屋根の相談・質問集

2年間結露に悩んでいます/結露の家は欠陥住宅か?

対策は1:通気をする。その為の換気口等

結露・カビの相談/カビの原因は高温&多湿

結露の同じような相談はここ2,3年で徐々に増えつつあります。年に5,6件あります。本質的には屋根工事だけの問題ではなく家を建てた建築業者の責任と考えますが・・・

川越市のお客様から相談を受けた事例です:結露

「去年から結露に悩まされています。5年前に新築・施工してもらった建築会社に相談したところ、多少はどの家にも結露はあり大したことではない、結露は保証に入っていないので、放置して乾燥するのを待ってください。とのことで何ら対策もしてもらえません。

3件のリフォーム業者にも相談しましたが、換気ととるのに大規模な工事を行うほどではない、どうしてもと言うなら換気棟を作る方法があるが後付けは施工費用がかかり薦め ないと言われました。

野地板を交換するべきなのか?防カビの施工をするべきなのか?または屋根の葺き替えが良いのか?相談したくメールいたしました。」

「カビ」の発生原因は?/放置厳禁の結露

 カビが繁殖、生息する条件とは;

1:空気があること(酸素が必要)

2:食料である有機物(木材、食品、ホコリなどの有機物)

3:適度な温度:20~45度がカビにとって適している温度

4:水分、湿気、湿度80%以上が好まれる

このうちどれかが無くなれば、または条件を悪くするとカビの発生、増殖を防げます。屋根の中にカビが繁殖しているとすると、この4つの条件があると言えます。

空気完全に遮断することは、空気中に無数にいるカビの胞子を入れないことですから、密閉のところではカビは繁殖できません。しかし、この環境をつくるのは住宅ではまずできないです。食料である木材を無くすことも、もともと木造住宅なのですから、これもできません。たとえ金属にしても、カビは空気中のチリも大好物なので、金属表面に塵が付着し、それを栄養として金属表面にカビは繁殖します。

カビが死滅する温度は、おおかた60度と言われています。しかし、実際に屋根の裏側、小屋裏の温度を測定すると、金属の屋根材でも45~50度前後にしかなりません。「全て」のカビ菌を死滅させる温度は120度以上の環境が必要ですが、屋根裏をこの温度にするにはかなり困難です。

最後に残ったのが湿度、乾いた、水のない環境ではカビは繁殖できません。ですから、この湿度をコントロールすることによってカビの繁殖を防ぐことが可能になるのです。ではどうやるのか?

屋根の木材に結露するということは屋根裏の湿度が高いから

屋根裏、屋根と天井との間を屋根裏とか小屋裏とか言いますが、ここの湿度を下げる、高温で湿気の多い空気を屋根裏から追い出す、または侵入させないことで実現します。

その為に、換気口があります。冬、部屋・特にリビング、台所で暖房などの温かい、湿った空気が天井から屋根裏へ行きます。屋根は外気と近い温度なので、屋根の裏側で湿った空気が触れて水滴になります。これが結露です。

「カビ」の発生原因である、空気、食べ物、温度、水の条件が揃う現象です。

屋根裏は湿度を下げる、風通しを良くする為に換気が必要です。

 この換気を実行するのが、換気口、換気棟です。ケラバ側の壁に換気口、軒先の軒天に換気をする部品があります。写真のようなものです。

ケラバに設置された換気口

屋根の形状が「切妻」なら非常に良く見られる換気口です。ここから湿気のある空気を逃がします。

 

 

軒天に換気孔

瓦屋根のこれも良く見る換気システム

 

 

換気くん

瓦屋根専用の棟換気部品:冠瓦の下に雨を防ぎ換気をする仕組みがあります。

瓦屋根の換気は、上の壁に作る換気口が良く使われますが、棟部分の換気棟はいろいろなものがありこれはその一例になります。

 

ジンカリウムの換気棟

ジンカリウム屋根に施工された換気棟:

他にも様々な換気部品があり、部品によって屋根屋がやったり、大工がやったりします。

 

対策2:湿った暖気を屋根裏に入れないこと

天井断熱の仕組み:

結露の原因としては部屋から天井、屋根に上がってくる湿度の高い暖気です。この暖気を屋根裏に入れないようにすれば結露は発生しません。そして水を遮断することで、「カビ」の対策になります。

天井断熱、結露の防止

暖気を逃がすには、換気が必要ですが、元々この暖気を屋根裏にいれないようにすれば、結露、カビは発生しない理屈です。

断熱材を天井に施工することにより、屋根自体を断熱するより効率の良い暖気ができます。なぜなら上の図をみればわかるように、屋根を断熱する方法より天井断熱は部屋だけの断熱なので断熱する容積がかなり減ることによって断熱効果を効率的にできることになります。

そして、ここでの断熱は部屋の空気、とりわけ冬の湿った暖気を部屋だけに留まらせて屋根裏に暖気を行かせない効果があり結露防止として効果があります。

 問題はこの断熱材です。天井下で発生する高温、多湿の空気は水蒸気を含む空気です。水蒸気は非常に小さく、細菌ほどの大きさなので断熱材の隙間から簡単ン抜けてしまいます。この断熱材の材料、施工のやり方が重要で、お助け隊ではセルロースファイバーをお勧めしています。

セルロースファイバー01

上の写真がセルロースファイバーを天井裏に施工したものです。200mm程度降り積もらせるようなイメージです。通常天井裏には、袋詰めされたグラスファイバーなどを敷き詰めますが、グラスファイバーは湿気を吸収しないばかりか、袋との隙間を埋めるのが難しく、簡単に暖気が屋根裏まで来てしまいます。

 この点セルロースファイバーは綿状の材料なので、どんな個所にも隙間なく施工が可能になっています。しかも200mmもの厚さで、材料自体に吸湿作用があり、屋根裏に暖気が漏れるのを極力防いでくれます。優れた断熱材です。

グラスファイバーは石英を原料としていますので、材料自体に吸湿作用は全くありあせんし、湿気は袋を通り抜けてグラスファイバー自体で水滴になり、袋の中でびしょびしょになるという現象が時折発生し、断熱材自体に結露が発生するということが報告されています。

 セルロースファイバーの原料は新聞紙です。新聞紙を細かく加工し、ホウ酸を添付し燃えにくくしています。新聞紙の原料は木材で木材は細かく加工されていてもその繊維はのこり、この繊維質が吸湿作用をしています。断熱材、吸湿材料として優秀な材料です。デメリットは高い、リフォームしたときにその処理に手間がかかるなどです。しかし、それを考えてもあまりある材料ではあります。

断熱材の製品ですが、天井裏に隙間なく施工することにより、結露対策にもなるという一石二鳥の材料となっています。

セルロースファイバー綿状

 

まとめ

 結露はカビを繁殖させ、長い期間放置すると、木材の腐食を招き、家の重要な基幹部分を崩壊させます。少しのカビがあったら、結露を疑い、それを防ぐ対策を施すのが必須になります。

 

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