ガルバリウム屋根材各社の製品比較

ガルバリウム鋼板、SGL屋根材・各社の製品比較

ガルバリウム鋼板の比較タイトル

 

ガルバリウム鋼板・SGL屋根材・断熱材・塗装

千代田鋼鉄工業の屋材料 施工後の写真

良く工事契約を頂く新生ガルバリウム鋼板屋根材。主な屋根材を手に入れて、表面、断面の様子を報告いたします。また3年前から、夏に実施している断熱の試験の結果もリンクを張っておきましたので、ガルバリウム鋼板屋根材の選択の参考でなればと思います。ここで評価したのは、下の5製品です。千代田製鉄工業の製品は名前が不明ですが、近所のホームセンターにて購入したものですが、ガルバリウム鋼板はSGLではありません。断熱材もありません。基本的な製品です。材料価格は最も安いです。

<このページで解説した各ガルバリウム鋼板材料)>

①:MFシルキー:福泉工業製品(GL鋼板)

②:スーパーガルテクト:アイジー工業製品(SGL)

③:横暖ルーフαS:ニチハ製品(SGL)

④:スマートメタル:KMEW製品、保護シート(SGL)

⑤:チヨダGL:千代田鋼鉄工業製品、断熱材なし(GL鋼板)

注意: SGL:次世代ガルバリウム鋼板、GL鋼板(ガルバリウム鋼板)

ガルバリウム鋼板、各社のサンプル

全5社のガルバリウム鋼板屋根材:2019年6月18日

今、手元にあるガルバリウム鋼板屋根材は上の5製品です。実験のために購入したチヨダGL(千代田鋼鉄工業)は断熱材がありません。また実際の屋根材の長さは、3,600mmとか2,700mm、1,800mmの長さになっていて、サンプルとして、断面を写すのに短く切断しています。傷などや綺麗に切断できなかったものもあるので、そこはご容赦ください。

ひとつひとつ見ていきます。

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①MFシルキー:福泉工業製

福泉工業は、先行するニチハ、アイジー工業、KMEW、メタル建材(新日鉄住金系列会社)に遅れること1年、やっと新日鉄住金のSGLの採用となっています。2019年6月現在で、新世代ガルバリウム鋼板屋根材(SGL)では、最もコストの低い製品と思っています。今はこの製品がお勧めです。

福泉工業;MFシルキー

コストをお助け隊の相場感から言うと;

●各屋根材の本体施工価格

MFシルキー:材料費+施工費で;¥5,800/㎡(本体)

横暖ルーフαS:材料費+施工費で;¥6,500/㎡(本体)

スーパーガルテクト:材料費+施工費で;¥6,500/㎡(本体)

スマートメタル:材料費+施工費で;¥6,500/㎡(本体)

チヨダGL:材料費+施工費で;¥5,300/㎡程度(本体)

屋根工事は本体ばかりではなく、いろいろな部品、足場、下地、ルーフィングなどいろいろな工事があります。本体工事の相場感はお助け隊独自の調査であり、正確な金額は実際に見積りを取って比較してください。屋根屋によって価格はかなり違うはずです。お助け隊の提携屋根屋はおおよそこれらの費用になります。

 

MFシルキーの断面

新生ガルバリウム屋根材の各社の違いは;

a:断熱材の有無、性能

b:表面塗装の違い・・・耐用年数に関係

c: 表面などのデザイン、色

d:嵌合部の折り方・・・雨漏りに関係

e:材料の寸法、働き幅など

が、主な違いです。この中でお客様が一番気にされるのは、断熱材と塗装と思います。屋根の軽量化のために瓦から金属にする際、屋根が軽くなるのは良いが、夏、暑くならないか?雨音は大丈夫か?が一番気にされることと思います。また表面の塗装は耐用年数にかかわりますので、これも重要な要素です。

コストパフォーマンスに優れたMFシルキー

価格、断熱材、塗装の3つを比較して一番コストパフォーマンスが良いのは、2019年6月現在、MFシルキーと私は考えています。まだ知名度は低いですが、徐々に人気が出てくると思います。 MFシルキーの個別ページ

②スーパーガルテクト:アイジー工業製 

スーパーガルテクト裏の写真

ほんの数か月ですが、ニチハより早くSGLを採用した屋根材を販売したのはアイジー工業です。横暖ルーフαSと同じような硬質ウレタンをアルミで覆った構造で材料の強度は頑丈です。横暖ルーフαSと価格もほとんどかわりません。

断面の写真

違いは塗装で、専門的にはスーパーガルテクトの塗装は固くて傷がつきにくいと思っています。錐で表面をひっかくと横暖ルーフαSのほうが柔らかいと分かります。僅かな違いですが、スーパーガルテクトの方が塗装に傷が付きにくいです。

しかし、これはもろ刃の剣で塗膜が硬いとひび割れがし易いです。どちらが塗膜の寿命が長いか?誰も実験していないので不明ですが、この違いがあると思います。

あと、問題にするほどではないですが、断熱材の入れ方が丁寧です。スーパーガルテクトの写真右断面ですが、右端の嵌合部にも丁寧にきちっと断熱材が入っています。断熱性能は実験によると横暖ルーフαSもスーパーガルテクトも全く同じ性能ですが・・・>>> スーパーガルテクトの個別ページ

③横暖ルーフαS:株式会社 ニチハ 

横暖ルーフαS 表裏面

2017年にはいち早く新日鉄住金のSGLを屋根材に採用したメーカーのひとつです。断熱材は硬質ウレタンと思われます(メーカーの発表はありません)その断熱材をアルミのシートで封入していますので材料としての強度は頑丈です。

 

横暖ルーフαS 断面写真

問題の断熱性能は、横暖ルーフαSとスーパーガルテクトが同じくらい良くて、スマートメタルの断熱材はが言っているように保護シートで、断熱材の役割はほとんどないと言ってよいと思います。

詳しくは下の断熱材の項目を参照してほしいですが、どの製品も僅か10mm程度しか厚さがないので、実験データ的には違いが僅かありますが、実際に屋根に施工をしてこの違いを体感するのは、非常に困難と考えます。つまりはガルバリウム鋼板屋根材に付随している断熱材の効果は期待するほどではないということです。どれも夏は暑い。

因みに瓦やスレート材料は厚みがあるので、薄いガルバリウム鋼板より断熱性能が良いと思っていますが、良いようなイメージがありますが、測定してみると瓦もスレートもガルバリウム鋼板も似たり寄ったりなのです。ですから本格的に断熱を考えるのなら別のことを考える必要があります。

>>> 横暖ルーフαSの個別ページ

④スマートメタル:KMEW(ケミュー)製 

スマートメタル

KMEWは、旧松下電器産業の建材部門とクボタの建材部門が合併してできた会社で、両者はスレート屋根材のトップメーカーであり、ライバルでしたが、スレート材の健康問題で業績が悪化。ついにこの部門は合併して新会社になった経緯があります。このスレート屋根材の専門会社である「KMEW」です。

いままでスレート屋根材、外壁材でやってきましたが、結局金属の材料を始めることになったようです。それが「スマートメタル」です。

スマートメタル断面の写真

ですからあまり気合の入った製品になっていません。断熱材はないし、フッ素塗装のバージョンもないですし、価格で新風を起こす気もないようです。あまりやる気を感じない製品になっています。

実際に屋根屋の見積もりをとって価格で有利なら施工してもよいかな?程度の製品になってしまっているようです。・・・お助け隊のひとり言。

・・・ スマートメタルの個別ページ

⑤チヨダGL:千代田鋼鉄工業製

断熱材なしのガルバリウム鋼板:

このガルバリウム鋼板屋根材は、次世代のSGL、スーパーガルバリウム鋼板ではなく、普通のガルバリウムメッキ鋼板になります。ベツレヘムスチール社の実験では、耐用年数25年以上が実証されている優秀な屋根材です。

断熱材は、写真の通りありません。

千代田鋼鉄・ガルバリウム鋼板

表と裏側の写真ですが、塗装も違います。気になるのは一枚の材料に嵌合部分があることです。屋根材の合わせ目、嵌合部と言いますが雨漏りの観点からですとできるだけ嵌合部は少ない方が良いのは言うまでもないことです。雨漏りの遠因となる可能性が大きいからです。

 

千代田鋼鉄 断面図

ガルバリウム鋼板は1972年にベツレヘムスチール社が開発したメッキ鋼板で、2017年まで世界中で使われています。この鋼板はそのです。ここでは、新しいガルバリウム鋼板・SGLを紹介しますので、分かり易く区別するために、旧ガルバリウムと言うことにします。厚さは写真右で、公称値0.35mmです。

SGL、新世代ガルバリウム鋼板の断熱材

上の5製品で断熱材が標準、オプションで付加が可能な製品は;

MFシルキー、横暖ルーフαS、スーパーガルテクトの3製品で、スマートメタルはカタログにも裏打ち材、3mmと記載されているように断熱材とはしていません。断熱材としては全く効果がありません。

 

ではこの新世代ガルバリウム鋼板屋根材の断熱性能はいかほどかを実験しましたので、そのグラフをみながら解説をしたいと思います。それについて書いたページは;

>>> 屋根の断熱性能、屋根材ごとの断熱効果を検証

ガルバリウム鋼板屋根材、断熱材なしとある屋根材との比較グラフ:

 

断熱材のあるなしの違い

ちょっと目盛が読みにくいですが、ある条件の元での断熱BOX内の各ガルバリウム鋼板屋根材の断熱性能特性で、青いグラフが気温、黒色が断熱材あり(スーパーガルテクト)、緑が断熱材なしの屋根材(チヨダGL)グラフです。

 

確かに断熱材がない方が部屋の中の温度は高いです。午後2時ごろの気温が一番高くて33度、断熱材ありが43度、断熱材なしは48度です。これで断熱材としての効果が十分にあると言えるでしょうか?多分断熱材があってもなくても”暑い”と感じ、断熱材は充分な効果があったとは思えないのではありませんか?

 

ガルバリウム鋼板屋根材に付随している10mm程の断熱材はあった方がよいかな?ぐらいに思ってください。

 

ガルバリウム鋼板は瓦、スレートより断熱性能は良い!

つでに瓦、スレートと断熱材付きのガルバリウム鋼板との断熱性能比較です。下のグラフ参照。

夏の瓦屋根の断熱性能1

瓦の屋根の方が暑いのは明らかです。

 

コロニアルとガルバ温度比較グラフ

スレート屋根の方が暑いのも明らかです。データはガルバリウム鋼板が瓦、スレートより断熱性能は優れていると言っています。

しかし、この違いを人間が分かるか?というと、たぶん区別がつかないと思います。実験的に2つの自分の家があって、瓦葺きとガルバリウム鋼板屋根の家が隣にあって、ある暑い夏の日の最高気温の時間に2つの家に入って比較すれば分かるかもしれません。

でも、暑い盛りに瓦から断熱材付きのガルバリウム鋼板に葺き替えたとして以前の記憶と正確に比較することができるかと言えば難しい、気温、湿度、風は日によって違い全く同じ気象条件ではないからです。その程度の差であることを知って頂ければよいと思います。・・・瓦やスレートは思っている程涼しくないということです。

・・・ 横暖ルーフαS、スーパーガルテクト、MFシルキーの断熱材も少し違っていますが、その細かい違いについては、0120-58-1152まで

 

次世代ガルバリウム鋼板屋根の各社比較は以上です。

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