ガルバリウム屋根材各社の製品比較

横暖ルーフ・プレミアム/SGL、ニチハ株式会社

横暖ルーフαSタイトル画像

 

横暖ルーフ・プレミアム  by ニチハ株式会社

横暖ルーフαS施工写真

横暖ルーフ・プレミアムシリーズは次世代のメッキ鋼板;SGLを採用。

 2016年、新日鉄住金から新世代のメッキ鋼板は発売されました。SGL;「S」はSuper, Superior, Special,の「S」。「GL」は今までのガルバリウム鋼板のことです。このSGLをいち早く屋根材に採用したのが、ニチハであり、アイジー工業でした。

「横暖ルーフαS」の性能・仕様:

 ・穴あき保証: 25年(全横暖ルーフ)

 ・赤さび保証: 20年(全横暖ルーフ)

 ・塗膜保証:  

   20年(αプレミアムS、プレミアムS)、15年(αS、S)

「横暖ルーフ」という名称は、以前のチューオーの商標でしたが、ニチハがチューオーを買収し、その商品の名前を使っています。センタールーフもニチハの屋根材のブランド名です。新横暖ルーフは全4種類(2019年、夏現在)

横暖ルーフα・プレミアムS:

  基板:SGL、塗装:フッ素塗装で、穴あき保証25年、塗膜保証:20年

横暖ルーフ・プレミアムS:

  基板:SGL、塗装:フッ素塗装で、穴あき保証25年、塗膜保証:20年

横暖ルーフαS:

  基板:ガルバリウム鋼板、塗装:ポリエステル塗装、穴あき保証25年、塗膜保証:15年

横暖ルーフS:

  基板:ガルバリウム鋼板、塗装:ポリエステル塗装、穴あき保証25年、塗膜保証:15年

「α」は屋根材の嵌合部を改良したモデル、「S」は日鉄鋼板(旧新日鉄住金)が開発した次世代ガルバリウム鋼板;SGLの「S」という説明でしたがどうやらそうではなく、高耐久性の意味らしいです。(あまり意味があるとは思えない?)プレミアム版はフッ素塗装のモデルで日鉄鋼板(日本製鉄グループ)のSGLでより高耐久性があります。2020年1月カタログ再調査済、この会社は以前2019年秋のWebカタログでは、S、αSの塗装は具体的な塗料の記述がありませんでした。

 

differfromother

横暖ルーフSの他の新ガルバリウム鋼板との違い

日鉄鋼板のSGLを採用した屋根材は、横暖ルーフ・プレミアムの他に、アイジー工業のスーパーガルテクト、メタル建材のエテルナ、リファーナ、KMEWのスマートメタルがあります。(2019年夏)基板のガルバリウム鋼板は各社同じなので、性能の差はありません。屋根材としての仕上げ、塗装、嵌合部分、大きさ、価格での差別化になります。横暖ルーフαSの特徴としては;

・塗装が2種あって、フッ素塗装のものは塗膜の保証が20年と長い

・表面にはあまり模様が無く比較的ツルツルな仕上げで、埃、塵などが滞留し難い仕上げです。

・表面の塗装は柔らかめの塗料を使っているようですので、傷が付き易いですが、塗膜の割れ、塗膜のヒビなどは発生し難いです。しかし、その分ひっかき傷が、スーパーガルテクトに比べると付き易いと思います。

同じSGLを使っている屋根材では、色、デザイン、塗装の違い、嵌合部の加工、価格の違いで差別化を各社していますが、SGLの基本性能はどれもいっしょです。

SGLの基本性能:日鉄鋼板株式会社

SGLは、従来のガルバリウム鋼板、言い換えるとガルガリウムメッキを改変、改良し、新しいメッキ鋼板を開発しました。これが「SGL」Super GalvaLumeです。「S」は、Super, Superior, Specialの「S」で、スーパーガルガリウム鋼板、特別ガルガリウム鋼板、 スーパー鋼板などと言われています。

また、メーカーである日鉄住金鋼板は、親会社の改名により日鉄鋼板となっています。親会社の現在(2019年4月改名)の正式名称は、日本製鉄株式会社です。

日鉄鋼板株式会社は、日本製鉄の関連会社になります。

従来のガルバリウム鋼板との違い

ガルガリウム鋼板(Galvalume)は、亜鉛:43.4%、アルミニウム:55%、シリコン:1.6%の合金メッキです。日鉄鋼板は長年この性能を超えるメッキ技術を研究し、Mg(マグネシウム)を2%添加すると、腐食が進まないことを突き止めました。この新しいガルガリウムメッキは、穴あき保証:25年という高対候性を実現しています。従来のガルバリウム鋼板の保証は精々10年程度でした。

(保証ではないですが、ガルバリウム鋼板の実験的な耐用年数は25年程度と言われています。ベツレヘムスチール社の防爆実験)

更に詳しいSGLの解説

横暖ルーフ・プレミアムの施工価格相場

旧来の横暖ルーフとそんなに施工価格は変わりません。本体での価格しかここでは言えませんが、おおよそ平部、本体の材料と施工費用で¥6,500/㎡程度です。(標準の横暖ルーフSでの相場)フッ素塗装でもそれより1割~2割程度高くなるだけです。具体的な屋根全体では見積を依頼してください。

横暖ルーフ・プレミアムのメリット、デメリット

横暖ルーフ・プレミアムのメリットは何といっても新開発、新日鉄住金のSGLを採用した高耐久材料であり信頼があります。断熱材も全てのモデルで標準でついています。断熱材の硬質ウレタンをアルミシートで包んでおり、ガルバリウム鋼板の折り曲げの工夫で剛性も高いです。表面の塗装は2種類あり、標準塗装であるアクリル樹脂塗装(と思われます。カタログに記述がありません)、少し価格の高いフッ素塗装のモデルがあります。

 デメリットは、ガルバリウム鋼板であるがゆえ、瓦やアスファルトシングルからガルバリウム鋼板へ変更した際には雨音が大きくなるかもしれません。特に2階にガルバリウム鋼板を施工して、夜に大雨が降った場合は雨音で眠れない場合もあるかもしれません。雨音に対する比較は別途測定してみましたので、そのページを参照してください。私の測定では、横暖ルーフ・プレミアムはスレートと同程度の雨音レベルと考えています。>>>横暖ルーフαSの雨音特性

 

横暖ルーフの塗装

横暖ルーフαSの塗装グレードは2つ、ポリエステル樹脂塗装とフッ素樹脂塗装です。それぞれの耐用年数は前述の通りですが、表面の塗膜の様子を同じSGLを使ったスーパーガルテクトと比較すると、塗装は柔らかめです。固めの塗装はスーパーガルテクト。サンプルを両方錐などで傷をつけると少し理解できるかもしれません。スーパーガルテクトの方が少し塗膜が固く傷が付きにくい感じ、感覚があります。トタンもそうですが、塗装さえ剥げなければ、ガルバリウム鋼板は、永久に錆びることなく、穴があきません。

 ただし、裏側の再塗装できないので、永遠と言うわけにはいきません。ガルバリウム鋼板は、メッキ層が見えるほど塗装が無くなったら再塗装でも全く問題ありません。この塗装の耐用年数と屋根材の耐用年数とは違うということです。

横暖ルーフの断熱性能

 よく瓦から金属材料にしたとき、屋根が熱くなりませんか?部屋が暑くなりませんか?と聞かれます。実際はどうなのか?測定の小屋を作って実験、測定してみました。

>>> 断熱性能測定

 結果から言うと瓦と横暖ルーフαSとは、そんなに部屋の温度は変わりませんでした。瓦は厚みがあって熱を多少防いでくれて、涼しイメージがありますが、実は瓦はお茶碗と同じ粘土を焼いた陶器と同じ断熱性はありません。もし瓦屋根の方が温度が低くなるとすると、それは瓦の材料自体によるものではなく、下地材との隙間がほんの少しある為に空気の層ができて、部屋の温度を下げる効果があると考えられます。

 実験では、同じか横暖ルーフαSの方が温度は少し低いと出ました。ですから、瓦から横暖ルーフαSに変えても断熱性能で特に心配するようなことにはならないと思っています。

横暖ルーフのまとめ

 ・日本製鉄の新ガルバリウム鋼板、SGLをプレミアム版に採用し長寿命

 ・塗装はフッ素塗装のモデルもあって塗装をも含めた高対候性

 ・ライバルのスーパーガルテクトとほぼ同等の断熱性能、雨音性能

 

以上です。

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