石粒付鋼板、ジンカリウムへ屋根葺き替え工事例集/瓦に匹敵の耐用年数50年!
耐用年数50年、現在金属屋根材で最も耐用年数の長いジンカリウム鋼板。(石粒付鋼板、自然石粒付鋼板の別名もあります) ガルバリウム鋼板の上に細かい石粒をコーティングした材料で、外壁材料にはあまり見ませんが、 屋根材には良く使われる製品です。この屋根材のメーカーの殆どは海外製ですが、実績はあまりないですが、日本の会社も頑張っています。屋根屋によってはガルバリウム鋼板との価格差も少なく、お買い得な屋根材となっています。お助け隊の屋根屋が価格の良さで契約を頂くエコグラーニとディプロマットの施工例をご紹介します。
石粒付鋼板についての解説
ジンカリウム鋼板、石粒付鋼板、自然石粒付鋼板どれも同じ製品で名前が確定していません。元々ジンカリウム鋼板とは、鋼板に亜鉛、アルミニウム、シリコンのメッキを施した製品で、ガルバ リウム鋼板の名前の方が有名ですが。製品としては、ガルバリウム鋼板とジンカリウム鋼板とは全く同じものです。しかし、ガルバリウム鋼板やジンカリウム鋼板の上に石粒をアクリルでコーティングした屋根材料をジンカリウム鋼板とも言っていますので、多少混乱しています。
両隣の屋根葺き替え契約を頂きました
ディーズトレーディング社のエコグラーニの葺き替え案件を、3件いただきました。お隣さんが新しい屋根材で葺き替えたので、お隣の方からも契約を頂いた現場です。下の4枚(2列)が最新の葺き替え写真で、色はグリーンになります。3件とも似たような屋根なのでおそらくは建売とおもいます。いずれも元はスレート材でこれにエコグラーニでの重ね葺きです(カバー工法)。
3件とも寄棟ですが、最後の1件だけ棟部分の板金もエコグラーニを使用しています。他の2件は、色が同じですが、石粒のないガルバリウム鋼板の棟板金での施工です。何故この違いがあるかは、価格です。エコグラーニか市販のガルバリウム鋼板の棟板金かを選べます。
手間は同じですが、材料費がガルバリウム鋼板の棟板金よりエコグラーニの棟板金の方が高いです。いくら高いのか?屋根屋によりますが、見積をとる際に聞いてみてください。
ガルバリウムの棟板金は長持ちしないのでは?と聞かれますが、棟は材料そのものの耐用年数よりは、棟の中にある芯材の雨による腐食でまず釘、ビスがやられて抜ける、浮くなどで板金が外れる、飛ばされるなどの事故があります。
材料自身はジンカリウム鋼板の鋼板の方が長いのですが、ここだけは、材料の耐用年数ではなく、構造による弱さがあります。ですから、割り切って安いガルバリウム鋼板でも問題ないと思われます。ここは50年も耐用年数がないです。見栄えを気にされるお客様は、同じ材料、材質のジンカリウム鋼板を選ばれます。
下の2件は隣近所のジンカリウム鋼板です。隣の屋根材料を見て、または同じスレート材の痛み方だったので、同じジンカリウム鋼板での施工になりました。隣の屋根屋は気になるようです。
同じ会社のディプロマットでの屋根葺き替え工事例です
上は棟板金も同じ材質、ディプロマットの棟板金を使用。屋根全体が同色になります。下の施工は、同じディプロマットでも棟板金をガルバリウム鋼板それも色を変えてコントラストを出しています。ディプロマットと同じ茶色にするか、違う色にするかで意匠、デザインが変わります。
ジンカリウム鋼板(石粒付化粧鋼板)の施工例、もろもろの様子です
左:エコグラーニの緑、棟は同じくエコグラーニの棟板金
右:ディプロマットのブラウンですが、棟板金はガルバリウム鋼板のブラックを用いています。
ディプロマットのブラック施工例
ここの棟はディプロマット同色の棟板金を使用。2階建てのスレート屋根をカバー工法で施工しています。勾配がゆるく危険度が低いので足場をかけずに工事をしました。勾配は2.5寸程度です。施工できるぎりぎりになります。
同施工の下り棟
違う現場で、緑ですが、エコグラーニの材料の写真。表面は石粒がありざらざらしていますし、材料も波型の材料になっています。
ジンカリウム鋼板とコロニアルの断熱性能比較実験
エコグラーニもディプロマットも断熱材がありませんが、スレート屋根のスレート材を撤去する工法を選んだお客様は夏の暑さを心配します。下はスレート材(KMEWのコロニアル)とディプロマットとの断熱性能を比較したものです。
実験BOX(1m X 1m X 1.3m)を作り、屋根材をコロニアル(KMEW製)とディプロマットをおのおの屋根にしてBOX内の温度を真夏の朝から夕方まで、5分間隔で測定したものです。予想はコロニアルがディプロマットの2倍の厚みがあり、コロニアルの方がBOX内の温度がかなり低くなると思われていましたが、結果は、ディプロマットの方が一日を通して低い温度となっています。
ディプロマットは薄い金属であり、断熱性能はほぼありません。しかし、コロニアルも同様に断熱性能はないことがこれで理解できると思います。スレート材を撤去してジンカリウム鋼板を施工する場合は、いままでの環境とほぼ同じ環境であることがわかりました。特にジンカリウム鋼板の部屋が非常に暑くなるわけではありませんでした。
また、コロニアル屋根にジンカリウム鋼板(ディプロマット、エコグラーニ)を被せれば、今までよりは多少夏は温度が下がることが期待できます。
参考: 断熱材付ガルバリウム鋼板 VS ディプロマット
では、断熱材がついているガルバリウム鋼板(横暖ルーフαS)とジンカリウム鋼板(ディプロマット)との断熱性能は違いがあるのか?をやはり実験で確認をしました。下のグラフです。
ディプロマット(断熱材はありません)と横暖ルーフαS(断熱材付)とのBOX内の温度はほとんど同じでした。気温に比べるとかなりの温度ですが、この両者の温度変化に大きな差はありません。
ジンカリウム鋼板については以上です。