屋根お役立ち

ガルバリウム鋼板と石粒付鋼板(ジンカリウム鋼板)ベストは?

新ガルバリウム鋼板、ガルバリウム鋼板、石粒付鋼板どれが良いのか?

屋根材の比較3つ

ガルバリウム鋼板の葺き替えで非常に多く頂く質問で、「ガルバリウム鋼板と石粒付鋼板とどちらが良いのか、どちらがお薦めか?その際のルーフィングはどれを選べばよいのか?仕様の違いなどを教えてほしい。」というのがあります。

このページでは、ガルバリウム鋼板、スーパーガルバリウム鋼板、石粒付鋼板の仕様、価格の違い、お勧めなどを理由、条件などを交えて解説いたします。

結論から言えば、石粒付鋼板、新ガルバリウム鋼板、ガルバリウム鋼板が松、竹、梅の順です。

ガルバリウム鋼板、新ガルバリウム鋼板、石粒付鋼板とは?

ここでは、ガルバリウム鋼板、スーパーガルバリウム鋼板、石粒付鋼板の違いについてです。まずこの3つについて製品を解説すると、

●ガルバリウム鋼板は;亜鉛+アルミ+シリコンの合金メッキ鋼板

●スーパーガルバリウム鋼板(SGL)ガルバリウム鋼板より性能が向上している鋼板

●石粒付鋼板は;ガルバリウム鋼板の上に細かい石粒(簡単に言うと砂)をコーティングした屋根材です。(ガルバリウム鋼板のことをジンカリウム鋼板と言っている屋根材メーカーもあり)

これらの3つについての考察です。

各屋根材の保証、耐用年数について

屋根を葺き替えるときに一番聞きたいことは「あと何年この家に住み続けますか?」です。それによってお勧めする屋根材が絞られます。死ぬまでできるだけ長く屋根を持たせたい、30年以上住み続けたいのであれば、耐用年数の一番長い石粒付鋼板;耐用年数は50年です。

いや、あと20年もすればこの家を売ってニュージーランドに移住する計画があるので、20年程度でよりなら、価格の一番手ごろな、ガルバリウム鋼板の安いもので十分です。

価格と耐用年数がほどほどバランスの良いものはどれですか?と聞かれれば、新ガルバリウム鋼板、スーパーガルテクトか横暖ルーフ・プレミアムSなどはいかがでしょうか?とお勧めします。

まとめると;

・石粒付鋼板の耐用年数;50年でこのなかでは一番施工価格が高い

・新ガルバリウム鋼板;穴あき保証;25年、耐用年数;30年以上(私見)

・ガルバリウム鋼板;耐用年数25年(ベツレヘムスチール社の実験で)

という耐用年数の順番です。では価格は?

 

ガルバリウム鋼板、石粒付鋼板の施工価格、費用相場

新ガルバリウム鋼板とは、日本製鉄のSGLもしくはJFEのJ-クラフトですが、これのフッ素塗装で¥7,000/㎡(本体のみの施工+材料費)、普通のポリエステル塗装もので、¥6,500/㎡、ガルバリウム鋼板では、断熱材のないもので安い材料を使っておよそ¥5,500/㎡程度になります。

これに対して石粒付鋼板は、お助け隊の提携業者では;¥7,000/㎡とフッ素塗装の新ガルバリウム鋼板と遜色ない費用で屋根の葺き替えが可能です。正し、石粒付鋼板は、本体以外の部品が少し割高になっています。

サンプルの家を使っての概算

建坪15坪、二階建て、屋根面積76.5㎡の屋根で概算を考察です

●石粒付鋼板での概算:¥ 1,168,000 - (税込み)

●新ガルバリウム鋼板での概算:¥ 1,089,000 - (税込み)

●ガルバリウム鋼板での概算:¥  936,100 - (税込み)

建坪15坪の家

石粒付鋼板(ディプロマット)での葺き替え価格・概算は;

葺き替え項目各部分工事金額数量単位単価備考欄
税抜き工事計¥ 1,062,000 -
概算により千円未満四捨五入
10%消費税込み合計¥ 1,168,200 -
内訳:
足場設置&解体費用¥ 153,600192¥ 800
ルーフィング施工費¥ 68,85076.5¥900NEWライナールーフィング想定
石粒付鋼板本体施工費¥ 535,50076.5¥6,500ディプロマット
本体以外の役物¥254,000一式
屋根工事の小計¥ 1,012,010
諸経費(工事費の5%)¥ 50,000

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新ガルバリウム鋼板(スーパーガルテクト)での葺き替え価格・概算は;

葺き替え項目各部分工事金額数量単位単価備考欄
税抜き工事計¥ 990,000
概算により千円未満四捨五入
10%消費税込み合計¥ 1,089,000 -
内訳:
足場設置&解体費用¥ 153,600192¥ 800
ルーフィング施工費¥ 68,85076.5¥900NEWライナールーフィング想定
ガルバリウム鋼板本体施工費¥ 497,25076.5¥6,500スーパーガルテクト
本体以外の役物¥224,250一式
屋根工事の小計¥ 943,950
諸経費(工事費の5%)¥ 47,000

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ガルバリウム鋼板(ヒランビー)での葺き替え価格・概算;

葺き替え項目各部分工事金額数量単位単価備考欄
税抜き工事計¥ 851,000 -
概算により千円未満四捨五入
10%消費税込み合計¥ 936,100 -
内訳:
足場設置&解体費用¥ 153,600192¥ 800
ルーフィング施工費¥ 45,90076.5¥600一般的なゴムアス
ガルバリウム鋼板本体施工費¥ 420,75076.5¥5,500ヒランビー
本体以外の役物¥191,100一式
屋根工事の小計¥ 811,350
諸経費(工事費の5%)¥ 40,000

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かなり悩ましい価格ではあります。でも耐用年数を考えると石粒付鋼板はかなりのお買い得です。では、デメリットは何か?

ガルバリウム鋼板のデメリット、石粒付鋼板のデメリット

ガルバリウム鋼板、石粒付鋼板とも良いところもあれば、当然不都合なところもあります。あまり屋根屋やWebで言われていませんが、ここでは正直にお知らせします。

まず、ガルバリウム鋼板、新ガルバリウム鋼板の気になるデメリットとしては、雨音でしょうか?たった0.35mmの薄い鋼板、トタンもほぼ同じ厚さなので、激しい台風、暴風時の雨音は結構しますので、二階を寝室にしている場合、音に過敏な方は夜、雨音で寝られないなど、不具合があります。

>>> 雨音の対処方法

また、軽い、薄いゆえに断熱効果はありません。しかし、スレートや瓦も同様に断熱性能はないので、瓦からガルバリウム鋼板、スレートからガルバリウム鋼板に変えたら夏暑くなってしまうのでは?とよく心配される方がいますが、あまり心配することもないと考えます。

それは、たしかにガルバリウム鋼板の厚さ;0.35mm、瓦の厚さ;約10mm、スレート5mmと厚さに違いがありますが、炎天下に一日さらされていれば同じように暑くなります。良く材料自体の温度変化をデータとして挙げているメーカーがありますが、実際に屋根に施工し、室内で温度を計測してはいないのです。

この実験をお助け隊でやってみました。

瓦とガルバリウム鋼板の断熱比較グラフ

釉薬瓦とガルバリウム鋼板(断熱材付の横暖ルーフαS)を施工後室内での温度計測です。時間は、午前8:45から夕方15:55までの半日間でのデータで、2019年8月の夏に取ったものです。最高気温は、13:15で33.2度でした。これを見てどう思いますか?

確かに瓦の方が室内温度が最高で2.5度ほど、横暖ルーフαSより低いです。このとき(例えば13:15で)気温:33.2度、横暖ルーフαS:38.4度、瓦:37度、瓦は横暖ルーフαSより1.4度低いです。決して瓦の方が涼しいとは思わない、同じように暑いです。1.4度の差など問題にならないと思います。

同様にスレートとガルバリウム鋼板:

スレートとガルバリウム鋼板の断熱効果比較

測定したのは2019年の8月ですが、曇りだったので気温が低く安定していません。

ここでは、スレートと断熱材付ガルバリウム鋼板との比較ですが、予想外にガルバリウム鋼板の温度が低くスレートより断熱性能は良好?でした。たった2度、3度の違いですが、スレートはガルバリウム鋼板よりわずかでも低くなると思っていました。スレートはKMEWのものをつかいましたが、横暖ルーフαSより断熱性能は劣っています(わずかですが・・・殆ど同じレベルです)

なので、スレートから横暖ルーフαSに屋根材を変えても夏の暑さは今までとほぼ同じか、ほんの少し良くなると言えます。

石粒付鋼板のデメリット:

石粒付鋼板の性能面でのデメリットは、メンテです。

石粒付鋼板はその組成を見ると、ガルバリウム鋼板(ジンカリウム鋼板)の上に細かい着色した石・砂をコーティングしたものです。ですから表面はざらざらで、雨はここで拡散されて音がしないわけなのですが、この石粒が10年とか20年後に剥げたときに、塗装ができません。石粒がなくなったら、専用の接着剤と石粒でここを補修しなければなりません。ガルバリウム鋼板は単なる塗装で済みますが、この手間が面倒と思います。

ではこの石粒がどのくらいもつのか?難しいですが、ディートレーディング社に聞いたところ、30年経過してもまだ地金(ガルバリウム鋼板自体)が見えない施工屋根もあると言っていましたので、20年以上はもつようです。

まあ20年から30年後に石粒が剥がれ始め、まだら状に石粒を失っていくのではないでしょうか?でも見栄えが悪くなりますが、石粒の下にガルバリウム鋼板があるわけで、これのメッキが無くなるまで更に20年以上かかるわけです。(ガルバリウム鋼板の耐用年数は25年以上)

ガルバリウム鋼板に比較してメンテが面倒というのは考慮することではないでしょうか?

石粒付鋼板の断熱性能は?

石粒付鋼板はガルバリウム鋼板の上に石粒をコーティングした材料ですので、断熱性能はガルバリウム鋼板とほとんど同じ断熱性能です。

断熱性能比較 横暖ルーフαS石粒付鋼板

石粒付鋼板はこの場合、ディートレーディング社のディプロマットを使いました。

 

まとめ

ガルバリウム鋼板、新ガルバリウム鋼板、石粒付鋼板の中でどれがお客様の屋根に一番適切か?という質問に対して考慮するべきことは;

●耐用年数、保証の長さ、何を保証しているか?ここは基本的にその家にどのくらい長く住むつもりなのか?が重要(不明な場合が多いですが・・・)

●価格、本体の価格もさることながら、本体以外の部品も良くみること

●機能、ガルバリウム鋼板は雨音がします。石粒付鋼板はかなりしない

●デメリットも考慮する。この場合はメンテ

価格 vs 耐用年数の性能から言えば、石粒付鋼板がダントツのお勧めです。新ガルバリウム鋼板も普通に良い選択と思います。あと10年程度で建て替えとか売るとかでしたら、なるべく価格を抑えてガルバリウム鋼板の安いものでも良いかと思っています。

 

以上です。

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