スレート、コロニアル

カバー工法屋根工事例/スレートをガルバとシングルへ

勾配の緩い屋根はシングルでのカバー工法例

一部屋根の勾配が2寸と、雨仕舞いの問題で横葺きガルバリウム鋼板の施工ができないので、縦葺きの瓦棒にするか、縦ハゼなのですが、縦葺きは屋根の景観ががらりと変わるので同じ横葺きで緩勾配でも施工できるアスファルトシングルを選択です。これでも2寸の勾配がぎりぎりです。

築26年ですが、スレートはところどころ大きなヒビ、欠けがあってかなりの劣化です。ルーフィングの劣化はそれほどでもなかったのですが、ルーフィングより仕上材の耐用年数が早く来たようです。勾配の緩い箇所はやはり劣化が早いです。写真参照。本来ならここは縦葺きの仕上げにするべき箇所と考えます。お客様の好み、家全体の景観もありますがはやり一部縦葺きというのは敬遠されます。

事例:スレート屋根、スレート割れ、欠け

上の写真は、スレート材の割れです。この他に3箇所ほどの割れが確認されましたが、雨漏りは発生していませんでした。軒先上のスレート材も割れているのですが、軒天にも水が回った跡がありません。これはルーフィングに破れや裂けなどがない証拠であり、ルーフィングがしっかりしていれば、スレート材が割れても欠けても雨漏りは発生しないことをものがっています。

自然の劣化によって割れたのか?人間が屋根に登って割れたのか?判然としませんが、経年劣化によって自然に割れたようにも思えない様子ですが、雨漏りが無かったのは幸いです。スレート材は割れ、欠け安い材料です。この材料はアスベストを含むものでしたが、今のスレート材、コロニアル、カラーベストはアスベストが無いので更に割れやすいと思われます。新築はもちろん、リフォームにもスレート材は不向きと私は個人的に思います。

事例:スレート葺き替え屋根全体様子

割れ、欠けのあるところ意外では、総じて綺麗な状況でした。棟の板金も26年経ったとは思えないほど錆もなく、良い状態です。塗装もそんなに劣化していません。ただ、釘の浮き、飛び出しはあって(下の写真参照)これは板金の問題ではなく、中の芯材が雨水他で腐食していて、釘が効かなくなっているためです。スレート屋根の一番弱い箇所です。10年~15年程度で板金の交換が必要です。

事例:釘抜け

まだ板金の変形はありませんが、釘が浮いてくることにより、スレート材との隙間が増え、より雨水が侵入し易くなってしまうと、ルーフィングの劣化を早めてしまいます。屋根の頂上部なので、水が滞留するとは考え難いのですが、雨の侵入は極力抑えたいものです。そのためにも、棟板金は交換することを面倒でもお薦めします。棟板金と中の芯材の交換で、¥5,000/m程度で工事ができますので、気軽に交換ができます。また全部の交換をしなくても、劣化している箇所だけでもOKです。

【勾配の緩やかな場所の工事・・・アスファルトシングル施工】

シングル下ルーフィングOK

二階の緩勾配部分の屋根では、水の排水が悪く(雨仕舞が悪いといいます)ガルバリウム鋼板の施工ができません。シングル材(アスファルトシングル)でもメーカーの仕様は2寸以上です。ここの確認のため、シングルを一部剥ぎ取ってルーフィングの劣化度合いを見たものです。意外にもルーフィングがほぼ無傷でした。立地環境が良いのかもしれません。

26年の経過でこれだけ綺麗に残っているのは、ラッキーでした。このままルーフィングをはると多少段差ができますので、シングルを剥ぎ取った部分にシングルを張り直しその上からルーフィングの施工です。シングル材も状態は良好でした。正直まだ交換の時期ではなかったです。

ルーフィング、ガルバ施工中

ガルバリウム鋼板(ニチハ、横暖ルーフ/きわみ)のカバー工法です。左の写真の手前にルーフィングが見えます。奥が横暖ルーフ、雪止めも施工です。右の写真は一階の下屋部分にガルバリウム鋼板を施工している様子。

アスファルトシングル施工軒先部分

緩勾配の二階屋根にシングル材の施工風景。

事例スレート葺き替え完成

まだ一部棟の板金が未施工ですが、西北の方角から二階屋根を撮影した写真。ほぼ完成。

完成正面写真

北側正面二階の様子。ほぼ完成です。

ガルバリウム鋼板の断熱材

現場にガルバリウム鋼板の材料の残りがありましたので、写真に収めたものです。左の写真が横暖ルーフ/きわみの表側、右の写真が裏側です。ニチハ(元はチューオーという会社が横暖ルーフを作っていましたが吸収合併されました)の横暖ルーフは標準で硬質ウレタンの断熱材が10mmほど入れてあります。これをアルミのシートで包んであり、屋根材と一体型になっています。

横暖ルーフ断面表

横暖ルーフ断面裏

断熱材の断面写真:約10mmの硬質ウレタンの断熱材を採用しています。断熱性能は良いのですが、いかんせん厚みがありません。あったほうが良い程度になります。このガルバリウム鋼板の断熱性能は実験したデータがありますので、参考までに雨音とともに掲載します。下フラフです。

コロニアルとガルバ温度比較グラフ

1m X 1m X 1.3m(高さ) のBOXで屋根材を変えてその屋根材でのBOX内温度を計測したグラフです。青のグラフが気温、黒が断熱材付ガルバリウム鋼板、緑のグラフがスレート材のグラフです。ガルバリウム鋼板は、横暖ルーフとほぼ同じ断熱性能の製品で、アイジー工業ーのスーパーガルテクトは横暖ルーフの最強ライバルになります。この2者の断熱性能はほぼ同じことが実験で確認されています。

このグラフから、スレート材の方が断熱材ありのガルバリウム鋼板より断熱性能が劣ることがわかります。実験の数字上。しかし、スレート材もガルバリウム鋼板もBOX内の温度は、気温に比較して7度以上~10度以上高いので、決して涼しい環境ではありません。多分毎日気温の変化も変わりますので、スレート材とガルバリウム鋼板の温度差は分からないと思います。

実はスレート材と断熱材のないガルバリウム鋼板とはほぼ同じ温度グラフになり、断熱材を入れた分多少温度が下がるというのが実際のようです。それでも、一般に考えられてきた断熱材があってもスレート材は材料の厚い分断熱性能が良いのでは?ガルバリウム鋼板に変えたら金属なので、より夏な暑くなると思われてきました。

でも実験をすると、スレート材は意外と断熱性がないことがわかりました。印象や思い込みでそう思っていただけということが実証されたことになります。

カバー工法での断熱性能、ガルバリウム鋼板対カバー工法

さらに、スレート材の上にガルバリウム鋼板でカバーした断熱性能のグラフを添付します。

カバー工法の断熱性能グラフ

断熱材付のスーパーガルバリウム鋼板とスレート+断熱材付のガルバリウム鋼板(横暖ルーフ)とのBOX内の温度を比較したものです。(断熱性能比較です)ガルテクトは横暖ルーフとほぼ同じ断熱性能特性を持っていて、予想通りカバー工法の方が断熱性能は上です。しかし、その違いも2,3度の違いになります。この実験の最高気温は、14:35の32度、ガルテクトの最高温度は、41.3度、カバー工法の室内温度は最高で37.2度でした。

断熱材付とはいえ、カバー工法の断熱性能が勝っています。屋根材が増えたのですから、当然と言えば当然の結果と言えそうです。言いたいことは、スレート材の葺き替えでは、スレート材はそんなに断熱性能は良くありませんでした。スーパーガルテクトや横暖ルーフの方が僅かですが、断熱性能が良いです。しかし、外気温よりもかなり高い温度なので、これで断熱性能が素晴らしいとはとても言えませんが、でも少なくとも、今までのスレート材からガルバリウム鋼板に変えてもそんなに環境は変わらない、悪化することはないようです。カバー工法ならほんの少しは良くなることが実証できました。

断熱性能について、参考ページ: 実測した屋根材の断熱性能

スレート屋根のガルバリウム鋼板によるカバー工法

葺き替え項目数量単位単価金額備考
足場設置解体270¥700¥ 189,000
ルーフィング施工費120¥ 600¥72,000普及品耐用年数20年程度
ガルバリウム本体施工90¥6,600¥ 385,000横暖ルーフ/きわみ
材料費込
シングル本体施工30¥5,800¥ 174,000オークリッジPro30
本体以外の施工費用一式
¥ 188,000棟板金、軒先、けらば部分の役物、その他
一般管理費 5%一式¥50,000
工事費合計一式¥ 1,058,000
合計(消費税込)一式¥1,142,640消費税8%

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