屋根工事の方法、工法

石粒付鋼板の夏に断熱効果が大きい通気工法工事例

石粒付鋼板&通気工法・ガルバリウム鋼板の欠点を補った組み合わせ

この施工例はコロニアルの葺き替え案件でしたが、夏の暑さ対策、雨音対策、そしてなるべく長持ちの屋根にしたいという要望で、ベストの屋根材と工法を提案しました。そして5社ほど相見積をとり、お助け隊の提携会社が契約になった工事です。場所は神奈川県です。

石粒付鋼板&通気工法写真

コロニアルの葺き替えでは、ガルバリウム鋼板が一般的ですが、要望によっては別の屋根材がお薦めの場合があります。価格ももちろん重要です。価格から行くのか?屋根材の機能、性能からいくのか?お客様によって様々ですが、今回は仕様決めが先行した案件です。お客様の心配は;

1:軽い屋根材が良いが、夏暑いので、その対策をして欲しい

2:二階は寝室、寝ている間に雨音で目がさめることがあるのでそのことも考慮したい。

3:費用を考えてなるべく安いカバー工法で見積をお願いしたい。

とこんなご要求がありますした。予算は特におっしゃいませんでしたが、この3つを実現するべく屋根材と工法の提案をしました。ガルバリウム鋼板でのカバー工法は良く知られていますが、雨音のことはここから心配されたと考えています。これはガルバリウム鋼板の特性上しかたないので、雨音のしない軽量な屋根材;石粒付鋼板の提案、そして断熱の対策として費用対効果の高い通気工法の提案をしました。おのおのの実験値を示してお客様のご意見を伺いました。

通気工法の断熱性能、雨音特性

屋根の断熱は通常屋根材自体に持たせるか?仕上材の下に断熱材を施工するかになります。ガルバリウム鋼板屋根材のひとつである、横暖ルーフαS、スーパーガルテクトには10mmほどの断熱材が標準でついています。この断熱材は効果はあるにはありますが、気休め程度で本格的なものではありません。そこで、良くやる工法は、仕上材と下地材との間に通気層を設けてここに自然換気を施せば、かなりの温度の低下が期待できます。また遮音効果もありで2つの機能が実現できます。ガルバリウム鋼板での実験です。通気工法とガルバリウム鋼板での断熱性能と雨音特性です。

断熱性能実験:

通気工法の断熱性能

断熱性能の比較です。黒のグラフは、ガルバリウム鋼板である「ガルテクト」:アイジー工業のスーパーガルテクトの施工屋根の内部の温度変化、緑のグラフは、下地材+桟木+2枚めの下地材、ルーフィング、横暖ルーフαSでの測定、青のグラフは気温です。2つの実験屋根を使って同時に同じ日に測定をしました。(横暖ルーフαSとスーパーガルテクトは断熱性能は同じです。これも実験で検証済)

同じガルバリウム鋼板での通気工法とそうでないものの断熱性能は一目瞭然で、通気工法が断然断熱性能が上になっています。屋根の規模が実験設備ですから小さなもので、実際の屋根での効果は違うものになるかもしれませんが、それでも通気工法の効果を否定できないと思います。

雨音、遮音性能実験:

ルーフィング+横暖ルーフαSの雨音:

実験BOX(1m X 1m X 1.3m)の上に下地材、ルーフィング、横暖ルーフαSを実際に施工し、雨音を内部で測定したデータです。ここで再生の音レベルは調整せず、PC、スマホのレベルでおとを調整してください。比較するときはその調整を同じにして音を聞いてください。

通気工法の雨音、仕上材は横暖ルーフαS:

下地材、桟木、2枚めの下地材、ルーフィング、横暖ルーフαSの施工です。下地材と下地材との間は約35mmの空気層ができ、音に対してもこの空気層は遮音の効果があります。

重要な耐用年数:

実験ではガルバリウム鋼板を使いましたが、最新のSGL(スーパーガルバリウム鋼板)は、2018年夏現在、5社が屋根材に使っています。ニチハの横暖ルーフαS、アイジー工業のスーパーガルテクト、メタル建材のエテルナ、リファーナ他、KMEWのスマートメタル、福泉工業のMFシルキー、eFルーフなどがあります。

これらは、全て日鉄住金鋼板の新ガルバリウム鋼板であるSGLを原盤にした次世代の鋼板になります。穴あき保証25年、耐用年数はメーカーが明らかにしていませんが、30年以上はあると考えるのが常識です。

お客様はこれ以上の耐用年数を望んでおられました。そこで、提案したのが、石粒付鋼板で、ジンカリウム鋼板、石粒付化粧鋼板ともいいますが、これは耐用年数が50年で瓦に肉薄する長さです。これを気にいられて仕上材は石粒付鋼板(エコグラーニ)工法は通気工法で仕様を固めました。

石粒付鋼板、施工の様子写真:

エコグラーニ棟部分から

下り棟部分

エコグラーニ谷、本体北

エコグラーニ角度を変えて

谷の部分

通気、換気棟&軒先の吸気口

通気工法での特徴、棟の換気部品(換気棟)、新しい空気を取り入れる為の軒先換気部品(写真右)

通気工法の仕組み:

通気工法解説図1

1枚目の下地材は既存のものを使用。空気層を設けるために、約35mmの角材を施工し、その上に2枚目の下地材(コンパネ)を施工、ルーフィング、石粒付鋼板本体の施工工程になります。横からの断面を見ると、下の図のようです。遮熱シートを加える場合もあります。この案件ではなし。

通気工法解説図2

エコグラーニの写真

エコグラーニ材料

エコグラーニは、ジンカリウム鋼板(ここではガルバリウム鋼板と同じ鋼板のこと)に石粒をコーティングした屋根材で、これだけでも雨粒を拡散させ雨音を軽減してくれます。更に意匠的に屋根材に波の形に加工してあります。

 

以上になります。

 

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