | ¥305,235 | 一式 | - | - | |
屋根工事の小計 | ¥ 1,619,133 | - | - | - | |
諸経費(工事費の5%) | ¥ 81,000 | - | - | - |
ガルバリウム鋼板の施工単価
屋根の葺き替え工事にはいろいろな工程があって、ガルバリウム鋼板の葺き替え工事の単価はどれほどなのか?と良く聞かれます。単価を聞いているのですが、お助け隊が単価を答えるときは、他の材料との比較をしたいと思っていますので、本体(平部)の施工単価を答えることが多いです。
・スーパーガルテクト、横暖ルーフαSクラスで;¥6,500/㎡
または、ルーフィング、ガルバリウム鋼板の本体(平部)+役物の材料込みの費用は上の工事例から分かるように、おおよそ¥10,000/平米程度になります。
(これは一つの相場の目安と思ってよいと思います)
- 建坪10坪の家:51㎡ の施工単価 = 約¥9,900
- 建坪15坪の家:76.5㎡ の施工単価 = 約¥10,331
- 建坪20坪の家:88.29㎡ の施工単価 = 約¥10,540
- 建坪25坪の家:122.7㎡ の施工単価 = 約¥9,571
- 建坪30坪の家:138.77㎡ の施工単価 = 約¥9,600
屋根が谷、棟などが多くあって複雑になると、この概算から離れていきますが、普通の屋根であれば、この概算は使えると考えています。あくまでも概算ですが、インターネット上でのその屋根サイトの価格、概算を比較するのに、便利です。
屋根の広さと施工価格、建坪と屋根の広さなどの関係
電話でガルバリウム鋼板屋根の施工金額の概算を答えるのですが、まず屋根の広さが分からないと金額が出せないので、不明の場合はその家の建坪や一階の間取りを聞きます。建坪は一階の面積とほぼ同じで、軒先の出っ張り、屋根の傾きなどで一階の面積との関係でおおよそ計算ができます。この関係を5つの例で比較すると;
- 建坪:10坪の家:一階の面積 vs 屋根の面積;33㎡ :51㎡ = 1:1.54
- 建坪:15坪の家:一階の面積 vs 屋根の面積; 49.5㎡:76.5㎡ = 1:1.54
- 建坪:20坪の家:一階の面積 vs 屋根の面積; 66㎡:88.29㎡ = 1:1.33
- 建坪:25坪の家:一階の面積 vs 屋根の面積; 82.5㎡:122.7㎡ = 1:1.48
- 建坪:30坪の家:一階の面積 vs 屋根の面積; 99㎡:138.77㎡ = 1:1.40
屋根の形状、勾配、特に軒先の出っ張りで屋根の広さは変化しますが、上の例では作成したマイホームデザイナーソフトの屋根設定を一定にしています。
勾配は4寸、スレート葺き、軒先の出っ張りを450mmで、すべて同じになっています。それでも建坪に対して屋根の面積比率は、1.3~1.5程度と違ってきます。私がお客様の建坪、一階の間取りを聞いて建坪を出し、屋根の面積を算出するには、勾配、軒先の出っ張りを聞いて比率を決めます。
本当におおよその屋根面積です。しかし、概算ですので、その屋根葺き替え工事が50万円なのか、100万円なのか、150万円なのかの違いはわかると思います。
家の図面があればもっと正確に概算を出すことも可能です。
屋根葺き替え工事にはルーフィングに注意
ルーフィングは何も言わないと、耐用年数20年程度のゴムアス(ゴム改質アスファルトルーフィング)で見積もられる場合が多いです。最新のガルバリウム鋼板はSGLかJ-クラフトで耐用年数が旧ガルバリウム鋼板より長く改良されていますので、安いゴムアスではちょっとバランスが悪いです。
なので、お助け隊ではSGLまたはJ-クラフトでは30年の耐用年数をもつ(保証ではありませんが)ルーフィングで概算をいうことが多くなってきました。普通のゴムアスより少し高いです。¥900/㎡となっているのはこういう理由です。
新ガルバリウム鋼板は保証が25年ですので、耐用年数はそれ以上のはず、メーカーは耐用年数については言っていません。お助け隊では新ガルバリウム鋼板の耐用年数を30年~35年としています。(全くの私見です)
ちなみに(旧)ガルバリウム鋼板の耐用年数は25年以上、これはガルバリウム鋼板の開発元であるベツレヘムスチール社の実験で実証されています。
ガルバリウム鋼板カバー工法、屋根葺き替え詳細/建坪別概算
ガルバリウム鋼板屋根材、メーカーについて
お客様からガルバリウム鋼板についての質問を聞くとどうも、ガルバリウム鋼板屋根材メーカーとガルバリウム鋼板のメーカーとがごっちゃになってその区別がついていないのではないか?と思われる節がありますので、ここでより詳しく解説したいと思います。
そんなことは気にしないという方は読み飛ばして結構です。ガルバリウム鋼板についての補足情報です。でもガルバリウム鋼板の屋根材を選定するときには少しは役に立つかもしれません。
ガルバリウム鋼板屋根材メーカーはガルバリウム鋼板を生産していません
ガルバリウム鋼板の屋根材メーカー;ニチハ、アイジー工業、福泉工業、メタル建材、KMEW、セキノ興産、さいわいルーフ、マックス建材、月星商事、稲垣商事など日本で営業しているこれらの会社はガルバリウム鋼板の屋根材メーカーであって、ガルバリウム鋼板そのものは生産していません。
ガルバリウム鋼板を生産しているのは、日本では、現在3社;
1:日鉄鋼板株式会社(2012年に新日鐵住金の完全子会社となり、2019年日鉄住金鋼板から日鉄鋼板株式会社に商号変更)
2:JFE鋼板株式会社(1965年川鉄鋼板に商号変更、2003年川崎製鉄と日本鋼管が経営統合しJFEグループ発足、2004年川崎鋼板とNKK鋼板が合併し、JFE鋼板株式会社設立、現在に至る)
3:日鉄日新製鋼株式会社:2018年日新製鋼は新日鉄住金の子会社となる、2019年、親会社の新日鐵住金が社名を日本製鉄へ変更するのに伴い、日鉄日新製鋼株式会社へ社名変更、2020年4月に日本製鉄に吸収合併の予定
のように、日新製鋼は、独自でZAMという次世代のガルバリウム鋼板を開発しましたが、日本製鉄に吸収合併後は屋根材に使われることはないようです。(2022年3月現在)ガルバリウム鋼板を生産するのは、日鉄鋼板とJFE鋼板の2社になっています。
このようにガルバリウム鋼板を生産する会社とガルバリウム鋼板を採用して屋根材と作るメーカーは別会社です。ガルバリウム鋼板のメーカーが自身のグループ会社で屋根材を生産・販売するケースもあります。
例えば、日本製鉄の関連会社であるメタル建材は独自でSGLを使ったガルバリウム鋼板屋根材の販売をしていますし、月星商事は日新製鋼のガルバリウム鋼板屋根材の販売会社でした。
ガルバリウム屋根材はどこのガルバリウム鋼板なのか?
上で概観したように、ガルバリウム鋼板の屋根材はガルバリウム鋼板でできていますが、屋根材メーカーは鋼材メーカーから基材を仕入れて屋根材に加工、塗装、断熱材の付加などを加えて出荷しています。
では、お客様が選んだガルバリウム鋼板屋根材は、どの屋根材メーカーでどのガルバリウム鋼板材を採用しているか?を知ることはガルバリウム鋼板の性能、耐久性、耐用年数の根拠を知るうえで重要と考えます。
2022年3月現在、確認できるガルバリウム鋼板屋根材がどのガルバリウム鋼板メーカーのものか?
ニチハ:
横暖ルーフαプレミアムS、横暖ルーフプレミアムS:
使用ガルバリウム鋼板は日本製鉄のSGL、素材の説明に、アルミニウム55%、亜鉛41.4%、マグネシウム2%、シリコン1.6%とありますので、SGLです。
横暖ルーフαS、横暖ルーフS:
使用ガルバリウム鋼板は多分日本製鉄のガルバリウム鋼板、組成から判断、ガルバリウム鋼板のメーカーは書いてませんし、営業に問い合わせても回答がありません。もしかしたら韓国製の安いガルバリウム鋼板を使っている?
アイジー工業:
スーパーガルテクト・フッ素、スーパーガルテクト:
ガルバリウム鋼板は、日本製鉄のSGL:WebのカタログにSGLの記述は見られないが、組成の解説で、アルミニウム55%、亜鉛41.4%、マグネシウム2%、シリコン1.6%とありますのでこれも「SGL」です。
KMEW社:
スマートメタル:使用ガルバリウム鋼板は、SGL、Webのカタログに「エスジーエル」と記載あり。
福泉工業:
MFシルキー、efルーフ:
MFシルキーのWebカタログにはどこのガルバリウム鋼板か記載はありません。efルーフには、「ヨドネオマットGL」正式名称は「ヨドコウ特殊ちぢみ意匠塗装ガルバリウム鋼板」と使用しているガルバリウム鋼板の名称があります。しかし、ヨドコウ=淀川製鋼はかつては電炉メーカーであり自前で鋼板を製造していましたが現在ガルバリウム鋼板は製造していません。
で、MFシルキーとefルーフの組成の図を見てみると、一番上の塗装層だけの違いで、あとは同じ組成になっていて、これはJFE鋼板のJ-クラフトそのものです。(MFシルキーはシルキーG2に変更:組成は同じです)
特にefルーフは組成を見ると塗装もJ-クラフトと全く同じ、淀川製鋼は何をしたのでしょうか?屋根材に切ったり折ったりして屋根材に加工しただけ?福泉工業は販売をするだけ?多分聞いても回答は得られないので、想像するしかないのですが、MFシルキー、efルーフとも基材はJFEのガルバリウム鋼板を使っているようです。
メタル建材:
エテルナ:使用ガルバリウム鋼板はエスジーエル、Webカタログに記載があります。
リファーナ:使用ガルバリウム鋼板はエスジーエル、Webカタログに記載があります。
メタルルーフ:瓦調ガルバリウム鋼板屋根材:
使用ガルバリウム鋼板はエスジーエル、Webカタログに記載があります。
メタル建材は日本製鉄の関連会社なので、当然SGLを採用し、エスジーエルの登録商標も使えるのだと思います。
稲垣商事:
スーパーヒランビー:使用ガルバリウム鋼板はJ-クラフト「極みMAX」を使用とWebカタログに記載あり。
ヒランビー:使用ガルバリウム鋼板は記載がありません。ゆえにガルバリウム鋼板の出所は不明、価格の安い韓国POSCOのガルバリウム鋼板の可能性もあると思います。価格の安いガルバリウム鋼板は韓国製の可能性もあると知ってください。韓国製が劣っているというのではありませんが、黙って日本製のような態度はメーカーとして正しいのか?お客様で判断してください。
注意:
韓国製のガルバリウム鋼板が製品として悪いというデータ、噂は、お助け隊としては見つけていません。
セキノ興産:
柾目フレックス:JFE鋼板ガルフレックス 厚さ 0.4mm 使用
ダンネツトップSS&S:日鉄鋼板のニクスカラー(ガルバリウム鋼板)使用
ダンネツトップ 8-1, 6-1, 4-1:ガルバリウム鋼板の解説はなし、どこのメーカーかの記述がWebに記載がありません。
ダンネツトップ 6-1ワイド:ヨドGLカラー萌は、淀川製鋼の鋼板ですが、淀川製鋼はすでにガルバリウム鋼板自体の生産を止めているので、多分ですが、JFE鋼板の製品を使用していると思います。(淀川製鋼がJFE鋼板以外のガルバリウム鋼板を使っている可能性は否定できません:確認していません)
屋根材によって、メーカーを変えていますので、ダンネツトップ8-1, 6-1, 4-1は日本のメーカー製ではないこともありえます。
ガルバリウム鋼板屋根葺き替え工事例集
お助け隊で受けたガルバリウム鋼板屋根葺き替え工事例です。
コロニアル、スレートの屋根葺き替えで最も良く使われているガルバリウム鋼板、そのガルバの施工の例で、ガルバリウム鋼板の様子を見て頂きたい。意匠、実際の屋根に施工した様子、色など、ガルバリウム鋼板がどいう屋根材、仕上材なのか?屋根葺き替えの参考にしてください。
次世代のガルバリウム鋼板:スーパーガルバリウム鋼板(SGL)
>>> 瓦撤去して横暖ルーフαプレミアムSへの葺き替え例詳細
2016年に発売された、次世代のガルバリウム鋼板:日鉄住金鋼板のSGL(スーパーガルバリウム鋼板、雑誌にはスーパー鋼板と紹介されています)。今までのガルバリウム鋼板より長い25年の穴あき保証。横暖ルーフαSはSGLを採用した製品になります。
和風の平屋木造住宅に施工されたガルバリウム鋼板、色は茶色です。黒でもマッチすると思われます。周りの風景、漆喰の壁によく溶け合っています。ガルバリウム鋼板の横葺きは洋風の家屋にも良く使われます。シンプルなデザインなので、和風、洋風ともマッチ。
正面玄関からの様子:元は瓦葺きの屋根でしたが、横葺きのガルバリウム鋼板でも漆喰の壁と良くマッチしています。茨城の案件で東日本の地震で瓦に被害があったのと軽量化で葺き替えました。
棟部分を含む本体の様子になります。
更に本体の全体を撮したところ。
屋根葺き替え・リフォームでは断トツに多い製品は横葺きタイプのガルバリウム鋼板です。ですので屋根材料のメーカーも多く、競争も激しく製品の開発に一所懸命です。メーカー同士の競合が多くあることはユーザーにとっては良いことで、価格、品質、製品の種類、塗装のやり方など、いろいろな分野で切磋琢磨しています。より安くより良質な屋根材がどんどん発売されていきます。
銅板の緑青を模擬した緑の色合い材料/ヒランビー
緑の塗装のガルバリウム鋼板です。昼と夕方の写真ですが、光源の当たり方によって色合いが変わっていますが上の4枚の写真は同じ物件です。銅板の緑青をイメージした緑です。メーカーは稲垣商事、製品は断熱材が無いので、予算の厳しいお客様には優しい価格の「ヒランビー」ガルバリウム鋼板屋根材になります。
「横暖ルーフ/きわみ」は、2016年まで販売されていた、ニチハのガルバリウム鋼板屋根材ですが2016年秋にガルバリウム鋼板の調達先の日鉄住金鋼板がガルバリウム鋼板から新しいガルバリウム鋼板であるSGLになったのをきっかけに、ガルバリウム屋根材は全て、横暖ルーフαSシリーズになりました。ですから写真の横暖ルーフ/きわみは最後の方の施工になっています。ちなみに横暖ルーフと横暖ルーフαSでは材料価格はほとんど同じなので、屋根屋さんの施工価格もそんなに変わっていません。
少し儲けを多く取りたい屋根屋さんは、新製品としてスーパーガルバリウム鋼板の施工価格を旧製品より高くしています。しかし、横暖ルーフαSのメーカーのカタログ上の値段は少し安く設定されています。価格戦略的にやっているのかもしれませんが、提携屋根屋の横暖ルーフαSシリーズの材料仕入れ価格は変化していないと言っています。
問屋が差額を儲けているのか?メーカーが競合を考えて問屋への価格は同じでカタログ価格だけ少し安くしているのか?不明ですが、ちょっとチグハグな感じです。でも新しいガルバリウム鋼板の施工価格は提携の屋根屋さんの見積、契約金額をみても旧ガルバリウム鋼板と変わっていないです。
横葺きガルバリウム鋼板/きわみ/黒
ニチハの旧ガルバリウム鋼板、横暖ルーフ/きわみの黒色材料です。艶消しです。
瓦棒、トタン屋根葺き替えでの応用例
トタンの屋根を葺き替える方法・工法は大きく3つあります。
- 瓦棒、トタン(溶融亜鉛メッキ鋼板)を全て撤去して新しい瓦棒にする。勾配が緩い屋根が大半なので、瓦棒にする場合はガルバリウム鋼板での瓦棒葺きか※縦ハゼ葺き。
- 瓦棒屋根のカバー工法:瓦棒の上にコンパネを施工後再び瓦棒葺きにする工法、必然的に通気工法になる。
- トタン、瓦棒のカッパ部分(30mmほど出っ張った部分)の材料を撤去後、トタンの上から保護シートやルーフィングを施工後、ガルバリウム鋼板で重ね葺きする工法、この工法が最も費用が低くできる。
JFEのガルバリウム鋼板平材を現場で加工し、施工。上の施工例では緑色のガルバリウム鋼板使用
瓦棒、トタン屋根とよく似た、縦ハゼ:
屋根の勾配が2.5寸未満ではガルバリウム鋼板屋根材でも横葺きの材料は雨仕舞がわるいので、使える屋根の型は、緩い勾配でも可能な「瓦棒形式」ですが、これの応用で棒の部分をうまく工夫をした「縦ハゼ」という形式もあります。これは工場で加工しなければなりませんので、現場で平板を加工し施工するといったことができません。でも雨仕舞は瓦棒、トタン屋根と同じです。材料もガルバリウム鋼板です。
瓦調ガルバリウム鋼板:
ガルバリウム鋼板屋根材は、非常に軽いので瓦の葺き替えに良く使われます。しかし、瓦の意匠、デザインは残したいというお客様も少なからずいらしゃいます。そんなときは、瓦調ガルバリウム鋼板がお薦めです。重量はガルバリウム鋼板ですので、瓦より遥かに軽く、遠くからでは瓦と区別が付き難いほどです。瓦のような超軽量屋根材として、根強い人気の製品です。デザイン、意匠をご確認ください
コロニアル屋根の上にガルバリウム鋼板を重ね葺き工事例
雨漏りの為、コロニアル築34年の屋根をガルバリウム鋼板/横暖ルーフ・きわみにてカバー工法の施工件です。施工の様子と工事価格。
カバー工法屋根工事例/スレートをガルバとシングルへ
勾配の関係で、ガルバリウム鋼板とシングルのコンビネーションの葺き替え例になります。元々はスレートとシングルでの屋根で、これをガルバリウム鋼板とシングルで葺き替えた工事例になります。
トタンの簡易カバー工法施工例/材料はガルバリウム鋼板
トタン屋根のガルバリウム鋼板での簡易カバー工法工事例です。
ヒランビーでのカバー工法工事例/スレート屋根を
断熱材のないガルバリウム鋼板・ヒランビーでのスレート屋根のカバー工法工事例です。施工不良が含まれています。その解説と、ヒランビーの製品ラインアップの解説を少ししてあります。
ガルバリウム鋼板・ヒランビーでのカバー工法/スレートカバー工法
瓦Uをさいわいルーフへ交換工事例/ガルバリウム鋼板・断熱材なし
カバー工法を既にしてある屋根のガルバリウム鋼板・横暖ルーフでの葺き替える工事例になります。カバー工法が2回出来ないので、スレート、瓦Uを全て撤去して、ガルバリウム鋼板での葺き替え工事例になります。
ガルバリウムへ葺き替え工事例、劣化した瓦U撤去
築34年のスレート屋根の瓦Uでのカバー工法したものを、瓦Uのみ撤去、新しいコンパネを追加施工し、ガルバリウム鋼板・横暖ルーフきわみで工事した例です。
トタン屋根葺き替え/築40年での葺き替え工事
錆びついた、築40年のトタン屋根のガルバリウム鋼板での葺き替え工事例になります。ガルバリウム鋼板の瓦形式屋根へ
ガルバリウム鋼板、SGL鋼板のメリット
1:瓦に対しては、かなり軽量;瓦:45Kg/平米、スレート:20Kg/平米、ガルバリウム鋼板:5Kg/平米。
2:嵌合部分に工夫がされていて、横殴りの雨でも水の侵入が少ない。ルーフィング・防水材に水の侵入が少ないと、ルーフィングの劣化が遅くなることが期待できます。屋根の寿命が延びます。
3:耐用年数が長い、屋根の耐用年数をガルバリウム鋼板だけで規定するのは難しいですが、ルーフィングを適切に選べば、SGLの期待できる耐用年数まで持つことが可能。(SGLの耐用年数はどのメーカーも規定していないが、穴あき保証が25年なので、これより長い耐用年数のはず)私見では35年以上あると思われます。
4:施工価格は、瓦より安い。地域によって、業者による違いがありますが、一般的に瓦より低い施工費用で工事が完了します。
5:工事の期間が比較的短いです。
6:基材である鋼板(鉄部分)が錆なければ、塗装がハゲる前に適切に塗装を繰り返せば、理論上は半永久的にガルバリウム鋼板を使い続けられる。(軒先、棟など端に特に注意が必要)鋼板の劣化は錆だけなので、錆させなければ鋼板の劣化は基本的にはないです。ただしルーフィングがその前に劣化して屋根自体の耐用年数を迎えてしまいます。屋根の耐用年数はガルバリウム鋼板だけの問題ではありません。
7:瓦屋根、スレート屋根をガルバリウム鋼板にすることにより、多少屋根が軽くなり、家の重量が軽くなり、耐震にとって有利になります。特に重い瓦をガルバリウム鋼板にすることにより、例えば耐震診断で30%近く耐震診断の値が改善します。・・・屋根の軽量化で耐震性能が30%向上する例
8:スレートやトタン屋根で、既存の材料を撤去せず重ね葺きが可能です。これにより既存の屋根材を撤去&廃材処分する費用が節約できます。「カバー工法」と言います。
ガルバリウム鋼板のデメリット/その対策
非常に良くご契約を頂くガルバリウム鋼板ですが、長所ばかりではなく、短所ももちろんあります。なに頭の解決さくもあるのですが、短所をお知らせしておきます。見積のときに屋根屋さん自らガルバリウム鋼板の短所を聞くことはあまりないと思いますが、短所も知って選んでもらいたです。
ガルバリウム鋼板屋根材の短所・デメリット
- 0.35mmと非常に薄いメッキ鋼板なので、断熱性能はないです。夏暑く、冬は寒い。簡便は対策は通気工法。費用対効果面では有利です。ガルバとスレートの断熱性能比較実験。
- 金属の材料なので、雨音がします。気になるようなら対策をお薦めします。
- 薄い金属材料に塗装を施しているので、ひっかき傷が出来やすい。
- もらい錆びを受けやすい。施工後に鉄くず、釘、ビスが残っているとたちまち錆びます。
- スレート屋根をガルバリウム鋼板でカバーすると、屋根が少し重くなります。これは耐震には良くないです。でもその程度は限定的です。
ガルバリウム鋼板の数多い欠点、葺き替えに使って大丈夫か?
一般住宅用の屋根用・ガルバリウム鋼板は、横葺きのものも、縦葺き用の平板も厚さ0.35~0.4mmの瓦やスレート材と比較して薄い材料になっています。軽くて耐用年数が長い製品ですが、素材が金属であることとこのように薄い材料であるが故の不利な点もあります。このページではその欠点を考えてみます。
またその欠点はどの程度のもので、対策があるのか?あるとしたらどうなのか?費用の面も含めて解説したいと思います。ガルバリウム鋼板の欠点とは?
- 薄い鋼板なので断熱性能は全くありません!
- 雨音がうるさい/2階では寝れない?
- 運送時、施工時に表面にキズがつきやすい。
- もらい錆を受けやすい/施工後は釘、ビスなどの忘れ物を要チェック
- スレート屋根のカバー工法では重くなって耐震に不利なのでは?
その他のデメリット、考察する項目が多く、この先は別ページで解説します。ガルバリウム鋼板でデメリット総論:デメリットを言っているサイト&屋根屋さんの言い分
- スレート屋根の上にルーフィングを施工するのに問題
- 下地が劣化している状態でスレートの上にカバー工法をやるのが問題
- カバー工法をしてある屋根に更にカバー工法は不可
- 雨漏りに気付くのが遅れる可能性がある
- カバー工法は太陽光パネルの設置ができない
- 選択できる屋根材が限られる
- 部分修理が困難(嵌合式のみ)
- この先20年、30年も下の材料がもつのか?
- 古い屋根材、苔、カビなどそのまま残すので、心理的に気持ちが悪い
- 火災保険が使えなくなる可能性がある
6:からページが長くなるので、別ページで解説します。
5はガルバリウム鋼板の欠点ではありませんが、コロニアル、スレート材のカバー工法として非常に良く使われるので、考察してみます。1、2、は実際に実験で断熱性能と雨音を測定してみましたので、そのデータから検討してみます。
1. ガルバリウム鋼板の断熱性能
ガルバリウム鋼板には断熱性はありません。なので特に夏の暑さを心配するお客様は、多くがコロニアルの葺き替えでコロニアルを撤去し、ガルバリウム鋼板を施工する際に心配です。相談の中心は「断熱材付きのガルバリウム鋼板は効果があるのか?」です。実際に測ってみました。コロニアルと断熱材付きのガルバリウム鋼板で夏の部屋の温度がどれほどなのか?
実験用の断熱BOXを2つ製作し、屋根をKMEWのコロニアル(コロニアル・グラッサ)とアイジー工業のスーパーガルテクトにして、BOXの中の温度を日中に測定してみました。このページにはコロニアルのカバー工法の温度変化、対策として通気工法でのデータもあります。
>>> スーパーガルテクト vs 横暖ルーフαS断熱性能比較
意外にもコロニアル(スレート、カラーベスト)は断熱性能が良くありませんでした。ガルバリウム鋼板自体の断熱性能はありませんが、材料に断熱材をつけたり、カバー工法や通気工法で対処が可能で、少なくともコロニアル、スレート時のときより悪化はすることはないようです。また、たった10mm程度の断熱材ですが、その効果はゼロではないようです。
2. ガルバリウム鋼板の雨音特性
次に気になるのは、雨音です。薄い金属なので、ガルバリウム鋼板だけの雨音は大きいです。トタン屋根で雨音を測定してみました。(すみませんこのとき断熱材のないガルバリウム鋼板がまだ手に入ってませんでした。トタンもガルバリウム鋼板も0.35mmの同じ鋼板です)
雨音の実験では水道からのシャワーで測定しています。その水の量は60mm/時間で、50mmの雨でも土砂降りの雨なので、かなりの水量です。聞くときの音量はお客様のPC、スマホの音量を大きくして聞いてください。下の音量は変えないでください。
トタン屋根の雨音/波板トタンの測定
横暖ルーフαS(断熱材付き)の雨音測定
ニチハの横暖ルーフシリーズは以前のシリーズと同様、全ての製品で10mm程度の断熱材が標準で装備されています。このたった10mmの断熱材ですが、明らかに雨音は小さくなっています。雨音に対しては、この実験セットではかなり効果が認められました。
更にこの雨音を小さくする為の対策が、コロニアルのガルバリウム鋼板によるカバー工法と通気工法になります。それぞれの雨音をお聞きください。
コロニアル/横暖ルーフαSのカバー工法の雨音
非常に良く契約をいただくコロニアルにガルバリウム鋼板のカバー工法では雨音はかなり軽減されて、今までのコロニアル、スレートだけよりは雨音は小さくなります。
コロニアルを撤去後/横暖ルーフαSの通気工法
通気工法は、断熱性能の向上のためにやる方法ですが、遮音にも充分効果を発揮しています。詳しいことはリンクから雨音測定のページを参照してください。
3. ガルバリウム屋根材はキズがつきやすい
ガルバリウム鋼板は、僅か0.35mm~0.4mm程度薄い鋼板に塗装を施した製品で、材料同士の擦れ、材料を加工し、尖った箇所で簡単にキズがつきます。塗装の厚さは、数十ミクロンで、細いひっかき傷でも塗装が失われます。
塗装がなくなっても、そのしたにはアルミと亜鉛のメッキ層があり、このメッキの成分が、鋼板の腐食を防ぐ仕組みが備わっています。亜鉛の犠防食機能と言いますが、塗装が無くなり僅かにメッキ層も傷がついても、雨がふると、亜鉛のイオンが溶け出し、酸化亜鉛となって鉄をカバーするという仕組みで鉄が錆びるのを防ぐのです。
それでも、施工後にチェックして塗装が少しでも傷ついていたら、わずかでもそこを同じ色の塗料で保護するのが、プロフェッショナルの仕事です。丁寧な普通の屋根屋さんは、ガルバリウム鋼板のひっかき傷には気を使って、トラックから屋根に材料を上げる際、材料を屋根に設置する際には最大限の注意を払って傷がつかないように仕事をします。
塗膜の違いによる塗料の硬さ
ガルバリウム鋼板も2016年に新しくなり、スーパーガルバリウム鋼板、SGLという基盤が開発されました。これは従来のガルバリウム鋼板を超える高耐久性の製品で、ニチハ株式会社、アイジー工業、KMEW、メタル建材、福泉工業などの屋根材メーカーがこのSGL(スーパーガルバリウム鋼板)を採用しています。
このなかで主な、1,2位を占めると思われる、ニチハの横暖ルーフαS、アイジー工業のスーパーガルテクトの表面を調べてみました。下の写真です。
スーパーガルテクトの塗膜と横暖ルーフαSの塗膜との違いは、スーパーガルテクトの方が塗膜が硬く傷がつきにくいようです。もし屋根葺き替えの計画があって横暖ルーフαSかスーパーガルテクトか迷っていたら、サンプルを屋根屋に見せてもらってください。表面を触るだけで感触がわかると思います。しかし、塗膜が少し硬いということは、塗膜が割れやすいということもあります。
両社、いえどのメーカーも塗膜の耐用年数のデータを公開していないでしょうから、塗装の良し悪しで選ぶのは難しいかもしれません。ここではただ、スーパーガルテクトは少し塗膜が硬く、傷が付き難いと私は思います。
4. ガルバリウム鋼板はもらい錆に弱い!
ガルバリウム鋼板ばかりではなく金属材料一般に言えることです。
もらい錆とは、ガルバリウム鋼板を施工した後に、ビス、釘、金属の切り屑などが屋根材の上に残っていると、これが錆、その錆をガルバリウム鋼板が貰って錆を移す現象です。
または、空から鉄が降ってきてガルバリウム鋼板の上に乗ってしまうことでも同じもらい錆が発生します。しかし、空気中には鉄の成分はありませんし、考えられるのは台風か強風でどこかの看板や鉄の部品などが飛んでくることですが、限りなくあり得ないです。
一番可能性があるのは、屋根屋さんが、残した釘、ビス、工具です。もちろん屋根屋はこのことを良く知っていますので、工事後のチェック、切り屑などは綺麗に清掃して終わりにします。屋根に金属片を残さないように、注意を払います。もらい錆を防ぐにはこれしかないです。
5. カバー工法/重くなって耐震に不利か?
耐震診断では、家全体の重さがどれだけ増加したか?で計算します。
結論を言うと350Kgそのものの重さが重要なのではなく、家全体の重量に対してガルバリウム鋼板の増加重量の割合が重要です。家の重量は十数トンに対して追加の重さは350Kg、そんなに重篤な増加ではないと考えます。
家全体が重くなると地震が家を倒壊させよとする力が大きくなって倒壊し易くなります。10Kgとほんの僅かでも家が重くなると、耐震診断上の計算では評価値は悪くなります。屋根面積70㎡の2階建てのコロニアル屋根の家があるとして、これにガルバリウム鋼板でカバーした場合の重さの増加は、約350Kg。
350Kgって結構な重さですが、この重量の増加が、耐震を著しく悪化させる、とあるサイトや屋根屋は言います。これを理由にカバー工法はやめて、コロニアルを撤去してくださいと!
これは正しい判断でしょうか?耐震に不利なら、どれだけ耐震に影響するのか?その根拠と程度を示さないとお客様は、正確な判断ができないと考えます。
・・・耐震の計算をしてみます。その回答から判断してください。屋根屋は耐震診断の専門家ではありません。根拠のない言葉を信用しないでください。
のページを参照してガルバリウム鋼板のカバー工法を採用するか、やめるかを判断してください
以上になります。
>>> 屋根葺き替え、屋根工事トップペ
ガルバリウム鋼板については以上になります。