屋根の性能

屋根での結露/仕組み、原因とその対策/何故結露が発生するのか?

同じ家の害ですが、水雨漏りと結露はその原因、仕組みが全くちがいます。雨漏りは外界からの雨・水が原因ですが、結露は家の内部の湿った暖気が原因です。両方とも長いこと放置すると、家を作っている柱や梁、屋根を支えている垂木等を腐食させます。その結露のできる仕組みと対策を考えてみたいと思います。

屋根の結露の結果/静かに忍び寄る木部の腐食

結露ってどのようなものか?/まず写真を見てください。

結露の現状画像

代では雨漏りより大変なのが結露です。結露は雨漏りのように分かりません。雨漏りは天井や柱に水のシミや跡を残すことが多いので、気づかないこともありますが、おおよそ何かしらのサインがあります。しかし、結露はできる箇所が普段見えない天井の上、屋根の裏側など、屋根裏に登って確認しないとわかりません。外側からでは分からないのです。

更にカビや苔が発生していても、このぐらいは起きるのかな?程度で諦めてしまうかもしれません。そのカビや腐食が「結露」が原因だと気が付かないことが恐ろしいことです、天井裏など見ない方が大半だと思います。部屋がなんかカビ臭い、いやな匂いがするなど、気が付いたときはかなり腐食やカビが繁殖している。どこがこんなカビ臭いのか?と感じたら天井裏もチェックしてください。

どうやって?すみませんこれはその家を建ててくれたところが責任をもっています。だめな大工、建築士、工務店と思います。欠陥住宅です。でも写真だけからひどい大工、職人が工事をしたな、とわかる箇所があり、すでにこの工務店は倒産しているかもしれませんが、もしこのようなトラブルを見つけてその会社がまだあったら、建てた建設会社、工務店に怒鳴り込まなければなりません。

結露のできる訳、結露の仕組みと対策/換気システム

結露の仕組み

結露ができる仕組みは、ガラスのコップの外側にできる水滴と同じで、図の左のように、冬は暖房をします。その暖められた湿った空気が天井を超えて屋根裏に登ります。しかし、屋根の構造、作りを間違えてその空気を逃がす仕組みを作らなかった為に温かい湿った空気は屋根裏に滞留します。

そして外気によって冷たくなった屋根の野地板の裏側、垂木などの表面に水滴ができます。これが結露です。この滞留した温かい湿った空気、水滴がカビ、菌を繁殖させ、柱、梁、垂木などを腐食していきます。これを10年、20年放置すると写真のようにカビが繁殖し家を蝕んでいきます。

対策は屋根を工事するときは換気棟をとりつけるだけで解決です

湿った空気を逃がすのですから、屋根のてっぺんに換気の仕組みをつくれば良いのです。「換気棟」と言います。 この換気棟は各社からでてきますが、基本的には中から空気は逃がすが、外からの雨は入り込まないようになっています。屋根の近くの外壁に換気をする穴が普通はあるものなのですが、それがない場合は是非屋根を葺き替えるときに換気棟を付けてください。1mもので、工事費、材費で+1~2 万円程度の安いものです。

棟換気部品

棟換気の役割は2つあって、第一に屋根裏に溜まった湿った温かい空気を外に排出すること、第二に外からの雨を中にいれないことです。第二の機能を実現するために、換気棟の中は工夫されていて、強風+強い雨が吹いても換気棟から雨が入らないようにいろいろ工夫されています。ここはご心配なく。勿論瓦屋根用の換気棟もあります。

他の屋根裏の換気システム:結露防止

結露の予防/屋根裏の換気に外壁に換気口、軒天での換気:
屋根裏の換気は棟換気だけではありません。多いのは屋根の近くの外壁に、写真下は、切り妻の屋根なのでけらば部分のすぐ下に穴を空けて換気口があります。また右は軒天に換気ができる穴あきの天板で換気をとっています。

換気口と軒天の換気板

換気棟、換気口の対策は正解なのですが、問題もあります

結露の予防は暖められた湿った空気が原因です。冬、どうしても暖房は欠かせません。しかし、石油、ガスを完全燃焼させると二酸化炭素と水、水蒸気を発生させ、どうしてもこの湿った暖気が生成されてしまいます。暖気は部屋から上昇し、天井を抜け屋根裏へ行きます。屋根裏からこの暖気が排出されないと、屋根で冷やされて水滴が木部に付き、結露となります。

この暖気を逃がすのが、棟換気、換気口ですが、残念なことに一緒に温かさも外に出ていきます、つまり折角費用をかけて部屋を温めた暖気を無駄にしてしまいます。換気をよくすればするほど、エネルギー効率が下がってしまいます。

そこで、断熱という考え方があります。断熱、つまり時の通りに屋根裏と天井の下の部屋を遮断するのがベストな構造と言えます。部屋の暖気は逃さない、でも屋根裏にはこの湿った暖気は行かない。よって換気棟、換気口からは部屋の暖気は逃げないし、屋根裏の湿った暖気があったら、そこから結露の原因の暖気は排出されるという理想のシステムができます。エネルギー効率もよくなります。

天井断熱の図

これを天井断熱といいます(小屋裏断熱とも言います)この断熱システムは、結露を防ぐだけではなく、今度は夏、屋根の熱を部屋に伝えない役割をするのです。屋根での断熱は質問によくありますが、屋根での断熱より遥かに効率良く断熱ができるシステムです。

天井断熱は冬でも夏でも役に立ちます

屋根屋をガルバリウム鋼板などの金属に替えたら屋根はかなり熱くなります。屋根で目玉焼きが簡単に出来てしまいます。屋根材メーカー、一部の屋根屋さん、一部の建築会社は勘違いしていて、屋根材での断熱を一生懸命説明しますが、目的は屋根の温度を下げても意味がありません。

人間が居る部屋の温度を下げなければ意味がないのです。この天井断熱は屋根がいくら熱くなっても、その熱を天井で遮断するので、屋根で受けた真夏の太陽熱は部屋まで届きません。冬は結露防止に、真夏は屋根からの熱を遮断、断熱する天井断熱は効率良く家を守ってくれるシステムなのです。

更にこの天井断熱材にはセルロースファイバーがお薦めです

グラスウールなどの安い断熱材が良く使われますが、袋に入ったグラスウールは、化学物質なので、湿気を吸収したり排気したりできません。湿気が袋を通ってグラスウールに吸着したらしばらくは乾きません。冬は屋根裏ということもあり、湿気たっぷりです。この為グラスウールは縮み袋と袋との間に隙間があき、また袋そのものが潰れたりします。

断熱材は隙間なく施工しないと断熱効果がかなり減少しますので、これで断熱性能は台無しになってしまいます。湿気を排出しかつ吸気ができる、つまり断熱材料自体が生き物のように吸ったり吐いたりできると都合が良いわけです。

この機能を持った自然の材料がセルロースファイバーです。この原料は新聞紙で新聞紙は木から作ります。細かくなっても木の繊維は残り、なんと生き続け湿気を吸ったり吐いたりできるのです。

しかも断熱性能はグラスウールよりよく、更に優れた点はこの断熱材は綿状なので、袋などに入れず、そのまま天井に300mmほど積もらせます。ですからズレや縮みなどがなく、何年経っても隙間ができません。断熱性能がそのまま長年維持されます。

実は私の実家も断熱材にはこのセルロースファイバーを使っていて天井に約300mm入れています。リビングにも和室にもサッシの窓があり、サッシはペアガラスということもあって、ガラスに水滴は着いたことがありません。セルロースファイバーは費用が高いのが玉にキズではありますが・・・

以上です。

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