屋根材について

木材の寿命、耐用年数/カバー工法時の下地材の耐用年数

木材の寿命、下地材料の耐用年数/他サイトでは20年から30年は本当か?

木材の劣化の原因がなければ、30、40年以上は少なとも耐用年数があるのではと推測されます。

下地材の耐用年数タイトル画像

 

他の屋根関係のサイトでは、ガルバリウム鋼板の保証、耐用年数が書いてありますが、下地材・コンパネの耐用年数については言及していないところが殆ど。書いてあっても、20年、30年と書いてあります。・・・何も根拠がありません。

私の家を2008年5月にリフォームの為に全面的に解体しました。残したのは、柱、梁、屋根、土台で壁は全て剝がした大がかりなリフォームをやりましたが、その解体の棟梁は、この家はかなり綺麗に木材が残っている。築45年以上だったのですが、素人の私にも新品とは言いませんが、柱、梁、屋根の骨組みはかなり綺麗でした。木材の寿命は20年や30年ではありません。

その家は、良く乾燥された材料を使っていたので、長くもったのかもしれません。雨漏りは一部屋根であって腐食していました。風呂場に近い土台、柱はシロアリで腐食していて、交換。シロアリ駆除の薬品を手当てしました。水があるところは腐食していたのです。

木材はかように適度に乾燥していれば、20年、30年ではびくともしないことを知りました。ですから、下地材の耐用年数を20年から30年は本当ではありません。もちろんそれには条件があります。ではここのテーマ、屋根の下地材はどのくらいの耐用年数があるのか?です。調べてみました。

屋根のカバー工法、その下地材は20、30年もつのか?

結論を言うと、JAS規格の構造用合板は、30年以上の耐用年数があります。

屋根カバー工法での葺き替え時、コンパネはまだ大丈夫、ルーフィングもガルバリウム鋼板もきちんと固定できるとして、そのあとコンパネは充分な耐用年数があるのか?という疑問が次に来ると思います。これについても考えなければならないです。

木材の劣化する原因と耐用年数、コンパネの接着剤

まず下地材の材料から;

コンパネ・下地材は、薄いベニアの板を繊維の方向が互い違いになるように張り合わせた材料です。

屋根下地材、構造用合板画像

正式な名前は、建築用構造用合板です。大きさは;910mm X 1820mm X 12mm(9mm)のものが屋根の下地材として使われています。この材料の耐用年数を考えます。

屋根材としてのコンパネの耐用年数とは?どうなると使えなくなるか?

ガルバリウム鋼板によるスレート屋根のカバー工法時の下地材の劣化を考えるとき、下地材がどうなったらカバー工法が不可なのか?それはルーフィング、ガルバリウム鋼板を固定する釘、ビスが下地材が柔らかくなって打てなくなったとき、釘、ビスが効かなくなったときです。

ではなぜ木材である下地材・コンパネが柔らかくなるのか?を考察します。簡単に言うと劣化です。

木材が老朽化する原因/微生物が木材を食べるから

木材の劣化に関する国土交通省の研究報告を見ます。

第VI章 木造住宅の外皮木部の水分履歴に応じた腐朽危険度予測手法

木材の生物劣化、腐朽の必須条件、水分制御の重要性

木材は主として樹木の幹から製造され、仮道管など各種の細胞によって
構成されている有機材料である。細胞壁の構成成分の内、主成分はセルロース
、ヘミセルロース、及びリグニンである。

コンクリートや鉄など、他の建築材料と同様にさまざまな要因によって劣化
するが、他材料際立って異なるのは、重要な劣化が生物劣化であるということ
である。

生物劣化には、腐朽、蟻害、カビ買い、細菌から昆虫まで多数種の生物が関与
するさまざまな劣化形態がある。

 

表面汚染: 接合菌類、子嚢菌類(しのう)

変色: 子嚢菌類

腐朽: 担子菌類、子嚢菌類

虫害: 乾材害虫類

蟻害: シロアリ

表面汚染は、接合菌類や子嚢菌類など(いわゆるカビ)によって生ずる木材表面の汚染で、木
材自体に含まれる少量のアミノ酸、低分子糖類やデンプン、あるいは木材表面に付着した様々な塵や汚れの物質を養分として生育した胞子や菌糸自体の色、あるいは代謝産物などによって引き起こされる。

クモノスカビ、クロコウジカビ、ペニシリウム、アスペルキルスなどが関与する。
木材の強度的性質には影響を与えない。変色も菌糸自体の色のほか、菌の生成した物質などによって引きおこされる。主にクワイカビなどの子嚢菌によるもので、材表面だけでなく辺材全体が内部まで変色する。この場合も、養分として使われるのは材内部の低分子糖類、デンプンなどであり、強度的影響はない。

腐朽は、微生物の酵素などによって木材細胞壁の主成分が分解され、その結果木材の細胞壁構造が崩壊する現象である。そのため木材の強度的性質に多大な影響を及ぼす点で最も重視すべき生物劣化である。腐朽を起こす微生物は主として担子菌の一群である。担子菌は図111に示す生活環を持ち、菌糸の状態で木材を分解代謝して自らの養分として取り込む。その結果として木材が腐朽することになる。

出典:国土技術政策総合研究所ホームページ から(2020年 11月10日引用)

木造住宅の耐久性向上に関わる建物外皮の構造・仕様とその評価に関する研究

木材・木を腐朽(所謂木が腐ること)させる原因として、最も重視するべきは生物劣化としています。具体的には担子菌などの微生物が木材の成分を養分として分解し、食べることにより木材が腐朽するとあります。これらの微生物が発生、繁殖させないようにするには何を無くせばよいのかというと、これらの微生物が生きていくための要素を無くせばよいわけです。

繁殖の要素は、水、空気、養分の3つ。このうちどれかを無くせば微生物は発生できないし、発生しても繁殖できません。養分は木材そのものなので無くせません。空気をシャットアウトするには屋根自体を密閉し、真空にしないといけない、不可能ではありませんが、やらないですね。残るは水をやらない、水の供給を止めてあげれば、微生物は死に絶えます。繁殖できません。

では水の供給が無く、微生物の繁殖が無ければその耐用年数は?答えは京都や奈良、全国にある古い木造建築のお寺にあります。数百年以上前の木材が部分的ではありますがきちんと残っている。改修を何度となく実施していますが、残っている部分は多いのに驚かせられます。

木材は数百年程度なら腐朽せず残る。という証明と考えます。でも腐朽する部分もあるのだから、そんなに耐用年数はないのでは?という方もいると思いますが、それは上の腐朽のメカニズムを返って証明しているのではないでしょうか?つまり水がある程度供給された箇所は正に腐朽、腐ってだめになる。

水が供給されなっかたら箇所は数百年以上もっているのではないでしょうか?木材自体はかように強いものなのか?と。木材の劣化の原因が微生物であるなら、ここではその木材自体の劣化の理由、メカニズムを知りたかったので調べてみました。これ基本。

構造用合板の耐用年数は20年や30年でだめになってしまうのか?

木材自体の耐用年数はかなり長いことは理解できたと思います。しかし、屋根で使われているコンパネは構造用合板であり、その厚さは 9mm か12mm。薄いベニアを数枚重ねて接着剤で張り合わせたものです。この下地材がどれくらいもつのか?

森林総合研究所、研究チームの宮武さんの記事では、合板は50年~70年は耐用年数があるそうです。会員にならないと全文を読めないので、少し内容を言うと、木材自体の耐用年数は、7世紀に建立された法隆寺にあるようにきちんと使えば1000年の耐久性がある。(良く目にすることです)合板はあと接着材、接着界面の耐久性の考察になっていて、・・・中略。

米国では、1934年に建てられた図書館に合板が使われていていまでも健在であり、シカゴの北側、ウィンスコンシン州辺りには集成材(合板)を使っていて一部に剥離があるが十分に使っている。

結論として;

木材の長期的な耐久性についての結論として、二つ考えられる。

まず、集成材黎明期に使用された、現行のJAS規格には全く適合できないくらい耐久性の低いカゼインやユリア樹脂などでも、50年、70年を経て、現在も使用されている建物が数多くあるということ。

二つ目は、現在のJAS規格で認められている接着剤を使い、基準を守って作った集成材であれば、一般的な使用環境なら50~70年は当然で、それ以上もつだろうということ。個人的には、耐久性の高い接着剤を使っていれば100年以上もつのではないかと考えている。

これら2つの記事から、現在下地材として使用しているコンパネ・合板は、水にさえ濡れなければ、微生物が繁殖しなければ、70年以上、100年近くは耐用年数がありそうです。

まとめ:下地材である構造用合板の耐用年数

米国、日本の集成材・合板の実績から、また木材の劣化の仕組みから、水さえ防げれば、微生物に侵されなければ、70年以上100年近くは耐用年数があるのではと推測されます。

 

以上になります。

 

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