面積50㎡、スレート屋根のサンプル
下のサンプル屋根を用いて各材料での葺き替え工事費用の概算を計算します。
比較の結論:工法と材料違いによる施工価格:
工法\仕上材 | ガルバリウム鋼板 | 石粒付鋼板 | 備考 | 空欄 | 空欄 |
---|---|---|---|---|---|
スレート材料撤去方法 | ¥ 877,000 | ¥ 971,000 | 概算の為千円未満四捨五入 | ||
カバー工法、被せ工法 | ¥ 671,000 | ¥ 765,000 | 概算の為千円未満四捨五入 | ||
・カバー工法:明細
・スレート撤去方法:明細
屋根面積:49.3㎡、建坪10坪、2階建ての家モデルを使って、撤去工法、重ね葺き工法(カバー工法)での屋根葺き替え費用、相場を概算いたします。使う屋根材は、ガルバリウム鋼板、石粒付鋼板です。
屋根の仕様:
- 面積:49.3㎡(1階:4.14㎡、2階:45.18㎡)
- 建坪(一階床面積):10坪、33㎡
- 屋根:切り妻型
- 材質:スレート材
- 工法:スレート材撤去工法、カバー工法
- 葺き替える屋根材:ガルバリウム鋼板、石粒付鋼板、アスファルトシングル
- 屋根勾配:4寸:4/10
- 軒先の長さ、1階:3.13m、2階:11m
- けらばの長さ、1階:2.86m、2階:13.2m
- 壁の取り合い:長さ、1階:6.0m
- 2階の棟の長さ: 6.36m
このスレート屋根の葺き替え方法は2つあって、カバー工法(重ね葺き工法)とスレートを撤去する方法があります。まずカバー工法での各屋根材での施工概算価格を示します。
スレート屋根カバー工法/屋根面積:50㎡
スレート屋根をカバー工法で、ガルバリウム鋼板、石粒付鋼板で葺き替える概算価格、費用
ガルバリウム鋼板(SGL)でのカバー工法費用:¥ 671,000
葺き替え項目 | 金額 | 単価 | 数量 | 単位 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
ルーフィング施工費 | ¥ 59,160 | ¥1,200 | 49.3 | 平米 | 自着式ルーフィング |
ガルバリウム鋼板 本体施工費 | ¥ 320,450 | ¥6,500 | 49.3 | 平米 | スーパーガルバリウム鋼板仕様 |
棟部分施工費用 | ¥ 19,080 | ¥3,000 | 6.36 | m | 2階建大屋根の棟 |
軒先水きり部分 | ¥ 21,195 | ¥1,500 | 14.13 | m | 軒先に施工する部品、軒先唐草 |
けらば部分雨抑え | ¥ 40,150 | ¥2,500 | 16.06 | m | 切り妻屋根の横部分 |
壁の取合部分雨抑え | ¥ 21,000 | ¥3,500 | 6.0 | m | 一階下屋の壁と屋根との間の部品 |
足場設置&解体費用 | ¥100,000 | ¥800 | 125 | 平米 | 工事の為の足場費用 |
屋根工事の小計 | ¥ 581,035 | - | - | - | - |
諸経費(工事費の5%) | ¥ 29,052 | - | - | - | - |
税込合計金額 | ¥ 671,000 | - | - | - | (千円未満四捨五入)概算のため |
解説:
スレート屋根のカバー工法でのルーフィングは、面で止める、接着する自着式ルーフィングお薦めです。下地材直にはNEWライナールーフィングをお薦めしていましたが、カバー工法では私は今のところ自着式のものが良いと考えます。詳しくは:Tel:0120-58-1152 小形まで。
ガルバリウム鋼板は、日本製鉄のSGLがお薦めです。単価は、アイジー工業のスーパーガルテクト、ニチハの横暖ルーフαSを参考に出しました。ガルバリウム鋼板メーカーの解説 参照。
石粒付鋼板(ジンカリウム)でのカバー工法施工費用: ¥ 765,000
葺き替え項目 | 金額 | 単価 | 数量 | 単位 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
ルーフィング施工費 | ¥59,160 | ¥1,200 | 49.3 | 平米 | 自着式ルーフィング |
石粒付鋼板 本体施工費 | ¥ 345,100 | ¥7,000 | 49.3 | 平米 | 提携屋根屋の価格、ディプロマット |
棟部分施工費用 | ¥ 31,800 | ¥5,000 | 6.36 | m | 2階建大屋根の棟 提携屋根屋の価格 |
軒先水きり部分 | ¥ 35,325 | ¥2,500 | 14.13 | m | 軒先に施工する部品、軒先唐草、提携屋根屋の価格 |
けらば部分雨抑え | ¥ 64,240 | ¥4,000 | 16.06 | m | 切り妻屋根の横部分、提携屋根屋の価格 |
壁の取合部分雨抑え | ¥ 27,000 | ¥4,500 | 6.0 | m | 一階下屋の壁と屋根との間の部品、提携屋根屋の価格 |
足場設置&解体費用 | ¥100,000 | ¥800 | 125 | 平米 | 工事の為の足場費用 |
屋根工事の小計 | ¥ 662,625 | - | - | - | - |
諸経費(工事費の5%) | ¥ 33,131 | ||||
税込み合計 | ¥ 765,000 | 概算の為、千円未満四捨五入 |
スレート屋根を撤去しての葺き替え工事価格:屋根面積:50㎡
ガルバリウム鋼板への葺き替え費用: ¥ 877,000
葺き替え項目 | 金額 | 単価 | 数量 | 単位 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
スレート撤去費用 | ¥ 88,740 | ¥ 1,800 | 49.3 | 平米 | |
廃材処理費用 | ¥ 73,950 | 49.3 | 平米 | ||
アスベスト飛散防止養生費 | ¥ 30,000 | 一式 | - | - | 主にシート代、施工 |
ルーフィング施工費 | ¥ 44,370 | ¥900 | 49.3 | 平米 | NEWライナールーフィング 耐用年数:30年 |
ガルバリウム鋼板 本体施工費 | ¥ 320,450 | ¥6,500 | 49.3 | 平米 | スーパーガルバリウム鋼板仕様 |
棟部分施工費用 | ¥ 19,080 | ¥3,000 | 6.36 | m | 2階建大屋根の棟 |
軒先水きり部分 | ¥ 21,195 | ¥1,500 | 14.13 | m | 軒先に施工する部品、軒先唐草 |
けらば部分雨抑え | ¥ 40,150 | ¥2,500 | 16.06 | m | 切り妻屋根の横部分 |
壁の取合部分雨抑え | ¥ 21,000 | ¥3,500 | 6.0 | m | 一階下屋の壁と屋根との間の部品 |
足場設置&解体費用 | ¥100,000 | ¥800 | 125 | 平米 | 工事の為の足場費用 |
屋根工事の小計 | ¥ 758,935 | - | - | - | - |
諸経費(工事費の5%) | ¥ 37,947 | - | - | - | - |
税込み合計 | ¥877,000 | (千円未満四捨五入) |
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ジンカリウム鋼板への葺き替え費用: ¥ 971,000
葺き替え項目 | 金額 | 単価 | 数量 | 単位 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
スレート撤去費用 | ¥ 88,740 | ¥1,800 | 49.3 | ||
廃材処理費用 | ¥ 73,950 | ¥1,500 | 49.3 | ||
アスベスト飛散防止策 | ¥30,000 | - | 主にシート施工 | ||
ルーフィング施工費 | ¥ 44,370 | ¥900 | 49.3 | 平米 | NEWライナールーフィング 耐用年数:30年 |
ジンカリウム鋼板 本体施工費 | ¥ 345,100 | ¥7,000 | 49.3 | 平米 | 純正品仕様 |
棟部分施工費用 | ¥ 31,800 | ¥5,000 | 6.36 | m | 2階建大屋根の棟 |
軒先水きり部分 | ¥ 35,325 | ¥2,500 | 14.13 | m | 軒先に施工する部品、軒先唐草 |
けらば部分雨抑え | ¥ 64,240 | ¥4,000 | 16.06 | m | 切り妻屋根の横部分 |
壁の取合部分雨抑え | ¥ 27,000 | ¥4,500 | 6.0 | m | 一階下屋の壁と屋根との間の部品 |
足場設置&解体費用 | ¥100,000 | ¥800 | 125 | 平米 | 工事の為の足場費用 |
工事費用小計 | ¥842,525 | - | - | - | - |
諸経費(工事費の5%) | ¥ 42,026 | - | - | - | - |
10%税込み合計 (千円未満四捨五入) | ¥971,000 |
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※各価格は、概算で価格を保証するものではありません。正確な費用は、屋根屋の現地調査の後に正式見積をとってください。相場価格は屋根工事お助け隊の独自の相場感で出しています。
工法とルーフィングの解説
仕上材から漏れた雨水をしっかり防水材するのは、ルーフィング・防水材。このルーフィングが屋根のの耐用年数を決めると言っても過言ではありません。上のガルバリウム鋼板(SGL等)は、穴あき保証が、25年、耐用年数はメーカーは言っていませんが、保証年数よりは長いはずです。
また、石粒付鋼板・ジンカリウム鋼板の耐用年数は、50年以上あると言われています。ルーフィングの耐用年数が50年以上あるものは、田島ルーフィングのマスタールーフィングだけです。もちろん保証値ではありません。カタログに60年の耐用年数が謳ってあるだけです。
他のアスファルトルーフィング製品で、カタログに耐用年数が書いてあるのは、あとNEWライナールーフィングの30年です。他の製品は耐用年数については言及がありません。(2021年11月時点)
こう考えるとスレートを撤去しても、カバー工法でも重要なルーフィング選びに迷うことになります。30年以上のルーフィングは、マスタールーフィングとニューライナールーフィングですが、価格的に言ってニューライナールーフィングが選ばれると思います。
問題は、カバー工法時ですが、このときNEWライナールーフィングは、接着式では無いため釘で下地材に固定することです。タッカーは使えないので、釘を打たなければなりません。この為に雨漏りのリスクが増えます。
悩ましいのは、自着式ルーフィングがあることです。このルーフィングはタッカーや釘を使わなくても裏面に専用の接着剤があって、スレートに面で接着できるのです。釘、タッカーは点で固定するのに対して広く全面で固定し、タッカーや釘を使いませんので、耐用年数は長くなると考えます。
勿論ガルバリウム鋼板や石粒付鋼板・ジンカリウム鋼板はビスを使いますが、屋根に穴を空ける箇所が減少します。なので、スレートのカバー工法には、自着式ルーフィングを選んであります。
また、屋根屋さんによっては、雨水をよりスムースに流す為にキズ入ルーフィングを施工する業者さんもいます。このルーフィングは、1mm程の隙間をルーフィングと仕上材の間に確保し、雨水の滞留を防ぐので、より耐用年数が長くなると主張しています。
どれが正解なのか?多分だれも正確なデータを持っていないです。スレート屋根のカバー工法で使われるルーフィング選び。
・NEWライナールーフィング:耐用年数 30年
・自着式ルーフィング:耐用年数の規定がありません。20年程度ですが、固定方法で穴を開けないので、通常のゴムアスよりは劣化は遅い(私見です)
・雨水をスムースに流す、キズ入ルーフィング:耐用年数 20年程度
どのルーフィングがカバー工法にて一番耐用年数が長いのか?材料だけの問題ではないので、データが全く無いのが現状です。(2022年7月)上記の概算では、カバー工法では自着式ルーフィングを撤去方法では、NEWライナールーフィングをそれぞれ選んであります。
石粒付鋼板を施工するのなら、鋼板よりルーフィングのことを良く調べる必要があると考えます。ルーフィングを二重にする、自着式ルーフィングも考慮に入れると良いでしょう。重要なルーフィングについて
石粒付鋼板にもいろいろあります。参考までに日本で販売されている製品については;石粒付鋼板の各メーカー&製品を見てください。
使用したサンプルの家と屋根の図面:
まとめ
建坪10坪、屋根面積:約50㎡:スレート屋根の葺き替え:撤去工法とカバー工法での施工概算費用比較:
工法\仕上材 | ガルバリウム鋼板 | 石粒付鋼板 | 備考 | 空欄 | 空欄 |
---|---|---|---|---|---|
スレート材料撤去方法 | ¥ 877,000 | ¥ 971,000 | 概算の為千円未満四捨五入 | ||
カバー工法、被せ工法 | ¥ 671,000 | ¥ 765,000 | 概算の為千円未満四捨五入 | ||
工法とルーフィングは特によく吟味するようにしてください。私の考えでは、スレート屋根のカバー工法では、ルーフィングを自着式ルーフィングを使う。耐用年数の点、雨音の優位性から、石粒付鋼板・ジンカリウム鋼板をお薦めいたします。
参考:本体以外の役物(屋根部品)
棟部分:赤の矢印
屋根の天辺、この屋根は切り妻なので、二階に1本あります。スレート屋根の場合は金属のカバーがあります。これを「棟板金」と言います。
軒先部分:緑の矢印
屋根で雨水が最終的に雨樋に落ちる部分、雨が確実に雨樋に行くように、屋根の裏側にいかさない為の役物として、軒先に施工する役物です。「軒先唐草」と言います。この軒先唐草がないと雨水は軒先の裏側に回り込み軒天を濡らして腐食の原因になります。確実に雨樋に水を導く役物、部品になります。
けらば部分:ピンクの矢印
軒先とは別の端にあり、勾配がわかる部分です。ここからも雨水の侵入があり、それを防ぐ為の部品があります。けらばの雨抑えです。「けらば」は切り妻、片流れの屋根にある部分の名称です。
壁の取り合い部分:黄色の矢印
この屋根では、二階の壁と一階の屋根の境界に当たります。強い風雨ではここから雨が入り込みますので、それを防ぐ部品が必要です。「壁の取り合い部分」と言います。
屋根の役物、部品はおおかたが、本体のスレート材、材料で雨を防ぎきれない部分は、専用の部品を使って雨漏りを防いでいます。
10坪のスレートを撤去した葺き替え概算は以上です。