瓦屋根の断熱性能/瓦に断熱の機能はありません

瓦 vs 横暖ルーフαS断熱性能画像

瓦屋根は思ったほど断熱性能が良くなかった!

瓦って重くて厚みがあるので、金属やスレートより断熱機能が優れていると思われていますが、瓦に断熱機能はありません。瓦は陶器なので熱を通します。お茶碗に熱湯を入れると熱くて持てないです。

■ 瓦材に断熱機能はありません。

瓦自身ではなく、屋根に普通に施工して部屋の中の温度はどうなるのか?実験してみました。他の屋根材料との夏場の比較です。暑さが気になりますから・・・

この10年、東日本大震災、九州での地震、極最近では大阪での震災と大きな地震がたて続けに発生していて、耐震のために重い瓦を撤去して軽い屋根材に交換するお客様が増えています。しかし、瓦を軽い金属材料に交換すると、夏かなり暑くなるのでは?という懸念が多く寄せられます。これが一番の心配ごとで、屋根の葺き替えで一番良く使われるガルバリウム鋼板(断熱材付)との部屋の温度比較実験を行いました。下がそのグラフになります。

夏の瓦屋根の断熱性能1

解説:

青のグラフは気温、外気温、緑のグラフが横暖ルーフαS(ガルバリウム鋼板断熱材付)、そして黒のグラフが瓦(平板釉薬瓦)になります。測定のやり方は、実験用のBOX(1m X 1m X 高さ1.3m)を2つ製作し、屋根材だけ瓦と横暖ルーフαSに分けて施工し各々の中に電子温度計を入れて、朝から夕方まで5分刻みでBOX内(室内)の温度を計測、グラフ化しました。

気温の最高が38度近くまで上昇し、8月としても非常に暑い一日でした。ガルバリウム鋼板である横暖ルーフαSの温度は、38度と断熱材があるとはいえ、とても涼しい環境ではありません。ちょっとした低温サウナのようです。

しかし、予想に反してガルバリウム鋼板より瓦屋根のほうがそれより室内温度は高くなって、42度近辺まで上がっています。ガルバリウム鋼板との温度差は4度、38度と42度、両方とも冗談じゃない温度ですが、グラフの数字では、ガルバリウム鋼板(断熱材付)のほうが断熱性能?は良いという結果になりました。断熱性能とは言えないです。

しかし、瓦を撤去してガルバリウム鋼板、断熱材付のものにすれば、今より悪くなる(暑くなる)ことはないようです。決して涼しくなるのではありませんが、断熱材付のガルバリウム鋼板でも今までと同様な暑さで、悪化することは無いようです。

もう一度実験しました。

私としても思っていたのと違う結果になったので、確認の為、もう一度同じ設定で、違う日に実験をやり直しました。下のグラフ

横暖ルーフαSと瓦再試験

この日も最高気温で38度近くになりましたので、やはり非常に暑い一日になりました。気温の上昇のカーブが違うので、各々の温度の変化カーブも少し異なった様子ですが、やはり瓦のほうが室内温度は高くなっています。間違いなく、この実験セットでは、BOX内の温度は、瓦屋根のほうが4度程度高いです。

まとめ

多分、大方のお客様は、ガルバリウム鋼板より瓦のほうが、言い方は間違っているかもしれませんが、涼しいのでは?と思っていたと思います。私自身、そうでした。先入観だけでそう思っていました。

ガルバリウム鋼板は0.35mmの薄い鋼板ですが、裏に10mmほどの硬質ウレタンの断熱材が張ってあります。瓦の厚さも10mm(1cm)程度なので、明らかにガルバリウム鋼板の断熱材の恩恵と思われます

全ての屋根でこの結果になるか?保証の限りではありませんし、日によって最高温度が変化しますし、瓦を断熱材付ガルバリウム鋼板に屋根を変えてもこのわずかの差を実感するのは、大変困難かもしれません。先入観でガルバリウム鋼板に変えたからやはり暑い!?と思ってしまうかもしれません。

でもグラフは、そうは言っていません。

一応、ある実験の結果として、覚えていてください。

以上です。

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