屋根の性能

屋根の性能、屋根工事の際に考えるべき屋根の性能とは?

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屋根の防水性能/雨風を家の中に入れない機能

その家の性能とは何でしょうか?車には、エンジンの大きさとして排気量、型式、駆動方式などいろいろな性能、仕様があります。木造住宅の屋根の性能には何があって、屋根葺き替えのときに考えなければならない項目は何か?気をつけたいものは何でしょうか?

性能も良く調査することタイトル

当たり前のことを言うなと叱られそうですが、「家を雨から守る、雨漏りから家を守る」これが屋根の基本の性能です。雨漏りを何年防止できるか?が、その屋根の耐用年数で、大きな地震が来たらそれに耐えられるかが家を含めた耐震性能です。家の環境では夏の暑さを少し和らげるのが屋根の断熱性能で、豪雨の夜、夜の安眠を少しでも寝やすくするのが雨音の性能ですし、家をカビ、ダニ、苔の劣化、木部の腐食から家を守るということでは、結露の防止性能も重要な性能のひとつです。

家を守るという観点からの屋根の性能はこのようないろいろな性能があってこそ実現できます。屋根の葺き替え時に検討、考えなければならないことはこれらの事柄ではないでしょうか?何か相談があれば「屋根工事お助け隊」まで気軽に電話をしてください。またこれに伴う屋根工事は相場の価格で、正に適正価格でできます。電話:0120-58-1152まで

 

もう一つの性能は、家を美しく見せる性能・機能

これも当たり前ですが、屋根は家の外観を大きく占めるパーツです。この屋根の塗装が剥げたり、割れたり、ヒビがあっては雨漏りも心配ですが美観も失なわれます。屋根は下の写真のように家そのものです。

瓦、屋根、家全体の様子

でも美観は屋根の雨漏り性能の劣化とは無関係で、ここをきちんと理解しないと屋根の葺き替えのとき
にいろいろ混乱することがあります。

外観や美観にとらわれなければ、つまり車で言えば、エンジン、トランスミッションなど走る基本性能がしっかりしていればボディは少しぐらい傷、擦れ、塗装の変色、塗装の剥げがあっても動けば良い、100km/hで高速道路を走れれば良いなら、この機能は殆ど気にしなくて良くて、雨漏りの防止機能、その他の性能に集中すれば良いのです。

屋根の基本機能とは?

1:雨、風を部屋の中に入れない機能(雨風から守る)

2:家そのものの美観景観を作る(屋根は家そのもの)

 

屋根の性能/雨漏り防止、美観以外の性能

屋根の仕様としては、主なものは仕上材の材料、勾配、形式であり工法や屋根材・仕上材によって耐用年数、雨音が小さいか大きか、断熱性能などがあるか?等です。このサイトでは、次の性能について、調査、実験を致しました。気になる性能ですが、他のサイトやメーカーも言わないものがあります。屋根のリフォーム時に、より良い家にする為に、屋根の葺き替えをするときに、屋根材を選ぶと際に、これらの性能、特性をも考えて頂きたいと思います。また、これらの性能、困っていること等について、質問、相談、工事をも受けております。

 

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屋根の断熱性能、屋根材の断熱性能

屋根の断熱性能と言うと、夏、トタン屋根の家は暑いので、今回の屋根葺き替えで何とかして欲しいという依頼が、春先からあります。本来断熱は総合的に工事をしないとあまり効果を産まないと言われています。窓が大く影響しますが、外壁、床、ドアから夏は熱気がどんどん侵入してきます。その外気と部屋を遮断するのが断熱です、まさに熱を断つことです。断熱のことは特にスレートや瓦からガルバリウム鋼板に屋根を葺き替えるときに問題となります。

お客様も我々屋根屋も思い違いをしていたこと、スレート屋根を撤去してガルバリウム鋼板にすると、より部屋の中は暑くなるとは常識的に思っていましたが、果たしてそれは正しいのか?実験してみました。スレート屋根、ガルバリウム鋼板の断熱材の無い屋根材、断熱材がある屋根材の断熱性能比較です。

屋根材ごとの断熱・内部の温度変化実験1

屋根材ごとの断熱・内部の温度変化実験2(再テスト:Test BOX改良後)

2回目の実験は、一回目の実験では断熱BOXの性能が納得出来ない性能でしたので、BOX自体の断熱性能を向上させたのと、天候が曇りであったり、風が強く一部のデータに再現性の疑問があったからで、この実験装置は完全ではないので、複数回の実施が適当と思ったからです。

当然ながら、Test BOXの校正をやり、断熱性能はその時のベストと思って実施しました。

結果やコメントはその都度書いています。当然その時の実験結果を信じてコメントを書いています。決してこれで決まり、普遍的な結果とは思わないで頂きたいです。あくまでもその時の設備で、その時の天候や条件(風、屋根の施工上の条件の違いも考えられます。)

・・・テストBOX、断熱性能比較実験の条件と測定方法

 

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屋根の色で断熱性に違いがあるのか?/黒と白で比較

遮熱実験装置

屋根材の特にガルバリウム鋼板、SGLの塗装の色について、聞かれることがたまにあります。黒の屋根材だと、夏暑いので白のものはどのメーカーのどの製品か?とか、成るべく断熱的に有利な色の材料はありませんか?などの相談です。

屋根材の色は白に近いほど太陽の熱を反射して良いのでは?というものです。一般論では、黒は熱の吸収が良く、夏は暑いが、冬は暖かい、白は反射率が良いので、夏は涼しく、冬は寒い。

印象は正しいし、科学的にも正しいのですが、実際に屋根の色で計測したことがありませんでした。

で上の実験BOXがありますので、測ってみました。2021年9月晴れた日のデータです。

黒白塗料の温度グラフ

正直こんなに差があるとは思っていませんでしたが、同じガルバリウム鋼板の上に黒と白の塗料を二回塗りをして得たBOX内の温度変化です。(実験に使ったBOXは上写真を参照)最高で15度以上の差があり、屋根を白色に塗装したものは、気温とほぼ同じグラフになっています。

BOX内、室内を想定していて、それでも30度近い温度ですから、暑いには変わりません。しかし、壁、床をほぼ断熱して屋根の材質同じ、色だけ黒と白にして実験したら、かなりの温度差になりました。

ここで考えて欲しいのは、壁、床などを全く断熱せず、屋根材の色だけ白にしても、断熱効果があるか?と質問されれば、それは「NO」です。ただ屋根材の色が真っ黒だったのを完全な白にすれば少しは内部の温度が低下するのではないか?という期待が持てるのではないでしょうか?

 

色と太陽光の反射率との関係

太陽光は色々な波長が混ざったものです。物体に太陽光があたったときそのエネルギーをどれだけ反射するのかを計測したのが、反射率です。太陽光の全エネルギーに対してどれだけのエネルギーを反射するのか?色によって違いがあります。

色と反射率の画像2

参照: 日本ペイント、屋根用遮熱塗料と色との反射(太陽光)量の関係

色によって太陽光の反射率の違いがあります。上記では、白:クールホワイトは、太陽の全波長の91%も反射、近赤外も87.8%の反射があります。

ここでは、黒はクールブラックですが、全反射で28.4%、近赤外で61%の反射率です。近赤外とあるのは、波長の範囲を言っていて、

太陽光エネルギーと波長の関係グラフ

※横軸:太陽光の波長で赤色は、可視光の一番右、780nmあたり、縦軸:エネルギー量

参照:NREL:National Renewable Energy LaboratoryよりReference Air Mass 1.5 Spectraのページ参照

 

夏、ギラギラした暑い熱遮は、その殆どが可視光です。太陽からの熱エネルギーの50%ぐらいが可視光線と言われています。ですから、白色の全日射(太陽光の全波長のエネルギー)の91%を反射するのですから、実験の温度の差は理解できるデータと思います。

 

屋根を真っ白くすれば夏の暑さ対策になります。

これは実験をするまでもなく、自明の理なのですが、屋根を真っ白く、塗装するには勇気が必要でしょうか?汚れが目立ちますし、お薦めかどうかは言えません。でもデータはそう言っています。

真っ白な屋根はあまり見ませんし、家のデザイン上白い屋根はどうかな?と思います。しかし、出来るだけ薄い、太陽光を反射する色を選択すれば下手な断熱材を使うより部屋の温度を下げれると考えます。

・・・ 断熱性能の測定に使われたテストBOXについて、仕様、性能

 

日本の断熱性能の規格・断熱性能等級4

平成13年に公告された、国土交通省告示第1347号の断熱性能等級4によると、決められた適用条件を満たした一般木造住宅の屋根、天井、外壁、床の断熱材の厚さは:

・屋根:185mm、または天井で160mm(例:高性能グラスウール16Kで)
・外壁:90mm(一般的な木造住宅の柱は100mm)
・床:210mm(外気に接する部分)、その他:135mm

注:この断熱材の厚さは北海道の極寒地域を除いた地域、また木造軸組み工法で充填断熱工法んの場合の仕様です。その他の条件については:URL:https://www.flat35.com/files/300200680.pdf を参照のこと

何が言いたいのかと言うと、新築の場合はこの仕様は可能ですが、リフォーム、屋根葺き替えのときにこの屋根の断熱材の厚さが、185mmはできるのか?が問題です。しかも、断熱材はグラスウールになっています。例えば、スレート屋根からガルバリウム鋼板に屋根を葺き替えたとき、185mmの断熱材を施工すると、まずカバー工法は不可能で、スレート、ルーフィング、下地材を撤去し、屋根の骨組みである垂木の全交換になりそれも185mm厚のものにして下地材の下に断熱材を入れなければなりません。また185mmも屋根が高くなりますので、雨樋も位置がずれてしまうので、雨樋の架替になります。

技術的には可能ですが、重量の面でも少し心配ですが、費用の面では現実的なやり方とは思えません。 そこで、このサイトの屋根の断熱の実験&工法としてどの屋根材がどれくらいの断熱性能を持っているのか?どの工法が費用の面でも現実的なのか?の実証実験を踏まえての解説になっています。

 

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屋根断熱と天井断熱/通気工法と天井裏断熱・セルロースナノファイバーで

断熱とは結構厄介な工事、事項ですが、少しでも最低のコストで成るべく快適な環境を獲得する為に、情報を開示します。異論もあるかもしれませんが、違う意見、実験にも耳を傾けてください。ここのサイトの意見が絶対というわけではありません。お助け隊の意見、考察、実験の結果を提示しているだけです。何事も一つの意見に凝り固まっては不利益になってしまいます。

屋根付近の断熱ですが、大きく2つ、屋根断熱と天井断熱があります。屋根での断熱ですが、家の設計段階ではいろいろな断熱材を施工できますが、リフォームの場合は、屋根そのものを改造したりしないといけない場合が多いので、あまりお薦めできません。費用耐効果を良く考えて実施するべきです。

お助け隊では、屋根断熱方法は、通気工法です。エアコンのように涼しくはなりませんが、多少はましになるかな?程度にはなるはずです。

それに対して、天井があればの話ですが、天井の上、小屋裏、天井裏ともいいますが、ここに断熱材を敷く、または挿入する方法があります。屋根、天井とか大工工事の殆ど不要な工事です。私の家で実際に施工した例を言いますと、セルロースナノファイバーという綿状の断熱材を天井裏に300mm程敷く方法をやりました。・・・ 屋根断熱と天井断熱

 

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スレートのガルバリウム鋼板によるカバー工法の断熱性能比較

カバー工法での断熱性能は、ガルバリウム鋼板単体とカバー工法とを比較すると、そんなに大きく変わることはありません。夏の暑さをほんの少し緩和させる程度。

カバー工法の断熱性能・ガルバリウム鋼板

断熱性能を比較する対象は、スレートのカバー工法とガルバリウム鋼板です。

使用したガルバリウム鋼板は、アイジー工業のスーパーガルテクト vs ニチハの横暖ルーフαS。横暖ルーフαSは、スレート材の上に施工してカバー工法、スーパーガルテクトは、カバー無しです。2つのBOXで夏の暑い日に一日:8:30~17:00までの中の温度を計測しました。

一番温度差が大きい14:30では、スーパーガルテクトは 41 度、カバー工法は 36度でした。その差 5度ですが、41度も36度もどちらも、外気温32度より高くて暑いです。確かにカバー工法は断熱の効果がありますが、この程度です。・・・カバー工法は断熱の効果はあるが多少ましになる程度。

実験のBOX:

実験の2BOX写真

 

因みに、スーパーガルテクト vs 横暖ルーフαSのの断熱性能実験では、その断熱のグラフは同じ曲線、グラフになっています。この両屋根材の断熱性能はほぼ同じ。

横暖ルーフαSスーパーガルテクト断熱性能比較グラフ

 

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スレート vs ガルバリウム鋼板の断熱性能比較

良くある疑問、相談にスレート屋根をガルバリウム鋼板に交換すると、夏はかなり暑くなるのではないか?心配。というものです。カバー工法であればそんな心配をすることも無いのだと思いますが、スレートを薄い金属のガルバリウム鋼板にすると、例え断熱材が入っていても 10mm程度なので、夏の暑さが心配です。どうでしょうか?実験してみました。

結論は、スレート材(コロニアル、カラーベスト)とガルバリウム鋼板とは断熱性能は、大きな違いはありません。両方とも悪いです。少なくとも外気温より低くならないです。

ガルバリウム鋼板、SGL、スレート・コロニアル屋根材は、どれも断熱性能は期待できません。はっきりいいましょう、断熱性能は無いです。なので夏は暑いです。それをデータによって示します。

結果はガルバリウム鋼板(商品名:横暖ルーフαS:断熱材付)とKMEW社のスレート材(商品名:コロニアルクワッド)との断熱性能は両方とも悪いという結果がわかります。

測定データです。

スレート(KMEW) vs 横暖ルーフαS:断熱性能比較

断熱性能 slate vs Yokodann

実験結果の解説:

実験は、夏の季節、朝から夕方まで特別の作成した断熱実験BOXにおのおのの屋根材を施工して、温度測定は電子温度計をBOXの内部に装着。10分ごとの温度を計測して記録、グラフにしたものです。

この日は曇り、気温が安定しませんが、最高気温は30度を少し超えたくらいで真夏としては比較的過ごしやすい日でした。気温が変化しているのは風の影響もあります。太陽が雲に隠れると下がってきます。しかし、ガルバリウム鋼板とスレートBOX内の温度は常に気温より高く、スレート内の温度はガルバリウム鋼板より高いのが分かります。つまりこの実験の場合はスレート屋根の内部の方が暑いです。

しかし、例えば15:00の各温度を見ると、気温が30度、ガルバリウムBOX内が33度、スレート内が35度です。外気温30度は普通の夏の暑さの温度ですが、それより高い33度も35度も同じように暑いのではないでしょうか?言いたいのはガルバリウム鋼板もスレートも断熱効果は殆どなく、「同く暑い」のです。多少この結果では横暖ルーフαSの方が「まし」程度で、気温よりかなり暑いです。

良くコロニアル・スレートを撤去して金属のガルバリウム鋼板に替えると「夏はかなり暑くなるのでは?」と聞かれますが、そんなことはありません。「スレートと同じで暑いです」

 

使用した基材、材料:

ここで使用したのは、下の写真のスレートは左写真の KMEW社のコロニアルクワッド、ガルバリウム鋼板は、ニチハの横暖ルーフαS、約10mmほどの断熱材が入っていますが、効果はゼロではないですが、殆ど関係ないと思います。後で断熱材ありとなしのガルバリウム鋼板を比較しましたが、違いはありましたがはっきりと実感できる断熱効果ではないと私は思います。

ガルバリウム鋼板 vs コロニアルクワッド写真1

スレート(コロニアル、カラーベスト)もガルバリウム鋼板より断熱性能は僅かに劣りますが、ほぼ断熱性能はありません。スレートは鉱物繊維をセメントで固めた材料ですので、断熱材ではありません。スレートの上にガルバリウム鋼板を施工するカバー工法を良く契約して頂きますが、少しはましになると思っています。2017年のデータですが、提示しておきます。

あくまでも実験用断熱BOXでの測定で、気象条件、風、湿度などにもかなり影響されるので、実際の住宅で同じ結果が得られるとは限らないことを断っておきます。

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ガルバリウム鋼板と通気工法の断熱性能比較グラフ

通気工法 vs 横暖ルーフαS断熱性能比較

スレートの上に通気工法、屋根材はスーパーガルテクト屋根と、横暖ルーフαSのみの屋根との比較グラフ:

上で測定してきたように、ガルバリウム鋼板、スレート、瓦、シングル等、一般の屋根材の断熱性能は、ほとんどないことがお分かり頂けたと思います。断熱材があったほうがほんの少しは温度が下がりますが、十分とは言えず、少し硬い断熱材を入れて材料の折り曲げを工夫することによって屋根材の強度を支えているように作っているのではないでしょうか?ことガルバリウム鋼板の10mm程度の断熱材では、「あったほうが良い程度」のものだということを覚えておいて頂きたいです。

では、ガルバリウム鋼板や石粒付鋼板を施工するときに何か比較的安価で効果の高い断熱材はないのか?と聞かれたときに、お勧めするのが通気工法です。

通気工法とは、下地材と屋根材との間に30mmほどの桟木を入れて空気層=断熱層を作るやり方で、軒先と棟を雨が侵入しないようにオープンにして空気を入れ替える、通気の仕組みを組み込みます。屋根材から暖気を効果的に逃がすことで、部屋の温度を下げることができます。昔からあるやり方で、知らない屋根屋さんもいるので、お客様から提案して依頼してもできない屋根屋はいないと思えるくらい簡単な工法です。

下地の上に桟木を施工し、2枚目の下地材(コンパネ、合板)を施工したら、あとは普通に各屋根材を施工するだけです。特別な技術、材料は使用しません。価格的には、2枚目の下地材(¥2,000/㎡)+ 桟木(¥1,000/㎡)程度の費用です。夏の暑さ対策で最も費用対効果のある方法になります。

 

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真夏に涼しいと感じる断熱性能/100%断熱に近い状態

断熱が効いているという断熱は、下記のような状態です。この1階納戸の断熱は、東は100mmのセルロースファイバー断熱材入、床は200mmの同じくセルロースファイバー、北は壁に同100mmの断熱、西側は、隣が物入れで廊下、南は隣部屋の押入れになっています。

効果のある断熱、納戸のグラフ

1階納戸は、この日おおよそ24度程度で一定でした。外からの温度の影響をほとんど受けていません。私は、24度では暑く感じるので長居はいやですが、省エネのエアコン温度が28度の設定とすると、十分快適な環境です。本当の断熱はこのように、朝の温度を一定に保っている断熱が本当の意味での断熱だと考えます。因みにこの納戸はエアコンがありませんし、窓もありませんので、ドアの開け締めがなければ、外との空気の出入りがありません。

 

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耐震性能とは?耐震診断とは?どのようなものか?

日本では一般木造住宅の耐震性能は、建設省の外郭団体、民間、大学関係の研究者が作った耐震診断法があります「木造住宅の耐震診断と補強方法」にまとめてあります。いろいろな耐震診断の本は基本的にはこの本が元ねたになっています。

結論から言えば耐震診断は、巨大地震の力に対してその木造家屋がどれくらい耐えられるか?で評価しています。その評価段階は、次の4段階; 巨大地震:震度7以上の地震など

  • 1.5以上 :倒壊しない
  • 1.0~1.5 :一応倒壊しない
  • 0.7~1.0未満:倒壊の可能性あり
  • 0.7未満 :倒壊の可能性が高い

これらの数字は次式で計算されます。

建物の耐震評価点 = 建物の保有する耐力 / 必要耐力

地震の力&家の保有力

必要耐力は巨大地震のその家にかかる力、保有する耐力はその家が地震の力に対抗して倒れまいとする持っている固有の力です。つまり柱、梁、耐力壁などが地震に耐えられるか?の力です。

屋根葺き替えで問題、懸念される場合は、重い瓦を軽量なガルバリウム鋼板などに葺き替えるとき、どのくらい耐震診断値が良くなるのか?スレートのカバー工法でガルバリウム鋼板、ジンカリウム鋼板を上乗せしたときにどれくらい診断値が悪化するのか?が課題です。

耐震診断については、別ページに詳しく書いていますので、耐震診断の項目を読んでください。

 

耐震性能/屋根の軽量化で30%耐震性能は向上する

耐震性能/屋根の軽量化で30%耐震性能は向上する

屋根の軽量化/軽い屋根材の種類と製品、巨大地震への備え、財産の保護

屋根の軽量化/軽い屋根材の種類と製品、巨大地震への備え

屋根の耐震診断/耐震評価と巨大地震への備え

巨大地震で家が倒壊する訳・原理

軽量化の為のお薦めの屋根材/軽量化が何故耐震に有効か?

 

 

taiyounensuu

屋根の耐用年数/屋根材の耐用年数

一般に屋根の耐用年数は、仕上げ材(瓦、トタン、セメント瓦、スレート・コロニアル、ガルバリウム鋼板、SGL等)の耐用年数と思われていますが、果たして正解なのでしょうか?または、屋根の軒先近くが劣化している、屋根の端が一番弱く、端の部分が屋根の耐用年数なのではないか?等等。どれの寿命が屋根全体の耐用年数なのか?また、屋根葺き替えの時期はいったい何時なのか?

あまり各屋根材の耐用年数はメーカーのカタログやサイトに書いてありますが、「屋根」の寿命、葺き替える耐用年数についてはご覧になったことがないのではないでしょうか?

屋根材の耐用年数、寿命の定義、意味

屋根材、屋根での耐用年数、寿命の定義をします。

1:家を雨風から守れなくなった、防水機能の劣化の結果、具体的には穴が空く、割れるなどして雨漏りが発生する時期、年数。

2:美観が著しく損なわれたとき:経年劣化で塗装や表面の劣化により見苦しくなります。それがお客様にとって、メンテするべき時期です。美観での耐用年数とこのサイトやお助け隊では言っています。

この2つの耐用年数を区別することで、屋根葺き替えの時期、塗装するべきか、葺き替えをするべきか?の正しい判断の基準ができると思っています。屋根業界の標準ではないかもしれませんが、この耐用年数については、しっかりとした指標、定義が見つからなかったので、あえて定義をしてみました。

デジタル大辞泉には、「耐用年数」の意味が簡単に書いてあって;

  1. 建物・機械など固定資産の税務上の減価償却を行うにあたって、減価償却費の計算の基礎となる年数。財務省令に定められている。
  2. 転じて、機器などが使用に耐える年数

辞典の云う a の意味はここではあまり適用できない意味で、b の機器などが使用に耐える年数が屋根材の耐用年数の意味になります。屋根では1:雨風から家を守る機能が失われたとき、2:家の形、美観を形成することが困難になったときが耐用年数です。2:は主観的要素が大きいです。

 

生活で重要なのは1の雨漏りを防ぐ機能が失われたときです。この寿命は屋根のどの材料から来ているかと言うと、防水材であるルーフィングです。このルーフィングの防水機能が失われると雨漏りが発生し、屋根の寿命が来たと認識できます。瓦やトタン、スレート材、ガルバリウム鋼板、ジンカリウム鋼板の寿命ではありません。

何故なら、スレート材が割れても、欠けてもひびが発生しても、ルーフィングが防水機能を失っていなければ、雨漏りは発生しません。屋根の「1」の意味での寿命、耐用年数は実はルーフィングの寿命、耐用年数です。

 

各屋根材のおおまかな耐用年数、寿命

■ルーフィング、防水材、下地材、木材

一般的なゴムアス(正引き名称:改質ゴムアスファルトルーフィング):20年前後、下の2つ以外のほとんどの製品のカタログに耐用年数の記載はない(規格試験のデータは記載がありますが・・・)もしカタログの記載を見つけた場合はサイトの情報を変更します。

Newライナールーフィング/田島ルーフィング社:30年、カタログに記載あり
マスタールーフィング/田島ルーフィング社:60年、カタログに記載あり

■仕上材(一番上にある屋根材)

・釉薬瓦:60年:CASBEEに記載あり

・セメント瓦:20年程度、特に根拠なし、業界の認識

・スレート材:20年程度:業界、屋根屋が良く言う寿命、30年と言うサイトもあるが根拠なし

・トタン(溶融亜鉛メッキ鋼板):再塗装がない場合:10年程度

・アスファルトシングル:20年程度

・ガルバリウム鋼板:25年以上、開発メーカーのベツレヘムスチールの実験が根拠

・石粒付鋼板、ジンカリウム鋼板:50年、全てのメーカーがこの数字を言っている

・スーパーガルバリウム鋼板:新日鉄住金のサイト、カタログに耐用年数についての記載はない

 

客観的に根拠のある耐用年数は、ベツレヘムスチール社が、1972年から1999年に全米で実施したも、33箇所で25年間雨漏りがなかったことをレポートしています。これが根拠となってガルバリウム鋼板は再塗装なし、修理なしで25年以上の耐用年数があると結論づけています。

ルーフィングに関しては田島ルーフィングが社内実験で促進試験をやっていて、そのデータの一部をカタログに記載しています。Newライナールーフィングとマスタールーフィングは、この実験結果からカタログに記載したと思います。それだけ自信のある製品と言えそうです。

瓦の耐用年数、寿命が60年というのはCASBEEというたてもの評価システムがるがここに記載がある、しかし、何も根拠が書いてないのと、60年は目安であると言っているので当てにならないです。

ルーフィングの寿命が屋根の寿命と考えると、20年が一つの区切り、家を建ててこのころから雨漏りなどに気を配って頂きたいです。しかし、雨漏りが一回でもあったらすぐに屋根の葺き替えか?と心配するお客様がありますが、決してそうではありません。一回目の雨漏りはまずすぐに修理が基本です。

またしばらくすると(半年後か3年後かは言えませんが)また2回目の雨漏り、またすぐに修理です。何回まで我慢するか?です。3回目、4回目となると、ルーフィングがあちこち劣化して防水機能が失われていると考えられますので、そろそろ葺き替えです。

訪問業者が良く、雨漏りがあったらすぐに屋根を葺き替えないと大変なことになる。とセールスします。お金が余っているのならもちろんその訪問業者に依頼しても良いのですが、本当に葺き替えが必須なのか?良く考えてください。誇大公告ならぬ誇大営業の可能性が大きいです。

くれくれも騙されないように。そんな営業が来たら「屋根工事お助け隊」へ相談してください。電話でもかなりのことを判断できます。電話:0120-58-1152 小形まで

 

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雨漏りの仕組み/何故雨漏りは発生するのか?

屋根の防水機能が破られた、だめになった、劣化したからです。

酷い雨漏り画像、提携業者施工

決して瓦やコロニアル、トタン、ガルバリウム屋根材が劣化してそこから雨漏りが始まる訳ではありません。乱暴な言い方をすれば、瓦やコロニアル、トタン、ガルバリウム屋根材が、割れようが、ヒビがあろうが、欠け、曲がりなどがあっても、ルーフィングさえしっかりしていれば、雨漏りは発生しません。

屋根の防水を担っているのはルーフィング。ルーフィングの防水が劣化や、穴、裂けなどが起こると、そこから雨漏りが始まります。これが雨漏りの仕組みです。

訪問業者で「瓦がところどころ割れていて、直ぐに葺き替えないと大変なことになる」とか「スレートのカビやヒビが沢山あってまもなく雨漏りします。直ぐに修理しないと屋根がだめになる・・・」など、脅かしのセールスの話を頻繁に聞きます。

しかし、そんな状態でも明日、明後日に雨漏りが始まることは稀です。殆どない、更に屋根が大変なことになるなど、あり得ないです。全くの脅し。この屋根屋(屋根屋ではないかも?)は雨漏りの仕組みを知らない業者です。または知っていてわざと脅かすのかもしれません。騙されないでください。雨漏りの原因、雨漏りの仕組みを理解して(難しくないです)騙し、誘導に安易にのらないよう準備してください。

ルーフィング(防水材)とは?/最終的に屋根を守っている材料

ルーフィングは不燃布などにアスファルトを浸透させて加工したシートでアスファルトが水をはじく防水の役割を担っています。このアスファルトが劣化して防水機能を失う、1mm以下の薄いシートですので、破れる、穴があく、引き裂かれるなどで長い年数で徐々に劣化します。

雨漏りの仕組み、ルーフィングの劣化で多いのが、穴です。多くの仕上材、瓦、コロニアル、カラーベスト、ガルバリウム鋼板、ジンカリウム鋼板、トタン、アスファルトシングルなどは釘やビスで固定します。この釘穴が錆びて穴が大きくなり、ルーフィングと釘との間に隙間ができるとそこから水が漏れ出します。雨漏りです。

また、地震などで、ルーフィングが引き裂かれることもあり、震度4程度の地震の後、雨漏りが始まったとお客様から言われることがありますが、ルーフィングが劣化し、弱くなったところに地震の揺れで一部が裂けた可能性もあります。また現場でルーフィングが裂けている様子も見たことがあります。

このルーフィングの不具合の箇所に仕上材から漏れてきた雨水が更にもれると部屋の中まで水が侵入することになります。これが主な雨漏りの仕組みです。そのほか、屋根の端、軒先、棟などに防水機能の劣化があるとそこも雨漏りの原因になります。

しかし、何回も言いますが、仕上材、瓦、コロニアル、スレート、ガルバリウム鋼板、ジンカリウム鋼板、アスファルトシングルなどが割れようが、錆びて穴が空こうが、ルーフィングがしっかりしていれば雨漏りは発生しません。ルーフィングの重要性

典型的な瓦屋根本体部分の釘穴からの漏水:

釘穴から漏水

瓦屋根の雨漏りです。左写真の青まる箇所で雨漏りが発生していました。ここに釘があり錆びていて桟木も腐食、水が染み出している様子がありましたので、雨漏りの直接の原因はこの部分です。左は修理前で、桟木に上から漏れてきた雨水が桟木で滞留し、それが雨の度に起こり、やがて釘を錆びさせ釘穴を大きくして、ルーフィングが穴を防いでいたのが防ぎきれずに大きくなった穴から漏れたと考えられます。

修理としては、穴周辺にシリコンコーキングをして、雨水が滞留しないように、桟木にスリットをいれました。瓦の雨漏りは桟木による水の滞留の原因が多いために、予め桟木にスリット入れるのが今は当たり前になっています。これで雨漏りは止まりました。下にこの原理を解説します。

釘穴からの漏水

良くある瓦葺き屋根の釘穴からの漏水です。瓦葺き。横からの強い雨では瓦間の僅かな隙間から雨が侵入し、下方向に流れるのですが、図Aのように桟木に滞留します。やがて乾燥するのですが、これが雨季に何回も繰り替えされると、桟木が腐食して釘に水が当たるようになります。釘はやがて錆びてルーフィングに空けられた釘穴を大きくして雨漏りが発生します。雨漏りまで長い時間が経っています。

これが典型的なルーフィング、釘穴からの漏水です。しごく明快でわかりやすい雨漏りの原因です。

雨漏りの仕組み/ルーフィングが裂ける、剥がれる

雨漏りの仕組みで多いのが、防水シートが裂けることです。ルーフィングも経年劣化で弱くなると、少しの力で裂けてしまいます。え!裂けるとはどうしてでしょうか?下の写真はひどい雨漏りで工事を依頼された案件です。

ルーフィング剥がれ

上の写真は、築40年、セメント瓦葺き、木造平屋の家屋です。10年以上空き家で放置していたそうです。その間何のメンテ、手入れなどせず事情で再びここに住むことになって、雨漏りその他の問題でリフォームをという依頼でした。

セメント瓦を撤去したらこの上の写真の状態でした。上の写真の左で、右側がケラバなのですが、ルーフィングの重ね部分から下地が陥没し、そこから水が大量に漏れたのが分かります。周りのルーフィングを固定していたタッカー跡ではルーフィングが裂け、剥がれています。

タッカーは無くなっていますし、タッカー(ルーフィングを止めるホチキス)から入った水が下地材を徐々に濡らし、やがて下地が腐食して段差ができ、更にその隙間から雨水が大量に漏れて雨漏りを発生させています。タッカー部分のルーフィングは剥がれ、裂けていると言って良いと思います。原因はルーフィング(40年前のルーフィングの品質は不明ですが)の劣化とタッカーの錆、腐食と考えます。

ルーフィング剥がれ拡大

軒天への被害:

軒天の破損

雨漏りを長年放置すると、本当に「大変なことになります」一応お客様ご自身でテープで大急処置をしていますが、雨漏りは部屋の中ではなく、軒天の破損になっています。

 

amaoto

屋根の雨音の大きさ、防音性能(特に二階の雨音)

テストBOXで各屋根材を施工し、一時間に60mmの量のシャワーで雨音の測定をしたものがしたの雨音結果です。これらのデータは各屋根材の葺き替えのページで使用していますが、ここにまとめて掲載します。(音は相対的に比較してください。右の音量が同じレベルになっているか確認)

各屋根材、工法でのテストBOX内での録音です。

トタンの雨音:

ガルバリウム鋼板(断熱材のあるもの)の雨音:

スレート材(コロニアル)の雨音:

スレート材の上にガルバリウム鋼板(カバー工法)の雨音:

アスファルトシングルの雨音:

通気工法(仕上材:横暖ルーフαS)の雨音:

追加の記事、更に詳しい雨音についての記事

 

ketsuro

屋根での、屋根付近での結露をさせない性能、風通し性能

屋根付近での結露は家の中で冬、暖房で暖められた水分を多く含んだ空気、水蒸気が屋根で冷やされ水滴ができます。この水滴は屋根の内側、正確に言うと防水材、ルーフィングの内側に水滴となってやがて下地材を腐食させ、ひどいと屋根部分の内側にカビ、苔を繁殖させてしまいます。

これを防ぎ風通しと良くするのが、換気口、屋根の棟部分の換気棟というものです。

換気口と軒天の換気板

棟換気部品

換気をとる為の部品はいろいろな形、取り付ける箇所は違いますが、目的は同じ、屋根裏の換気です。しかし、せっかく温めた部屋の暖気を逃がすことになりますのでエネルギー効率が良くないです。夏も同じでせっかく冷やした部屋の冷気も換気口から逃げていってしまいます。

なので、屋根付近での結露を防ぐのは屋根裏に湿った暖気を行かせないのが良いと考えます。つまり部屋の温まった空気を天井で遮断する方法です。ここに性能の良い断熱材を隙間なく施工すれば、結露はできないし、温まった空気を屋根に逃がす、夏はエアコンで冷やした空気も屋根に逃げません。本来は屋根屋の仕事ではありませんが、重要で良くある相談なのであえて解説します。

屋根材の断熱も調査や実験をしましたが、屋根材で断熱をするのは非常に限界があります。一番断熱性能のコスパの良い、通気工法ですらこの結露の問題には対処できません。断熱性能、雨音、結露の問題、3つを解決できる、ベストの回答は屋根裏(天井裏)にきちんと断熱材を施工することなのです。

しかし、屋根葺き替えの相談ではここまで言うと予算の問題などがあって実際にそこまでやるのは難しいこともあります。相談はありますが、断熱材の施工業者も紹介しますが、契約には至らない場合がほとんどです。

真剣に屋根葺き替え、断熱、雨音、結露のことを考えるのなら屋根裏断熱を考えるべきです。私が自宅の屋根裏に施工した断熱材はセルロースファイバーで、グラスウールより高いですが、¥2,500/㎡でできます。100㎡の天井で、¥250,000です。何故グラスウールにしなかったのか?長くなるので、ここからは電話で相談いたします。

何故結露が発生するのか?/仕組み、原因と対策・・・詳しい記述。記事

 

testbox

断熱BOX、屋根材の断熱性能を測定するBOXの説明

各屋根材での断熱性能の測定には、自作のテストBOXを制作し、断熱はスタイロフォーム50mmのものを三重に、壁、床を囲い屋根部だけ各々の屋根材を施工して、BOX 2つでの比較測定を実施しました。また、2つのBOXの温度特性を同じにする為に、屋根部分にも同じスタイロフォームを三重にして、BOX自体の断熱特性を同じにするためにいろいろ修正(接合部分の隙間を埋める等)を施し、下のグラフを得ました。

 

2テストBOXを校正している様子

 

断熱性能を測定する為の装置、BOXの性能、特性

屋根材の断熱性能を測定するにあたり、テスト用のBOXを制作し、その2つのBOX自体の断熱性能を同じにすることが重要になります。本来の家の屋根材による断熱性能の比較は、その家に屋根材を施工し、部屋の中での温度変化を屋根材を替えながら実施するのが正当な測定でありますが、費用が膨大にかかり事実上不可能です。

そこで、費用の許す限り、測定用のセットで測定します。そのテスト用BOXを下記の写真のように制作しました。電子温度計はBOX内にセットし、気温は白いBOX(百葉箱に模したもの)内での測定です。

テストの様子、BOX、百葉箱、天板

 

2つのBOXは、床、壁、天井ともスタイロフォーム、50mmのものを三重にセットし、隙間や施工上の不具合で温度特性が違う場合は、隙間や歪みを修復し、同じ温度特性になるように校正しました。

また、スタイロフォームだけでは良い温度特性が得られなかったので、銀色のシートを4方向の壁、屋根に貼り断熱性能を向上させています。最終的な2つのBOXの内部温度変化を測定した結果を下に提示します。

 

 

2box校正のグラフ

2019年、2020年、2021年と3年に渡り測定をしてきました。このグラフは、2021年夏に校正したものです。この日は晴天でしたが、午前中は酷い暑さではなく、まあまあの気温です。最高気温は31℃を超えています。

2つのBOX内の温度は、誤差の範囲で安定して同じ特性を示しています。気温より5℃程低い温度なので、完全な断熱とは言えないですが、屋根材の断熱性能を比較する上で、合格のラインであると判断しました。何も断熱材を施さないでの温度は、気温を大きく超えています。(各屋根材での測定で実感)

 

電子温度計:

電子温度計

電子温度計の仕様:

・測定範囲: -40℃ ~ 80℃

・測定精度:±0.3℃ (-10 ~50℃)、±0.5℃(-40 ~ -10℃、50~80℃)

・表示分解能:0.1℃

・センサー:サーミスタ

・記録間隔:1~255分間隔・1~60秒間隔

・記録容量:16,000件、(ポイント)

 

スレートと横暖ルーフαSの断熱性能比較

 実際の測定風景

 

測定手順、方法

・比較したい屋根材を施工し、内部に温度計を設置、約半日・8:00~17:00程度の時間で測定、終了後、温度計を取り出し、PCにてデータを読み出し、グラフ化します。1日に1回の測定、雨天、深い曇の日は測定に適さないさ無いので中止の日もありです。

 

guideline

瓦の耐震工法、耐震性能/ガイドライン工法

ガイドライン工法は、2022年1月よりやっと義務化になりました。(2022年5月記す)

今までの瓦の施工は引っ掛け桟工法といって、瓦に小さい爪、突起があってこれで桟木(角材)に引っ掛けて固定する方法でした。1995年以前の古い瓦屋根はほとんどこの方法です。つまり瓦一枚一枚が桟木に引っかかっているだけで、震度5弱でも簡単に瓦がずれたり、外れて落ちたりするものでした。

1995年の阪神淡路大震災で多くの瓦屋根が崩れるに及んでやっと、国土交通省と瓦の全国組織である全瓦連が瓦を一枚一枚釘で固定する工法を策定し、これを瓦の標準工法としました。今頃という感じは否めないと思っています。多くの人は瓦はしっかりと釘で固定されていると思っていたかたが多いです。

特に屋根の頂上の棟部分は、冠瓦と熨斗瓦がありあますが、針金で固定されているのではなく、ただ瓦をくくっているだけで、屋根本体とは固定されていません。ですからやはり震度5程度の揺れで簡単にずれたり落下したりしました。

ガイドライン工法はこれを改め、瓦一枚一枚釘で固定し、棟部分も穴の空いた冠瓦を使い長い釘、ビスで固定する方法にしたのです。これを耐震工法、ガイドライン工法と言っています。20世紀も末になってから、震度7クラスでも簡単には崩れない工事方法を発表したのです。

詳しくは「瓦のガイドライン工法」としてまとめましたので、そのページを読んでください。

 

sankou

参考文献、論文、カタログ

 

 

以上です。

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