屋根葺き替えのときには是非考えたい、屋根の性能

更新日:

屋根の最も重要な性能のひとつは、雨、風を家の中に入れない性能

その家の性能とは何でしょうか?車には、エンジンの大きさとして排気量、型式、駆動方式などいろいろな性能、仕様があります。木造住宅の屋根の性能には何があって、屋根葺き替えのときに考えなければならない項目は何か?気をつけたいものは何でしょうか?

屋根の性能サブタイトル画像

 

当たり前のことを言うなと叱られそうですが、これが屋根の基本の性能です。雨漏りを何年間しないようにするかが、何年間その屋根が使えるかが耐用年数で、大きな地震が来たらそれに耐えられるかが耐震性能です。家の環境では夏の暑さを少し和らげるのが屋根の断熱性能で、豪雨の夜、夜の安眠を少しでも寝やすくするのが雨音の性能ですし、家をカビ、ダニ、苔の劣化、木部の腐食から家を守るということでは、結露も重要な事柄なのです。

家を守るという観点からの屋根の性能はこのようないろいろな性能があってこそ実現できます。屋根の葺き替え時に検討、考えなければならないことはこれらの事柄ではないでしょうか?何か相談があれば「屋根工事お助け隊」まで気軽に電話をしてください。またこれに伴う屋根工事は相場の価格で、正に適正価格でできます。電話:0120-58-1152まで

もう一つの性能は、家を美しく見せる機能・性能

これも当たり前ですが、屋根は家の外観を大きく占めるパーツです。この屋根の塗装が剥げたり、割れたり、ヒビがあっては雨漏りも心配ですが美観も失なわれます。屋根は家そのものです。

瓦、屋根、家全体の様子

でも美観は屋根の雨漏り性能の劣化とは無関係で、ここをきちんと理解しないと屋根の葺き替えのとき
にいろいろ混乱することがあります。

外観や美観にとらわれなければ、つまり車で言えば、エンジン、トランスミッションなど走る基本性能がしっかりしていればボディは少しぐらい傷、擦れ、塗装の変色、塗装の剥げがあっても動けば良い、100km/hで高速道路を走れれば良いなら、この機能は殆ど気にしなくて良くて、雨漏りの防止機能、その他の性能に集中すれば良いのです。

 

屋根の性能/雨漏り防止、美観以外の性能

屋根の仕様としては、主なものは仕上材の材料、勾配、形式であり工法や屋根材・仕上材によって耐用年数、雨音が小さいか大きか、断熱性能などがあるか?等です。このサイトでは、次の性能について、調査、実験を致しました。気になる性能ですが、他のサイトやメーカーも言わないものがあります。屋根のリフォーム時に、より良い家にする為に、屋根の葺き替えをするときに、屋根材を選ぶと際に、これらの性能、特性をも考えて頂きたいと思います。また、これらの性能、困っていること等について、質問、相談、工事をも受けております。

  • 屋根の断熱性能(関東より南は夏の暑さ対策に)
  • 耐震性能、耐震診断とは?その評価方法
  • 屋根の耐用年数/屋根材の耐用年数
  • 屋根の雨音の大きさ、防音性能(特に二階の雨音)
  • 屋根での、屋根付近での結露をさせない性能、風通し性能
  • 瓦の耐震工法、耐震性能

屋根の断熱性能、屋根材の断熱性能

屋根の断熱性能と言うと、夏、トタン屋根の家は暑いので、今回の屋根葺き替えで何とかして欲しいという依頼が、春先からあります。本来断熱は総合的に工事をしないとあまり効果を産まないと言われています。窓が大く影響しますが、外壁、床、ドアから夏は熱気がどんどん侵入してきます。その外気と部屋を遮断するのが断熱です、まさに熱を断つことです。断熱のことは特にスレートや瓦からガルバリウム鋼板に屋根を葺き替えるときに問題となります。

お客様も我々屋根屋も思い違いをしていたこと、スレート屋根を撤去してガルバリウム鋼板にすると、より部屋の中は暑くなるとは常識的に思っていましたが、果たしてそれは正しいのか?実験してみました。スレート屋根、ガルバリウム鋼板の断熱材の無い屋根材、断熱材がある屋根材の断熱性能比較です。

日本の断熱性能の規格・断熱性能等級4

平成13年に公告された、国土交通省告示第1347号の断熱性能等級4によると、決められた適用条件を満たした一般木造住宅の屋根、天井、外壁、床の断熱材の厚さは:

・屋根:185mm、または天井で160mm(例:高性能グラスウール16Kで)
・外壁:90mm(一般的な木造住宅の柱は100mm)
・床:210mm(外気に接する部分)、その他:135mm

注:この断熱材の厚さは北海道の極寒地域を除いた地域、また木造軸組み工法で充填断熱工法んの場合の仕様です。その他の条件については:URL:https://www.flat35.com/files/300200680.pdf を参照のこと

何が言いたいのかと言うと、新築の場合はこの仕様は可能ですが、リフォーム、屋根葺き替えのときにこの屋根の断熱材の厚さが、185mmはできるのか?が問題です。しかも、断熱材はグラスウールになっています。例えば、スレート屋根からガルバリウム鋼板に屋根を葺き替えたとき、185mmの断熱材を施工すると、まずカバー工法は不可能で、スレート、ルーフィング、下地材を撤去し、屋根の骨組みである垂木の全交換になりそれも185mm厚のものにして下地材の下に断熱材を入れなければなりません。また185mmも屋根が高くなりますので、雨樋も位置がずれてしまうので、雨樋の架替になります。

技術的には可能ですが、重量の面でも少し心配ですが、費用の面では現実的なやり方とは思えません。 そこで、このサイトの屋根の断熱の実験&工法としてどの屋根材がどれくらいの断熱性能を持っているのか?どの工法が費用の面でも現実的なのか?の実証実験を踏まえての解説になっています。

耐震性能とは?耐震診断とは?どのようなものか?

日本では一般木造住宅の耐震性能は、建設省の外郭団体、民間、大学関係の研究者が作った耐震診断法があります「木造住宅の耐震診断と補強方法」にまとめてあります。いろいろな耐震診断の本は基本的にはこの本が元ねたになっています。

結論から言えば耐震診断は、巨大地震の力に対してその木造家屋がどれくらい耐えられるか?で評価しています。その評価段階は、次の4段階; 巨大地震:震度7以上の地震など

  • 1.5以上 :倒壊しない
  • 1.0~1.5 :一応倒壊しない
  • 0.7~1.0未満:倒壊の可能性あり
  • 0.7未満 :倒壊の可能性が高い

これらの数字は次式で計算されます。

建物の耐震評価点 = 建物の保有する耐力 / 必要耐力

地震の力&家の保有力

必要耐力は巨大地震のその家にかかる力、保有する耐力はその家が地震の力に対抗して倒れまいとする持っている固有の力です。つまり柱、梁、耐力壁などが地震に耐えられるか?の力です。

屋根葺き替えで問題、懸念される場合は、重い瓦を軽量なガルバリウム鋼板などに葺き替えるとき、どのくらい耐震診断値が良くなるのか?スレートのカバー工法でガルバリウム鋼板、ジンカリウム鋼板を上乗せしたときにどれくらい診断値が悪化するのか?が課題です。

耐震診断については、別ページに詳しく書いていますので、耐震診断の項目を読んでください。

屋根の耐用年数/屋根材の耐用年数

屋根の寿命、耐用年数には次の2つの意味があります。

  1. 屋根は家の美観を作っていて、謂わば家のデザイン、意匠を決めています。
    この美観が損なわれていたら、美観的に寿命です。
  2. 屋根は雨、風から家を守っています。特に雨漏りが始まったらこの機能の耐用年数が近い

生活で重要なのは2の雨漏りを防ぐ機能が失われたときです。この寿命は屋根のどの材料から来ているかと言うと、防水材であるルーフィングです。このルーフィングの防水機能が失われると雨漏りが発生し、屋根の寿命が来たと認識できます。瓦やトタン、スレート材、ガルバリウム鋼板、ジンカリウム鋼板の寿命ではありません。

何故なら、スレート材が割れても、欠けてもひびが発生しても、ルーフィングが防水機能を失っていなければ、雨漏りは発生しません。屋根の「2」の意味での寿命、耐用年数は実はルーフィングの寿命、耐用年数です。

各屋根材のおおまかな耐用年数、寿命

■ルーフィング、防水材

一般的なゴムアス(正引き名称:改質ゴムアスファルトルーフィング):20年前後、下の2つ以外のほとんどの製品のカタログに耐用年数の記載はない(規格試験のデータは記載がありますが・・・)もしカタログの記載を見つけた場合はサイトの情報を変更します。

Newライナールーフィング/田島ルーフィング社:30年、カタログに記載あり
マスタールーフィング/田島ルーフィング社:60年、カタログに記載あり

 

■仕上材(一番上にある屋根材)

・釉薬瓦:60年:CASBEEに記載あり
・セメント瓦:20年程度、特に根拠なし、業界の認識
・スレート材:20年程度:業界、屋根屋が良く言う寿命、30年と言うサイトもあるが根拠なし
・トタン(溶融亜鉛メッキ鋼板):再塗装がない場合:10年程度
・アスファルトシングル:20年程度
・ガルバリウム鋼板:25年以上、開発メーカーのベツレヘムスチールの実験が根拠
・石粒付鋼板、ジンカリウム鋼板:50年、全てのメーカーがこの数字を言っている
・スーパーガルバリウム鋼板:新日鉄住金のサイト、カタログに耐用年数についての記載はない

 

客観的に根拠のある耐用年数は、ベツレヘムスチール社が、1972年から1999年に全米で実施したも、33箇所で25年間雨漏りがなかったことをレポートしています。これが根拠となってガルバリウム鋼板は再塗装なし、修理なしで25年以上の耐用年数があると結論づけています。

ルーフィングに関しては田島ルーフィングが社内実験で促進試験をやっていて、そのデータの一部をカタログに記載しています。Newライナールーフィングとマスタールーフィングは、この実験結果からカタログに記載したと思います。それだけ自信のある製品と言えそうです。

瓦の耐用年数、寿命が60年というのはCASBEEというたてもの評価システムがるがここに記載がある、しかし、何も根拠が書いてないのと、60年は目安であると言っているので当てにならないです。

ルーフィングの寿命が屋根の寿命と考えると、20年が一つの区切り、家を建ててこのころから雨漏りなどに気を配って頂きたいです。しかし、雨漏りが一回でもあったらすぐに屋根の葺き替えか?と心配するお客様がありますが、決してそうではありません。一回目の雨漏りはまずすぐに修理が基本です。

またしばらくすると(半年後か3年後かは言えませんが)また2回目の雨漏り、またすぐに修理です。何回まで我慢するか?です。3回目、4回目となると、ルーフィングがあちこち劣化して防水機能が失われていると考えられますので、そろそろ葺き替えです。

訪問業者が良く、雨漏りがあったらすぐに屋根を葺き替えないと大変なことになる。とセールスします。お金が余っているのならもちろんその訪問業者に依頼しても良いのですが、本当に葺き替えが必須なのか?良く考えてください。誇大公告ならぬ誇大営業の可能性が大きいです。

くれくれも騙されないように。そんな営業が来たら「屋根工事お助け隊」へ相談してください。電話でもかなりのことを判断できます。

屋根の雨音の大きさ、防音性能(特に二階の雨音)

テストBOXで各屋根材を施工し、一時間に60mmの量のシャワーで雨音の測定をしたものがしたの雨音結果です。これらのデータは各屋根材の葺き替えのページで使用していますが、ここにまとめて掲載します。(音は相対的に比較してください。右の音量が同じレベルになっているか、確認)

各屋根材、工法でのテストBOX内での録音です。

トタンの雨音:

ガルバリウム鋼板(断熱材のあるもの)の雨音:

スレート材(コロニアル)の雨音:

スレート材の上にガルバリウム鋼板(カバー工法)の雨音:

アスファルトシングルの雨音:

通気工法(仕上材:横暖ルーフαS)の雨音:

屋根での、屋根付近での結露をさせない性能、風通し性能

屋根付近での結露は家の中で冬、暖房で暖められた水分を多く含んだ空気、水蒸気が屋根で冷やされ水滴ができます。この水滴は屋根の内側、正確に言うと防水材、ルーフィングの内側に水滴となってやがて下地材を腐食させ、ひどいと屋根部分の内側にカビ、苔を繁殖させてしまいます。

これを防ぎ風通しと良くするのが、換気口、屋根の棟部分の換気棟というものです。

換気口と軒天の換気板

棟換気部品

換気をとる為の部品はいろいろな形、取り付ける箇所は違いますが、目的は同じ、屋根裏の換気です。しかし、せっかく温めた部屋の暖気を逃がすことになりますのでエネルギー効率が良くないです。夏も同じでせっかく冷やした部屋の冷気も換気口から逃げていってしまいます。

なので、屋根付近での結露を防ぐのは屋根裏に湿った暖気を行かせないのが良いと考えます。つまり部屋の温まった空気を天井で遮断する方法です。ここに性能の良い断熱材を隙間なく施工すれば、結露はできないし、温まった空気を屋根に逃がす、夏はエアコンで冷やした空気も屋根に逃げません。本来は屋根屋の仕事ではありませんが、重要で良くある相談なのであえて解説します。

屋根材の断熱も調査や実験をしましたが、屋根材で断熱をするのは非常に限界があります。一番断熱性能のコスパの良い、通気工法ですらこの結露の問題には対処できません。断熱性能、雨音、結露の問題、3つを解決できる、ベストの回答は屋根裏(天井裏)にきちんと断熱材を施工することなのです。

しかし、屋根葺き替えの相談ではここまで言うと予算の問題などがあって実際にそこまでやるのは難しいこともあります。相談はありますが、断熱材の施工業者も紹介しますが、契約には至らない場合がほとんどです。

真剣に屋根葺き替え、断熱、雨音、結露のことを考えるのなら屋根裏断熱を考えるべきです。私が自宅の屋根裏に施工した断熱材はセルロースファイバーで、グラスウールより高いですが、¥2,500/㎡でできます。100㎡の天井で、¥250,000です。何故グラスウールにしなかったのか?長くなるので、ここからは電話で相談いたします。

これは屋根屋では扱いきれない問題です。建築会社や工務店でもあまり真剣に答えてくれないというのが私の経験です。お助け隊ができるだけお答えします。

瓦の耐震工法、耐震性能

今までの瓦の施工は引っ掛け桟工法といって、瓦に小さい爪、突起があってこれで桟木(角材)に引っ掛けて固定する方法でした。1995年以前の古い瓦屋根はほとんどこの方法です。つまり瓦一枚一枚が桟木に引っかかっているだけで、震度5弱でも簡単に瓦がずれたり、外れて落ちたりするものでした。

1995年の阪神淡路大震災で多くの瓦屋根が崩れるに及んでやっと、国土交通省と瓦の全国組織である全瓦連が瓦を一枚一枚釘で固定する工法を策定し、これを瓦の標準工法としました。今頃という感じは否めないと思っています。多くの人は瓦はしっかりと釘で固定されていると思っていたかたが多いです。

特に屋根の頂上の棟部分は、冠瓦と熨斗瓦がありあますが、針金で固定されているのではなく、ただ瓦をくくっているだけで、屋根本体とは固定されていません。ですからやはり震度5程度の揺れで簡単にずれたり落下したりしました。

ガイドライン工法はこれを改め、瓦一枚一枚釘で固定し、棟部分も穴の空いた冠瓦を使い長い釘、ビスで固定する方法にしたのです。これを耐震工法、ガイドライン工法と言っています。20世紀も末になってから、震度7クラスでも簡単には崩れない工事方法を発表したのです。

詳しくは「瓦のガイドライン工法」としてまとめましたので、そのページを読んでください。

 

以上です。

-屋根葺き替え
-

Copyright© 屋根葺き替えを成功させるには , 2018 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.