スレート、コロニアル

スレート葺き替え施工価格・比較/カバー工法 vs 撤去工法

スレート屋根葺き替え/カバー工法はいくら安くなるのか?

カバー工法と撤去工法施工費用比較

 

スレート撤去してガルバリウム鋼板施工 vs ガルバでのカバー工法価格差:¥ 188,000 -

スレート撤去して石粒付鋼板施工 vs 石粒付鋼板でのカバー工法価格差:¥ 188,000 -

 

スレート屋根の葺き替えで最近良く工事されているカバー工法、スレート材の撤去と廃材処理費用が節約できますが、実際にはどれほど節約できるのか?

具体的な数字があった方が考え易くなると思います。独自の価格、相場感ですが、撤去費用と廃材処理費用がどのくらいで屋根葺き替え費用がどのくらいになるのか?提示したいと思います。

モデルの屋根を考え、各屋根のサンプルでスレートの撤去工法での工事価格、カバー工法での工事費用を出してみます。一体どれほどの違いがあるでしょうか?また、スレート材の撤去費用と廃材費用とはどれほどの費用なのかも併せてみることにします。

スレート撤去と廃材処理費用は、19万円程度ですが、これが屋根葺き替え工事全体に占める割合、価格の印象を感じてもらう為に、工事金額を詳しく出してみました。工事全体に対して、どうか?ガルバリウム鋼板の場合と石粒付鋼板の場合を想定して提示しています。

併せて価格的にガルバリウム鋼板が良いのか、石粒付鋼板が良いのか考えてください。石粒付鋼板についての解説は下の記事に提示しました。石粒付鋼板については、別ページに解説があります。

 

ガルバリウム鋼板/撤去工法 vs カバー工法での工事費用比較

スレート屋根の葺き替えでカバー工法と撤去する方法での工事費用の比較です。わかりやすいように、屋根のモデルを考えます。次の家、屋根を想定します。

サンプル:建坪 10坪の木造家屋

建坪11坪のサンプル屋根画像
モデルの住宅:
建坪:10坪(33㎡)、2階建て、3LDK
屋根:コロニアル、スレート、屋根面積:49.3㎡
1階:4.14㎡、2階:45.18㎡
勾配:4寸
棟の長さ計:6.36m、軒先長さ計:14.13m
けらばの長さ計:16.06m
壁の取合:5.0m(一階下屋部分)

 

・スレートを撤去してガルバリウム鋼板で葺き替える費用とガルバリウム鋼板でのカバー工法工事費用の比較です。スレート材を撤去する費用と廃材処理費用が18万8千円です。価格面からの参考資料です。工事全体税込みでどのくらいの割合かを考察してください。

この場合;スレートの撤去&廃材処理費用は工事全体の22%になります。

葺き替え項目撤去の場合の費用カバー工法の場合単価単位数量備考
税込工事合計10%¥ 841,000¥ 654,000概算の為千円未満四捨五入
内訳:
スレート材撤去費用¥88,740¥1,80049.3ルーフィング撤去清掃含む
廃材処理費用¥73,950¥1,50049.3運搬費含む価格
ルーフィング施工費¥44,370¥44,370¥90049.3NEWライナールーフィング 耐用年数:30年
ガルバ本体施工費¥ 320,450¥ 320,450¥6,50049.3スーパーガルバリウム鋼板仕様
本体以外の役物施工¥ 101,000¥ 101,000
棟、軒先、けらば、壁の取り合い
足場設置&解体費用¥100,000¥100,000¥800125工事の為の足場費用
屋根工事の小計¥ 728,510
¥ 565,820
諸経費(工事費の5%)¥ 36,426¥ 28,291
税抜き工事合計¥ 764,936¥594,111

 

注:価格表でルーフィングは、高耐久性(耐用年数30年)のものを使用。ガルバリウム鋼板はスーパーガルバリウム鋼板、ニチハの横暖ルーフS、アイジー工業のスーパーガルテクトを想定。金額は概算なので千円未満は四捨五入。諸経費とは、交通費、雑費など工事に関わる細かい費用の請求です。これは請求しない屋根屋も多いです。

 

石粒付鋼板/撤去工法 vs カバー工法での工事費用比較

上の建坪10坪のサンプルの家を使った概算でスレート材の石粒付鋼板による屋根葺き替え費用をお知らせします。

サンプル:建坪 10坪の木造家屋

建坪11坪のサンプル屋根画像
モデルの住宅:
建坪:10坪(33㎡)、2階建て、3LDK
屋根:コロニアル、スレート、屋根面積:49.3㎡
1階:4.14㎡、2階:45.18㎡
勾配:4寸
棟の長さ計:6.36m、軒先長さ計:14.13m
けらばの長さ計:16.06m
壁の取合:5.0m(一階下屋部分)

 

※石粒付鋼板施工価格概算:ディプロマット、エコグラーニは同価格です。

葺き替え項目撤去の場合の費用カバー工法の場合単価単位数量備考
税込工事合計10%¥ 936,000¥ 748,000概算の為千円未満四捨五入
内訳:
スレート材撤去費用¥88,740¥1,80049.3ルーフィング撤去清掃含む
廃材処理費用¥73,950¥1,50049.3運搬費含む価格
ルーフィング施工費¥44,370¥44,370¥90049.3NEWライナールーフィング 耐用年数:30年
石粒付鋼板施工費¥ 345,100¥ 345,100¥7,00049.3ディプロマット仕様、材料費+施工費
本体以外の役物施工¥ 158,365¥ 158,365
棟、軒先、けらば、壁の取り合い
足場設置&解体費用¥100,000¥100,000¥800125工事の為の足場費用
屋根工事の小計¥ 810,525¥ 647,835
諸経費(工事費の5%)¥ 40,526¥ 32,392
税抜き工事合計¥ 851,051¥ 680,227

 

コメント:
屋根屋によってスレートの撤去費用と廃材処理費用はまちまちですが、その両方のおおよその費用概算は4,000円/㎡ 前後、撤去は屋根屋さんの職人さんが行いますが、廃材処理は剥がしたスレートの廃材を専門の処理業者に持っていって捨ててもらいます。

特にアスベストの処理は法律により処理方法が規定されていて、やたらと捨てられません。この処理業者の受け入れ費用、処理費用があります。ここの処理費用をインターネットで調べるとおおよその価格が出てきます。

お助け隊ではスレートの撤去費用概算を¥ 1,800/㎡、廃材処理費用(受け入れ業者の費用+運搬費+儲け)を¥ 1,500/㎡としています。この費用より高い屋根屋さん、ほとんど原価(受け入れ業者の価格のみ)でやってくれる屋根屋さんもいます。実際の見積を貰った時の参考にして貰いたいです。

この費用をこのモデルに適用すると、この屋根の場合の撤去費用と処理費用は、合計で19万円程度です。屋根葺き替えの全体の費用の20%程度になります。バカにできない価格です。なので最近はこのカバー工法が徐々に増えつつあります。

しかし、低コストばかりに目を囚われずカバー工法のデメリットも考えて頂きたいです。カバー工法の最大のメリットは低コストですが、こればかりに囚われずどちらにするか?良く吟味して欲しいと思います。

 

ガルバリウム鋼板と石粒付鋼板/材料の解説

・ガルバリウム鋼板でのカバー工法は、今やスレートの葺き替えの※約半数を占めるまでになっています。軽量で耐用年数がそこそこ長いこと、施工価格もリーズナブルなので、良く使われます。詳しいガルバリウム鋼板の解説は、別ページにありますので、参照してください。

・石粒付鋼板、ここではディートレーディング社のディプロマットスターとエコグラーニを紹介していますが、更に別の製品もあります。石粒付鋼板(ジンカリウム鋼板とも言っている?)の材料解説は別ページにあります。

※参考: MOKUZAI HOZON(Wood Protection)45(6),254-260(2019)国土技術政策総合研究所 「木造住宅の劣化対策ガイドライン」策定について(その2)維持保全TGについて;中島正夫著

 

カバー工法のデメリットの解説/対策、工法、材料の選択

スレート屋根からの詳しいカバー工法についてのデメリットは別ページで解説しています。

ここでは一つ、良く聞かれる「カバー工法で追加した屋根材の重量増の耐震問題」をちょっと提示したいと思います。

家の構造、耐震診断の元々の評価値が重要ですが、耐震の評価が悪化して家が倒壊したら。申し訳ありませんが、その家はもともと耐震に問題があった家だったと考えられます。重量の増加はほとんどの屋根で大丈夫

例を上げなければ理解できないとおもいますので;

カバー工法で屋根が重くなった、重量増加で耐震評価がどれだけ悪化するか?

ここでのサンプルの家では、屋根面積:49.3㎡ですので、ガルバリウム鋼板でカバーした場合、増加の重量は、5Kg/㎡ X 49.3㎡ = 246Kg(0.246トン)です。246Kgは結構な重さなので、大丈夫?となります。

しかし、家自体の重さは、10トン以上(10,000Kg)です。耐震の評価は実は家の重さとどれだけ重量が増えたか?の計算になりますので、ここでは増加分は、おおよそ 246Kg/10,000Kg ≒ 0.024(2.4%)の増加です。(本来は耐震評価計算は家全体の重量を正確に測定しなければなりません)

逆に瓦の屋根を耐震の為に軽いガルバリウム鋼へ変更したら、耐震評価は良くなりますが、これと比較してみます。瓦からガルバリウム鋼板へ変更した時の重量の減少は、1972Kgです。(瓦とガルバリウム鋼板の㎡あたりの重量差は40Kg、40Kg X 49.3 = 1,972Kg)これは家の全重量の20%もの重量になります。

瓦からガルバリウム鋼板に交換すると耐震評価は良くなると思いますよね?実際計算すると、計算上の評価は良くなります。

では、2.4%の重量増加で耐震評価はすごく悪くなると思いますか?重量増ですから、良くなることはないですが、それはほんの少しと考えられます。真面目にこれらの計算をした例をご紹介します。

更に詳しい「スレートのカバー工法は耐震に不利なのか?」を参照してください。

 

スレート屋根のカバー工法に使える他の軽量屋根材

スレート材は重量が1㎡で20Kgと金属屋根材より4倍もの重さが実はあります。ガルバリウム鋼板は5Kg/㎡ですのでかなり軽量です。

ですからスレート材より軽い屋根材なら施工しても安心です。ではその他の屋根材にはどんなものがあって、その特徴は何か?解説します。

石粒付鋼板/耐用年数:50年、保証30年

ガルバリウム鋼板よりちょっとだけ高いがデザインが気に入ればコストパーフォーマンスは、抜群の屋根材です。 スレートのカバー工法でも使える屋根材です。提携の屋根屋での施工実績もあります。ガルバリウム鋼板と同様に軽量な屋根材です(石粒付鋼板:7Kg/㎡、スレート材:20Kg/㎡)

提携屋根屋の価格では、ガルバリウム鋼板より1割から2割り程度高いだけです。ここ1,2年で契約数が延びてきている製品です。

しかし、ガルバリウム鋼板と同じ金属材料ですが、表面に石粒をアクリルでコーティングしているので切断し難い、施工がやりにくいのです。ここがネックであまりやりやがらない屋根屋もいます。石粒付鋼板を知らない業者もいます。(断る意味で知らないと言っているかもしれませんが・・・)

しかし、それを逆手にとって、他の屋根屋がやらないのなら自社がやりましょうと、これを得意にしている提携屋根屋もいます。要は切断もやり方なのです。

 

石粒付鋼板/エコグラーニとディプロマット

石粒付鋼板の具体的な販売会社、製品銘を紹介すると:2020年10月現在

この業界は移り変わりも早くて、会社名、製品のOEM化など流動的です。最新の情報が知りたい場合は、下の名称がキーワードになると思いますので、Webにて調べて頂くか、お助け隊までお電話ください。知りうる限りお答えします。0120-58-1152:小形まで

  • ディートレーディング社/エコグラーニ、ディプロマット他
  • DECRA System/AHI社の製品ブランド、AHI社は買収され他の会社名に
  • Tilcor(ティルコア社、旧メトロタイル社)
  • 株式会社鶴弥/瓦製造会社がReCoRoof:石粒付鋼板を販売/転売品
  • 株式会社佐渡島/ストーンウェーブI型、II型、III型自社開発
  • LIXIL/T-ルーフのモデル3種類、3製品を取扱/海外製品の輸入販売

この中で提携屋根屋さんで良く契約を頂く製品は、ディートレーディング社のエコグラーニ、とディプロマットです。彼らはこの製品を得意としているので、宣伝も兼ねて紹介します。屋根の写真と価格(概算)をしたに掲載します。

ただしお助け隊は、ディートレーディング社から宣伝料、バックマージンまどは貰っていません。屋根屋さんは、何かしらの契約をしているかもしれません。だから安くなっている?かもしれません。

また、石粒付鋼板の噂として、石粒がポロポロ剥がれると聞いたことがあります。特に韓国で生産されたものに多いと。私はエコグラーニとディプロマットスターを実際に一般購入し、現物を見ていますし、現場も見ていますが、問題となるような剥げ、剥離はないと思います。

石粒付鋼板を検討されるなら是非、実際にサンプルを見てください。判断はお客様自ら行って頂きたいです。ガルバリウム鋼板も同じですが、屋根材のサンプルは見た方が良いです。ただなんとなく見るのではなく、見る、検査する箇所、見方を自分で持ってください。

石粒付鋼板なら、石粒の剥がれ具合、接着の様子。ガルバリウム鋼板なら色具合、塗装の様子、嵌合箇所の併せ目、折り方、断熱材の貼り方などです。

 

ジンカリウム鋼板・エコグラーニ

■エコグラーニ/ディートレーディング社(日本の法人)

ディプロマット・グラディエーション施工

■ディプロマット/ディートレーディング社(日本の法人)

 

参考:スレート材の廃材処理費用

 

まとめ

スレート屋根の葺き替えでは、スレートを撤去して別の屋根材を施工する撤去工法と重ね葺きのカバー工法とがあります。一般にカバー工法が低コストですが、具体的にどれだけ安くなるのか?その金額を考えて撤去にするか?カバー工法にするかを検討してください。見積を両方貰って価格的に検討してください。金額は非常に重要な検討項目です。

 

スレート屋根の葺き替え;撤去工法とカバー工法との費用の比較は以上です。

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