ガルバリウム鋼板の性能、特長

ガルバリウム鋼板、25年の耐用年数/開発会社の検証実験

ベツレヘムスチール社の25年に渡る実証実験

ガルバリウム鋼板の耐用年数を良く聞かれます。一生モノとか20年以上は大丈夫とか屋根屋は言いますが、その根拠はどうも曖昧です。しかし、きちっとガルバリウム鋼板の開発元が実証実験を実施してインターネット上にそのレポートを載せていました。耐用年数は25年以上と結論づけています。

ガルバリウム鋼板実験タイトル

ガルバリウム鋼板英語名:Galvalume 米国大手鉄鋼メーカーであるベツレヘムスチール社の開発製品名です。ガルバリウム鋼板は日本語の名前ですが、これは日本製鉄(旧新日鉄住金)の登録商標になります。

全米33箇所で、行われたガルバリウム鋼板防爆試験

Bethlehem Steel Corp.、Dofasco Inc.など6社で1974年から行われた大規模なガルバリウム鋼板の耐用年数試験が全米14都市、33箇所で実施されています。

そのうち;
12箇所は、25年間
13箇所は、17年間
8箇所は、20年間

雨漏りなどなく、経年をしていたという報告がこのレポートで報告されています。この野外の実際に工場、倉庫、大型の建物に施工された防爆実験でガルバリウム鋼板の耐用年数は25年であると主張されています。

しかし、1974年から1999年の25年間で、各ガルバリウム鋼板屋根は劣化をし、塗装は剥げています。美観からはとっくの昔に耐用年数は過ぎていると言わざるおえませんが、屋根の基本機能である、雨漏りを防ぐという最大の目的では、耐用年数は25年であると結論つけています。更にこのガルバリウム鋼板の屋根の形式は日本語で言う瓦棒形式での施工であり、かつ緩勾配での実験ですので、雨仕舞としてはあまり良い環境ではないことがあります。

それでも25年以上雨漏りから建物を守ったことはすごいことだと認められます。全米14都市も、環境が一様ではなく、酸性雨の多い工業地、乾燥地帯である中西部、海岸に近い箇所などなど様々な環境の場所での試験でした。これらの悪環境でも耐えられたのです。

参照:

PDF File:GALVALUME Proven Performance : By BIEC International Inc., 検索で「GALVALUME Proven Performance」を検索し、1位に出ているPDFリンクをクリックしてください。レポートが開かれます

 

ミシシッピー州のガルバリウム鋼板屋根

Gulfport, MS(ミシシッピー州、ガルフポート)高温多湿の環境地域。1974年に施工されたものを、1994年、1999年に調査したものです。いずれも問題はありませんでした。

アップルトン、WI ガルバリウム鋼板屋根

Appleton, WI (ワイオミング州、アップルトン):酸性雨の多い工業地帯;1974年に施工されたものを、1994年、1999年に調査したものです。いずれも問題はありませんでした

インディアナポリス、IN ガルバリウム鋼板屋根

Indianapolis, IN (インディアナポリス、インディアナ州)同:酸性雨の多い工業地帯。同調査は1994、1999年に実施されたもの、その写真。

●実験に参加、協賛した会社、組織
・Bethlehem Steel Corp. Galvak, S.A. de C.V. United States Steel Corp.
・Bethlehem, PA Monterrey, Mexico Pittsburgh, PA
・Phone: (800) 521-4789 Phone: (52-81) 8748-0485 Phone: (888) 243-6851
・Steelscape, Inc. Industrias Monterrey S.A. Wheeling-Nisshin, Inc.
・Rancho Cucamonga, CA Monterrey, Mexico Follansbee, WV
・Phone: (800) 987-4727 Phone: (52-81) 8329-8536 Phone: (304) 527-2800
・Dofasco Inc. National Steel Corp.
・Hamilton, ON Canada Mishawaka, IN

参照URL:このレポートはPDFで見られます。
Googleの検索で「Galvalume Proven performance」で検索してGALVALUME Proven Performance - Metro Roof Productsの項目が報告書のPDF fileになります。

参考:ベツレヘムスチール社:

引用:ウィキペディア

ベスレヘム・スチール (Bethlehem Steel Corporation, 1857年 - 2003年) は、アメリカ合衆国の製鋼会社。ペンシルベニア州ベスレヘムに所在した。かつてはUSスチールに次ぐ規模を持っていたが、2001年に破綻、分割され、2003年にインターナショナル・スチール・グループ(International Steel Group, ISG)に売却された。2005年にISGはミッタル・スチールと合併した。

その操業期間中、ベスレヘム・スチールは世界で最大の造船会社の内の一つで、アメリカの工業生産における最も強力なシンボルの一つであった、

@@@galva&jinca

ガルバリウム鋼板(GALVALIUME)という名称について:

屋根のサイトでは、ガルバリウム鋼板とジンカリウム鋼板との違いが話題にのぼっていますが、この両者は全く同じ製品であり、単なる名前の違い、登録商標の違いです。その根拠を記載します。

「Galvaliume」を開発したのは、ベスレヘム・スチール社ですが、この製品を世界に広める目的で世界各国の鉄鋼メーカーにその技術的なライセンスを(有償で?)与えたのです。現在日本では日本製鉄他がライセンスを持っています。

BlueScope Steel Ltd.の関連会社である、BIEC International Inc.が「Galvalume」の商標権、技術的な特許などを所有しています。(間違いがあったらメールにて指摘してください)

現在は「Galvaliume」のライセンスを所持し各会社にこのライセンスと「Galvaliume」の商標使用権を与えているのは、BIEC International Inc.という、オーストラリアの大手鉄鋼メーカーのBlueScope社の傘下の会社です。BIEC International Inc.からライセンスを受けて日本の鉄鋼メーカーはガルバリウム鋼板を生産しています。もちろん米国の鉄鋼会社もライセンスを受けて製造・販売をしていてその会社名は

Ternium Siderar:アルゼンチン

ArcelorMittal Vega:ブラジル

Steel Dynamics Inc.:米国

Yieh Phui Technomaterial:中国

Steelscape Inc.:米国

Ternium USA:米国

U.S.Steel Corp.:米国

JFE Galvanizing:日本

Nittetsu Sumikin Kohan:日本

他多数、2019年11月現在

この中で、Steelscape Inc.という会社は、GalvaliumeをZincaliume(日本語では:ジンカリウム鋼板)のトレードマークで販売しています。:http://www.steelscape.com/products/zincalume。

つまり、「Zincaliume」は「Galvaliume」のことで、steelscapeの登録商標が「Zincaliume」であるということです。このサイト(英文ですが)組成も同じものが書いてあります。当然性能も同じです。

因みに、「ガルバリウム鋼板」は英語で「Galvaliume」。日本語「ガルバリウム鋼板」の商標権は日鉄住金鋼板(現日本製鉄)が持っています。英語日本語の違いがありますが、全く同じ製品です。

余録:

ガルバリウム鋼板は屋根材として人気がない米国

日本では特に普及しているガルバリウム鋼板屋根材、屋根材に限っていえば、開発元国の米国は、一般木造住宅ではガルバリウム鋼板のシェアーはかなり少なくて、古い統計ですが、2011年の調査では、54%以上はアスファルトシングル、ガルバリウム鋼板など金属の屋根材は僅か9.2%しか金属屋根材が使われていません。また日本で良く使われているスレート材も米国では殆どありません。

これは、スレート材を開発、生産、販売していた米国最大手ジョン・マンビル社がアスベストの問題で数万という裁判を抱え、その賠償金の支払いに耐えきれず倒産してしまったことより、スレート材は姿を消しています。

※米国屋根材市場の数字は:株式会社グローバル インフォメーションザ・フリードニア・グループが発行した報告書「Roofing to 2015 (米国の屋根材(ルーフィング)市場 : 2015年および2020年の予測)」から引用。

 

GALVALUMEの出典:参照レポート:

検索「GALVALUME Proven Performance」:PDF File参照この資料の出典であり、参照した元ベツレヘムスチール社のレポートです。多分ガルバリウム鋼板(GALVALUMEの耐用年数の調査では初めての試みと思います)

 

ガルバリウム鋼板の耐用年数については、以上です。

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