瓦・瓦屋根の修理費用/瓦工事の相場は二重構造?

瓦工事の費用/全国組織の瓦組合の価格表は高い!

ある全国組織の価格表では¥1,233,000 - 。ある地域の相場は¥843,000 - で工事が完了します。瓦葺き替え価格の相場は複数あるかもしれません。地域によってはこの価格表より低価格の場合があります。

瓦工事相場メインタイトル画像

瓦の全国組織の標準価格表:

瓦屋根の修理費用、交換する費用、相場はどのくらいなのか?なかなか難しい質問ですが、全国の瓦の販売組合である全瓦連(全日本瓦工事業連盟)に標準価格があります。下図が標準価格で修理の価格として載っています。瓦の工事価格の概算を言うときはこの価格を参考にしています。標準価格表拡大図全瓦連の下部組織である千葉県瓦の組合が発行した価格表です。公になっていますが全瓦連は公開していません。平成10年発行。少し専門的で解説が必要です。基本の施工価格を少し解説すると、瓦屋根の修理は時間で請求します、基本料金が、¥10,000で一時間あたり、¥6,000。瓦屋根平部(瓦屋根の本体)施工手間賃施工費が¥5,000/㎡となっています。 拡大図と解説

ルーフィング(ここでは下葺き材)が、¥650/㎡、桟木(瓦を固定する角材)が、¥1,000/㎡で、瓦の材料費は「定価」となっています。瓦一枚のお客様向け価格は、これもなかなか難しいですが、当然屋根屋は仕入れ値に儲けを載せてお客様価格とする訳です。この瓦一枚の価格は、今の時点では150円としておきます。100㎡の屋根には本体だけで約1,600枚の瓦が必要で、材料費(屋根屋の利潤込)は ¥240,000-です。

なので、100㎡の瓦本体工事では、下地材からいくと;

  • 下地材:¥2,000/㎡
  • ルーフィング(下葺き材):¥650/㎡
  • 桟木:¥1,000/㎡
  • 瓦の施工費用:¥5,000/㎡
  • 瓦の材料費:¥150/一枚(1㎡あたり、2,400/㎡)

・・・ よって上記工事の単価は:¥11,050/㎡、あと、足場や屋根の部品、役物があります。

おおよそ、瓦の本体(平部)の施工価格は、平米あたり1万円という屋根屋の言っている価格、相見積で時々見る価格と一致します。(この金額から大きく外れる見積も見ています)但しこの価格表は強制力はありません。組合員でさえ必ず守らなければいけない金額ではないでのです。

もし強制力があったら、個々の屋根屋は独立した会社ですので「独禁法」に抵触する可能性があります。これが理由ではないと思いますが、瓦の工事価格の目安にはなると思っています。

解説を続けますと、瓦の施工は本体ばかりではなく、棟、軒下、けらば、飾り棟、鬼瓦など多くの本体(平部瓦)以外の屋根部品があります。特に棟部分(屋根の頂点の瓦)は何段積むかで価格が大きく変化します。

9段、11段も高くすることもある瓦屋根の棟、この棟だけで300万円、400万円もするのです。昔の庄屋、豪族、本家など様々な理由で威厳の象徴として家の棟が立派にできているのです。東日本の震災のおりこの棟が多く倒壊し、沢山の相談がありました。「こんなに棟を積む必要があるのか?」お客様のほうからこの疑問があり、驚いたことがあります。

棟の意味などは先代から継承されていないようです。棟は単なる飾り、権威の印で、返って屋根が重くなり、耐震に対しては不利になります。でも今まで9段はあった棟瓦が1段になったら、それはのっぺらぼうでかっこ悪い?屋根になってしまうのは仕方のないことで、でも重い棟にしますか?ということなのです。

で価格表では、標準の棟が示されています。棟の撮り直し工事では「丸共3段」で¥10,000/mとあり、これは熨斗瓦2段と半丸の冠瓦で3段、丸共3段の施工です。これが30mあれば、棟だけで
¥300,000です。

さらに詳しくは、瓦の単価、瓦詳しい価格解説でお話します。

標準価格表からの瓦の交換工事の相場は?

では先程の標準価格表を使って瓦屋根工事の概算を出してみます。下のような具体的な瓦葺きの和風の住宅モデルを考えます。建坪(1階の床面積と同じ)が46.4㎡、屋根は切り妻形式、面積は約70㎡です。一階の下屋と二階の外壁との間には壁の取合という部分があります。

屋根面積70平米、瓦屋根
和瓦葺き、和風のモデル住宅
屋根面積:70㎡
建坪:14.0坪(46.4㎡)、二階建て、4LDK
既存屋根材:釉薬瓦
屋根形式:切り妻型 勾配:4.5寸
2階棟:7.27m
軒先長さ計:22.2m
けらばの長さ:14.1m
壁の取合:7.6m
工事項目金額・費用単価単位数量備考
税抜き工事計¥ 1,233,000概算の為千円未満四捨五入
内訳:
瓦撤去費用¥140,000¥2,00070本体、棟、軒先のすべての瓦撤去
廃材処理費用運搬込¥105,000¥1,50070価格表には運搬のことは記載なし
ルーフィング施工費用¥45,500¥65070普及品、ゴムアス
桟木施工費用¥70,000¥1,00070瓦固定の角材
瓦本体施工費用¥350,000¥5,00070施工費のみ
瓦の材料費¥168,000¥2,40070JIS規格、釉薬瓦 ¥150円/枚として
棟施工費用¥72,700¥10,0007.27丸共3段(熨斗瓦2段+冠瓦)
壁の取合部分施工¥34,200¥4,5007.6下屋と二階の壁との間
けらば施工¥49,350¥3,50014.1切り妻屋根の横部分
足場の費用¥140,000¥800175足場の設置&解体費用
屋根工事の小計¥1,174,750
諸経費(工事費の5%)¥58,738

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標準価格表は高いという屋根屋もいます/地域限定

お助け隊の提携屋根屋さんで、瓦工事の標準価格は高いそうです。その屋根屋さん、営業地域は茨城県の北部地域ですが、ここの瓦の施工はまた別の相場を形成するようです。まず瓦本体の(平部と呼ばれる箇所)の価格をみます。

瓦屋根本体の施工価格・瓦種別;材料費+施工費用

瓦の種類平米単価(¥/㎡)
銀黒(ぎんぐろ)燻製瓦の本体施工費用(材料込)¥ 4,200
日本瓦(和瓦J型)の工事価格¥ 4,200
平板瓦の工事価格¥ 4,600
陶器瓦(黒色)工事価格¥ 4,600
陶器瓦(釉薬瓦黒以外)の工事価格¥ 4,700
スペイン風瓦(素焼き瓦S型)工事価格¥ 4,800

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この本体価格でもう一度、瓦の交換工事の施工概算を計算し直すと;

工事項目金額・費用単価単位数量備考
税抜き工事計¥843,000概算の為千円未満四捨五入
内訳:
瓦撤去費用¥ 105,000¥1,50070本体、棟、軒先のすべての瓦撤去
廃材処理費用¥ 29,750¥ 8,500トン3.5トン

ルーフィング施工費用¥42,000¥60070普及品、ゴムアス
桟木施工費用¥59,500¥85070瓦固定の角材
瓦本体施工費用¥294,000¥4,20070材料費込
棟施工費用¥43,620¥6,0007.27丸共3段(熨斗瓦2段+冠瓦)
壁の取合部分施工¥34,200¥4,5007.6下屋と二階の壁との間
けらば施工¥54,720¥3,80014.4切り妻屋根の横部分
足場の費用¥140,000¥800175足場の設置&解体費用
屋根工事の小計¥802,790
諸経費(工事費の5%)¥40,140

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なんでこんなに違うのか?

標準価格表からの計算が、¥1,233,000-、対してこの提携屋根屋さんの価格は、¥843,000-と
¥390,000もの差額があります。しかしこの提携屋根屋さんの概算を見ると、儲けの殆どない見積項目もあります。例えば廃材処理費用などは、産業廃棄物処理業者へ持ち込んでの価格が提示されていますが、¥8,500/トンは調査しましたが、おおよそこの価格では原価です。この屋根屋さんは運送費を引くと殆ど原価で儲けを乗せていません。まあ他で賄っているとは思いますが。それでもこの価格差はすごいと思わざる負えません。

茨城県北部地域で瓦屋根を葺き替えることを計画しているお客様がいらしたら、ぜひ、お助け隊までお電話をして頂きたいと思います。多少の誤差はあるかもしれせんが、この価格で見積が出ます勿論工法はガイドライン工法です。@お助け隊:0120-58-1152まで

瓦のガイドライン工法

たまにある質問に「瓦の葺き替え工事」をやってもらったが、御社のページにあるガイドライン、耐震工法って必ずやってもらえる工事ですか?という相談・質問がありました。ガイドライン工法が瓦の標準工法だと後からしって心配になったのだそうです。その屋根屋に聞くのがてっとり早いので聞いたところ、ガイドラインではなく、引っ掛け桟のやり方でした。どうしようもないです。

ガイドライン工法が瓦修理、瓦工事の標準工法となってはいますが、必須ではないのです。ガイドライン工法、耐震工法は1995年、阪神淡路大震災の後制定されました。それから20年以上も経ったのに未だにこのようなことが発生します。

この屋根屋は良い屋根屋とは言えないですが、きちんと価格が安いのでガイドライン工法ではできません、手数がかからない引っ掛け桟でやりますと一言言う義務はあると思います。でもお客様側にも責任があります。屋根屋に任せる時代はとうの昔に過ぎてしまいました。屋根のことは分からないではもう済まない時代になったのです。

法律的には問題ありませんが、この屋根屋はお客をなめています。けして良い屋根屋ではないです。でもこちらも瓦屋根についても、基本的でかつ充分なお勉強をしないと、このような目に会うかもしれません。

きちんと仕事をしているとは言い難いです。こちらとしては「騙された」と思いますよね。気をつけたいです。ガイドライン工法、耐震工法については別紙をご覧ください。解説してあります。

このページは以上になります。

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