屋根の耐用年数を決めるものとは?

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耐用年数とは2つ/機能を失ったときが耐用年数

屋根は雨を防ぐ、雨漏りから家を守るものと思われていますが、屋根のもう一つの重要な機能、役割が、家の外観を作ること、家そのものの場合もあります。家の意匠を決め、デザインを決めます。当然外からみて美しく見栄えも重要な家の、屋根の機能です。下の写真の瓦の家は屋根そのものが家であることを実感させてくれます。

瓦、屋根、家全体の様子

 

屋根の機能、役割は2つあります。

A:家の意匠、家のデザインを決めている機能/美観の機能
B:家を雨風から、雨漏りから守る機能

この2つの機能に各々耐用年数があるはずです。A:の美観の耐用年数は、主に一番上にある仕上げ材の寿命、耐用年数、美観を著しく損ねた場合は耐用年数です。B:は雨漏りがしてきて部分修理では対処しきれなくなったときが耐用年数、寿命と考えられます。

屋根のメンテを考えるとき、この2つを混同しないようにしたいです。つまり屋根の葺き替えを考えるときに、美しさを保ちたいのか?雨漏りがしている、または雨漏りが心配で葺き替える、とは別の目的です。ここを混同させ、無駄な修理を薦める屋根屋がいます。巧みな営業、お薦めに誘導されないように!

「スレート屋根が相当傷んでいます、割れ、欠け、ヒビが何箇所かありますので、葺き替えられたらいかがでしょうか、近い将来雨漏りの可能性大です。今ならお得に葺き替えができます。

・・・業者の常套句です。お金に余裕があれば雨漏りの予防、美観の回復の為に葺き替えをやっても良いですが、美観を気にしない、直ぐに雨漏りにはならないので気にしないのなら、今葺き替えの必要はないです。雨漏りが発生してからでも対処は遅くはありません。でも雨漏りが発生したら放置は厳禁。直ぐに修理です。

美観に関してはかなり主観的です。ご自分で屋根の(仕上げ材の)塗装が禿げた、割れた、ヒビが発生したなどですが、これは雨漏りとは関係ありません。雨漏りは仕上げ材の下のルーフィング (防水材) が破れる、裂ける、釘穴が大きくなると雨漏りが始まりますが、仕上材のせいで雨漏りにはなりません。瓦やスレート材が割れようが、欠けようが、ヒビが入ろうが、ルーフィングがしっかりしていれば雨漏りは起こりません。これを知らないと、スレート材が割れていたら雨漏りになると言われて葺き替えをしてしまう、ことになるのです。いえやっても良いのです。が、しかしそれってプチ詐欺ですね。

下の写真はその例で、瓦 (セメント瓦) はかなり再塗装されていて綺麗、割れ、欠け、ヒビなど全体に全くありませんでしたが雨漏り発生。3年前に塗装をし瓦はなんともないのに何故雨漏りが起きるのか?質問されました。雨漏りは瓦とは関係ありません。ルーフィングの釘穴が雨の滞留、流れていかないので滞留し、桟木、釘を腐食させ、釘穴を大きくして、雨漏りになったことを説明しました。下の写真を見てください。

雨漏りの解析

屋根の耐用年数はルーフィングの耐用年数

屋根の機能をもう一度

A:家の意匠、家のデザインを決めている機能/美観の機能
B:家を雨風から、雨漏りから守る機能

B:の機能が失われることは、ルーフィングの防水機能が失われることで、屋根の(雨漏りの)耐用年数はルーフィングの耐用年数と同じです。これは屋根の表面を見ても分かりません。築年数でおおよそ検
討をつけますが、普通のルーフィング(当時の普及品)で20年程度です。

美観のチェックは見るだけでわかります。判断はお客様ご自身です。しかし、B:のルーフィングが耐用年数がちかいかどうかチェックするには、屋根をめくって、屋根材を撤去しないと正確にはわかりません。あとは築年数、雨漏りが頻繁にあるか?です。築20年を過ぎたら、いろいろ屋根に気を使ってもらいたいです。天井、内壁、軒天など雨漏りがないか、水が流れた跡がないかチェックします。

築20年程度で、雨漏りが初めて起きても直ぐに葺き替えをする必要はないと思っています。で直ぐに修理です。部分修理で充分。2回目の雨漏りでそろそろルーフィングが耐用年数かな?このころになると、ルーフィングが劣化しているサインです。ここでルーフィングを交換する、つまり屋根の葺き替えを考えることになると思います。

3回目が22年目か25年目かは分かりませんが予算との相談です。こんな感じで十分と思っています。雨漏り、直ぐに屋根を葺き替えないと大変なことになるのか?と屋根屋に言われたが本当か」と相談の電話を頂きますが、1回目で葺き替えをする必要はありません。それは屋根屋の誘導、脅しです。雨漏りは部分修理が基本です。

雨漏りが心配で屋根を葺き替える本来の意味、目的はルーフィングの交換です。でもルーフィングだけ交換できないので仕上材を撤去してルーフィングを施工します。瓦は再利用ができますが、トタン、スレート材は再利用できないので、新しい屋根材を施工しなければなりません。またはルーフィングの新しいものをスレート、トタンから施工するやり方もありカバー工法と言います。

ルーフィングの耐用年数

一般木造住宅用ルーフィング:日本のルーフィング (防水材) の製造会社は9社ありますが、どの会社もルーフィングの製品保証はしていません。耐用年数についてもほとんどがサイトやカタログでも言っていません。ルーフィング、正式名称:アスファルトルーフィングは名前のごとく、不燃布にアスファルトを浸透させたシートでその耐用年数はおおよそ20年と言われています。

ただ20年で完全におしまい、雨漏りが必ず発生するものでもありません。目安と考えてください。ただこの製品はJIS規格品であり、今のルーフィングは昔の製品より寿命は長くなっていると考えます。では何年、データは?と言うと正確なことが言えないのが現状です。その耐用年数や劣化の評価方法も確率していません。

ガルバリウム鋼板には、保証年数や耐用年数が記載されているものもありますが、ルーフィングについては一部のものを除いて保証も耐用年数の規格も無いのです。ただ規格品であることがカタログやサイトに書いてあります。一つの目安です。

アスファルトルーフィングの規格:

1:JIS A6005合格品:アスファルトルーフィング規格:昔の規格です。
2:ARK-04合格品:アスファルトルーフィング工業会の規格
3:ARK-04の規格品ながら、耐用年数30年と明記されている製品
4:ARK-04の規格品:耐用年数60年を実現とカタログにきちんと記載

ゴムアスは、2のARK-04規格品が多いです。殆どと言って良いかと思います。

JIS A6005規格がルーフィング初の規格で、この中にアスファルトルーフィング940と1500があります。この違いは重量でアスファルトの量が違います。今のルーフィングは新しい規格ARK-04規格によるもの が多くJIS A6005には無かった試験があります。ランクが上の製品になります。

ゴムアスとは、ゴム改質アスファルトルーフィング

良く聞く「ゴムアス」はこの規格の製品で、正式名称はゴム改質アスファルトルーフィングと言って、アスファルトの中により柔軟性のあるゴム等の添加物を混入させた製品で、A6005規格の製品より耐用年数が長いと考えられます。

更に同じARK-04規格に合格した製品でも、カタログに耐用年数をしっかり記載したものがあります。ARK-04の規格測定の他に会社独自の促進劣化試験をやってそのデータを元に、耐用年数の予測をした製品です。保証ではなくあくまでも社内規格ですが、耐用年数を記載した製品はあまり見かけません。

 

ゴムアスとはゴム改質アスファルトルーフィングの略で、新しいARK-04規格を通った製品です。このなかの一つにニューライナールーフィングという製品があります。

ニューライナールーフィングカタログ

この製品の社内試験の結果がカタログに載っています。少し分かり難いですが、下のグラフで解説すると、縦軸は劣化度でルーフィングの柔軟性を試験しています。ルーフィングの劣化による雨漏り発生は釘穴のシーリング性にあって、ルーフィングを固定した釘、タッカーの針などの穴をルーフィングの柔らかさがこの穴を塞いでいます。

ルーフィングの耐用年数比較

 

この柔軟性を失い釘穴を塞ぎきれなくなったとき、その隙間から水が漏れ雨漏りになります。なのでこの柔軟性は重要でこれを測定して劣化の進み具合を見ています。

横軸は年数で促進期間とありますが、実際に30年間試験をしたわけではなく、ある装置を使って悪環境をつくり1年間の雨、温度変化などを時間を縮めて繰り返して試験をしています。この結果を示していますが、どこが雨漏りを発生させるポイントなのかが示されていません。文言としては、30年の耐用年数があると明言しています。他のメーカーはA6005規格、ARK-04の試験項目の合格成績を載せていますが、この促進試験をやっていません。

JIS規格もARK-04規格も製造した瞬間の性能は合格ですが、耐用年数、寿命に関する試験は何もないのです。つまりJIS規格、ARK-04規格とも耐用年数については何も評価していません。その試験の不足部分の試験を実施し、結果を公表して保証では内にしろ、カタログに耐用年数の記述をしているこの会社の製品を評価したいと思っています。

更に耐用年数が驚異的なマスタールーフィング:

促進試験の結果が耐用年数が60年というすごいルーフィングがマスタールーフィングです。下のグラフのようにここでは寿命値が設定されています。

マスタールーフィングの寿命曲線

時短のグラフでも、60年後の柔軟性がまだ十分に保たれているのは、私的には本当かな?の疑問はあるものの、しっかりとカタログに掲載していますので、信じるしかありません。是非このメーカーに問い合わせて頂きたいと思います。ご自分で確認することが重要です。でも性能は抜群ですが、価格も抜群で、仕上材の施工価格と同じ価格帯です。ちょっと手がでないです。でも瓦の寿命である60年の耐用年数は大変魅力ではあります。

少なくともルーフィングは屋根屋に任せず、ご自分で選んでください:

スレート材からガルバリウム鋼板へ屋根を葺き替えるとき、ガルバリウム鋼板の製品はご自身で選びます。それと同じようにルーフィングも屋根屋任せにしないで選んでください。

特に新しいガルバリウム 鋼板や耐用年数の長いジンカリウム鋼板、石粒付鋼板を施工するなら、30年以上耐用年数があるルーフィングを選ぶべきです。耐用年数の長い仕上げ材を選んでもルーフィングが安物の耐用年数が20年程度のものでは、仕上材の寿命よりルーフィングの寿命が短くアンバランスです。ルーフィングの価格はマスタールーフィングを除いてはそんなに高くありません。

仕上材はいろいろ調べて選んで頂くのですが、ルーフィングは屋根で最も重要な材料です。上の文章を読むと選択は一つしかないですが、それでもいろいろ調べて、一番良いものを選択してもらいたいです

各仕上材の耐用年数:

瓦の耐用年数

瓦の耐用年数は、メーカーでも自身でその測定はしていません。「CASBEE」によれば、種類の記述はありませんが、60年とあります。この瓦の耐用年数はリンクのページを見てください。

ジンカリウム鋼板の耐用年数:

最近のジンカリウム鋼板のメーカーの各社は耐用年数の記述を変えました。以前は保証30年、耐用年数50年と言っていましたが。保証30年、美観保証10年という書き方に変っています。

ジンカリウム鋼板 石粒付鋼板の耐用年数も詳しくはリンクのページを見てください。

ガルバリウム鋼板の耐用年数:

ガルバリウム鋼板の耐用年数は25年、開発元のベツレヘムスチール社の実験で確認されています。詳しくはリンクのページで確認してください。新日鉄住金のSGLを採用したスーパーガルバリウム鋼板の穴あき保証は25年、スーパーガルバリウム鋼板(SGL)の耐用年数については、何もメーカーは言っていませんが、穴あき保証が25年ですので、それ以上ないと保証できません。30~35年以上はあるのではないでしょうか?詳細はリンクのページで

シングルの耐用年数

アスファルトシングルの耐用年数は、およそ20年ですが、米国の調査では地域によって違いがあります。特に気温の高い地域は短くなっているようです。東京では20年程度と言えそうです。

詳しくはアスファルトシングルの耐用年数のリンクページ、後半に耐用年数の記載をしました。

トタン材の耐用年数:

トタンは鋼板に亜鉛メッキを施したもので、屋根材ではその上に塗装を施してあります。この塗装の耐用年数によっても穴があくまでの期間は大きく違ってきます。しかし価格の安いトタンではポリエステル塗装が普通なので、10年以内で鋼板まで錆びがまわり、穴が開くこともあります。錆びる前に頻繁に塗装をすれば鋼板の表表面は錆びることがありませんので、理論的には鋼板は錆びず永久に使い続けられます。しかし、裏側はメンテができませんので裏側からの錆びには対応できません。またトタン屋根の端はメンテの手が行き届かず、劣化してしまいます。

スレートの耐用年数:

スレート、コロニアル、カラーベストなどの耐用年数は、2004年、平成16年に石綿(アスベスト)を1%以上含む製品の出荷が禁止になりました。それ以降のスレートの屋根材にはアスベストは含まれていませんが、アスベストのような強固な代替品が開発されたとは言えないようです。それは現在KMEW、1社が一般住宅用のスレート屋根材を製造販売していますが、10年未満での剥がれ、反り、割れなどが頻繁に発生しており、耐用年数が10年とは言い難いからです。スレートの材料については専門ページをご覧ください。

 

以上です。

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