ルーフィングの費用、施工価格/屋根にとって重要な要素
ルーフィングの施工費用は規格ごとメーカーごとに価格が違います
ルーフィングの施工費用、製品の価格に1製品を除いて極端に費用の違いはありません。またルーフィングの費用自身、瓦、スレート材、ガルバリウム鋼板のような高価な屋根材ではありません。平米あたり100円の違いは、100㎡の屋根の施工で、¥10,000の違いでしかありません。
ルーフィングにの規格には大きく2つあり、JISA6005規格(日本工業規格)とARK-04(ルーフィング工業会)の2つあります。それぞれのおおよその施工価格(お客様価格、材料費+施工費)は次のようです。表示は㎡単位、100㎡で、¥50,000~¥100,000です。
- JIS A6005規格アスファルトルーフィング費用:¥ 500/㎡~¥600/㎡
- ARK-04 改質アスファルトルーフィング費用:¥ 600/㎡~¥800/㎡
- カタログに耐用年数30年とある:NEWライナールーフィング:¥ 800/㎡~¥1,000/㎡
ルーフィングの屋根工事全体に対する価格比
屋根の葺き替え工事では、ルーフィング、下地材(コンパネ)、仕上材などの屋根材を使いますが、単価の安いルーフィングは、その価格の低さからあまり良く検討されないのが常です。工事全体ではどのくらいの金額を占めるのか?シミュレーションしてみます。
上の屋根は勾配5寸で、面積99㎡、スレート葺きです。これを撤去して、流行りのガルバリウム鋼板へ葺き替えてみる費用を算出してみます。棟、軒先、谷部は屋根伏図の通りです。各寸法を使って、屋根の部品も施工費用を出してみます。
葺き替え項目 | 金額 | 単価 | 数量 | 単位 |
---|---|---|---|---|
ルーフィング施工費 | ¥ 89,100 | ¥900 | 99 | 平米 |
スレート材撤去費用 | ¥178,200 | ¥1,800 | 99 | 平米 |
廃材処理費用 | ¥148,500 | ¥1,500 | 99 | 平米 |
ガルバリウム鋼板 本体施工費 | ¥ 643,500 | ¥6,500 | 99 | 平米 |
棟部分施工費用 | ¥ 103,110 | ¥3,000 | 34.37 | m |
軒先水きり部分 | ¥ 60,000 | ¥1,500 | 40,0 | m |
けらば部分雨抑え | ¥ 0 | ¥2,500 | 0 | m |
壁の取合部分雨抑え | ¥ 0 | ¥3,500 | 0 | m |
谷部分 | ¥ 33,400 | ¥4,000 | 8.35 | m |
足場設置&解体費用 | ¥ 200,000 | ¥800 | 250 | 平米 |
屋根工事の小計 | ¥ 1,455,810 | - | - | - |
諸経費(工事費の5%) | ¥ 72,791 | - | - | - |
税抜き合計 (千円未満四捨五入) 概算のため | ¥ 1,528,000 | - | - | - |
屋根の重要な機能のルーフィングが工事全体の6%の金額比
値段が全てではありませんが、雨漏りを事実上防いでいる重要なルーフィングは、約9万円で工事全体のおおよそ6%の価格比です。ですから安いゴムアス(¥600/㎡)よりは、耐用年数が10年以上長い製品を使った方がコスト対パーフォーマンスの観点で非常に有利になります。30年以上の耐用年数を持つ製品の価格は、¥9000/㎡程度なので、差額¥300/㎡、このサンプルの家では、¥30,000の差額でしかありません。
お客様、屋根屋さんも仕上材に目が行きがちですが、もう少しルーフィングに関心を持ってもらいたいです。ルーフィングを二枚重ねてもGOODと思います。普通のゴムアスと30年以上の高耐候性のものを組み合わせると、30年以上の耐用年数が期待できます。(保証ではありませんが・・・)
・安いゴムアスのみを使ったサンプル屋根の工事費用税抜き合計:¥ 1,498,000 -
・30年以上の高耐候性のみの工事工事費用税抜き合計:¥ 1,528,000 -
・二枚重ねの工事工事費用税抜き合計:¥ 1,587,000 -
安い製品の為重要視されないルーフィング
以前から、ルーフィングは施工必須の材料でしたが、その価格の低さから存在感があまりなかったと思っています。お客様からもルーフィングって何ですか?どうしてルーフィングを施工するのですか?と質問があるくらい知られていない製品でした。
それ故、メーカーも耐用年数にそれほど一生懸命になっていなかったと思います。日本には、9社ほど一般住宅用のルーフィングを販売する会社がありますが、その製品のカタログには耐用年数の記述がありません。JIS規格とARKの業界規格を載せているのがせいぜいです。耐候性促進試験のデータを載せているのは極僅かの製品です。価格が安いからではないでしょうか?
保証ではありませんが耐用年数を謳っている製品は、田島ルーフィングのNEWライナールーフィングとマスタールーフィングぐらいです。マスタールーフィングは60年の耐用年数があるとカタログに書いてあります。ただしマスタールーフィングの価格はお客様価格で、施工費用を含めて¥5,000/㎡~¥6,000/㎡もしますので、ちょっと一般住宅では手が出ないです。NEWライナールーフィングでは、¥900/㎡程度ですので、こちらをお助け隊では勧めています。
工事全体の金額からすればたいしたことないルーフィングですが、大事な部材です。
ルーフィングの規格:JIS規格品とARK規格品
工事見積をにたとき、ルーフィングの項目では;
防水材とか、ルーフィング、ゴムアス、、JIS A6005 規格ルーフィング、ARK04規格ルーフィング、下葺き材料などいろいろな書き方をしますが、統一されていないので、わからなくなります。これらは全てルーフィングのことです。
ルーフィング、防水材、下葺き材は、アスファルトルーフィングの一般名、略語で、ゴムアスは、ゴムアスファルトルーフィングのことで、正式には、「改質ゴムアスファルトルーフィング」と言います。アスファルトルーフィングは、2つ規格があって、JIS規格とルーフィング工業会独自の規格、ARK-04があります。
JIS A6005は、古い規格で、止水試験がありません。ARK-04規格では、JIS規格は古いということで、業界団体が設けた新しい、止水試験のデータがある、規格です。主にARK-04規格に準拠したものがおおまかに言って、ゴムアス(ゴムアスファルトルーフィング)です。
業者の中には、ゴムアスが新しい製品で、最新式のものであると言っている者もありますが、ゴムアスは普通の改質アスファルトルーフィングの一部です。決して耐用年数が通常品より優れている訳ではありません。2019年2月現在で、耐用年数60年と謳っている製品は、田島ルーフィングのマスタールーフィングですが、ゴムアスではありません。アスファルトルーフィングとは違う製品です。
ゴムアスで、耐用年数が30年以上とカタログに謳っているのは、NEWライナールーフィングで、やはり田島ルーフィングの製品になります。
カタログに耐用年数の記載があるアスファルトルーフィング:
- マスタールーフィング:耐用年数 60年
- Newライナールーフィング:耐用年数 30年:単価¥900/㎡
- 世界でも類を見ない超長期寿命、60年の耐用年数:
マスタールーフィング:¥ 4,000/㎡~¥6,000/㎡
■EX-P プラチナルーフィング/田島ルーフィング株式会社 耐用年数の記述はありませんが、アスファルトルーフィング、P-シリーズ最高峰の製品で、JIS規格、ARK-04規格以上の性能を持った自信作です。
ルーフィングの価格は以上です。