スーパーガルバリウム鋼板/ガルバリウム鋼板の違い

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スーパーガルバリウムとガルバリウムとは保証と耐用年数が大きく違います

鉄工所の画像:SGLサブメイン

2016年に新日鉄住金から発売されたSGL;スーパーガルバリウム鋼板は、2018年春4社の屋根材メーカーが採用しています。その性能は?メリット、デメリットは?

2016年SGLという新しいメッキ鋼板が発売になり、屋根材に採用するメーカーも出てきました。SGLのS:はSuperの意味もあるそうなので、スーパーガルバリウム鋼板です。では今までのガルバリウム鋼板との違いは何か?一番には寿命、耐用年数の違いです。

SGLを使った屋根材メーカーの仕様:

・穴あき保証:25年、赤錆保証:20年
・塗膜保証:20年(フッ素塗装製品)、15年(ポリエステル塗装)
・耐用年数:メーカーの発表は無いが、保証よりは5~10年は長いはず、でないと保証できない。

今までのガルバリウム鋼板:

・赤錆保証:10年の製品もあった
・塗膜保証:10年の製品もあった
・耐用年数:メーカーの発表は無かったがベツレヘムの実験から25年

 

スーパーガルバリウム鋼板の優位性は明らかです。価格も今までのガルバリウム鋼板屋根材と同じ価格で施工ができます。これからガルバリウム鋼板の屋根材はSGLに置き換わると思われます。(2018年春)

新しいガルバリウム鋼板を開発しているのは、大手鉄鋼メーカー3社、日鉄住金鋼板、JFE鋼板、日新製鋼ですが、日新製鋼は新日鉄住金の傘下にはいりましたので、彼らの新メッキ鋼板「ZAM」がどいう製品に展開されるのかが注目されます。同じ系列の会社で同じ市場(屋根材)で製品をだすことはないのでは?と思っています。

JFE鋼板の新メッキ鋼板は少し市場の方向性が違っていて、環境に配慮した製品つくりになっています。その為ダイレクトにSGLと競合する仕様ではありません。新日鉄住金のSGLは、高耐候性、長期耐用年数で屋根材市場を取っていくつもりとおもいますので、金属屋根材メーカー各社のSGLの採用が気になるところです。現状では福泉工業が先行する4社に続いてSGLを採用するようなWebサイトの書き方をしています。

後からの参入が増えれば、競争が激化して市場が活性化し、価格が下がるかより良い製品が出てくる可能性があって消費者からは歓迎されると考えます。

SGLを使った屋根材メーカー:

・株式会社 ニチハ
・アイジー工業
・KMEW(ケミュー)
・株式会社メタル建材
・福泉工業 2018年4月からSGLに切り替え

です。2018年6月初旬の情報

スーパーガルバリウム鋼板/SGLの最大の利点

SGL:スーパーガルバリウム鋼板(SGL)の日鉄住金鋼板が基材の保証は穴あき保証:25年です。後は各屋根材メーカーがSGLを屋根材の大きさに切断、嵌合部の加工、塗装などを行います。メタル建材は新日鉄住金のグループ会社ですので、グループ全体で基板である鋼板の生産、加工、塗装まですべて自社グループでやっています。またSGL基板は他の屋根材メーカー、ニチハ、アイジー工業、KMEWへの供給も行っています。

またSGLの耐久性ですが、日鉄住金鋼板によると社内の複合サイクル腐食減量測定結果によると、ガルバリウム鋼板より3倍の耐食性を持っていると言っています。

ガルバリウム鋼板より3倍の耐用年数を持っているとすると、ガルバリウム鋼板の耐用年数は25年ですので、3倍、75年以上の耐用年数があると言っている?ちょっと言い過ぎでクレームが来そうですが、少なくとも25年以上の耐用年数を持っていて、穴あき保証が25年ですので、かなり控えめな性能評価ではないでしょうか?耐用年数は保証値ではありませんので、25年の「保証」をつけるところがガルバリウム鋼板との大きな違いです。SGLの最大の特徴と思います。

各屋根材での比較、嵌合部、加工、断熱材、表面処理

この4社の屋根材の違いとは?(現物比較3種)
メタル建材の現物はまだ入手していないので、3種の比較です。まずは施工した様子、使った材料はニチハの横暖ルーフαS、アイジー工業のスーパーガルテクト、KMEWのスマートメタルです。試験用のBOXに施工してみたところが下の写真です。近くで見れば表面の塗装、処理の違いが分かりますがこれくらいの距離からでは違いは判然としません。見た目は同じ(同色を選んでいます)

3新ガルバリウム鋼板表面画像

加工で重要なのは嵌合部、つなぎ目の加工です。写真左からの強い吹上の雨水に対して、屋根材の中に如何に雨を入れないか?その合わせ目の加工です。スマートメタルはかなり隙間なくきっちり接合しています。対してスーパーガルテクトと横暖ルーフαSは隙間が多少空くような構造です。ただ毛細管現象を考慮する必要があり、ぴったり接合しているから良いというものでもないのです。その意味からは横暖ルーフαSは侵入し難くく、中は少し広くなっていて毛細管現象を防げるのでは?と考えます。どちらが良いのか?実験すれば一番はやいのですが、次の課題としてみます。

断熱材:

この3種では、スマートメタルだけ断熱材がありません。材料の中の少し茶色くなった断熱材の様子がわかります。ガルテクトは下側の材料にもしっかり断熱材を入れていますが、断熱性能の試験をしましたが、この2種の違いはありませんでした。同じ断熱性能です。スマートメタルは断熱材ではなく保護シートです。断熱性能的には断熱材のないガルバリウム鋼板として試験してあります。

SGL 屋根材嵌合部分

 

表面の様子

表面を拡大すると、その違いがわかります。スマートメタルは表面の作り方、材料全体からメタル建材製品「エテルナ」「リファーナ」によく似ています。表面の塗装はポリエステル塗装で多少模様が施されています。ガルテクトはチヂミ塗装で塗膜が固く一番傷がつきにくかったです。傷に対して強いと思います。

 

SGLガルバリウム鋼板表面の画像

 

SGLとガルバリウム鋼板の違い

ガルバリウム鋼板は鋼鈑にメッキを施している鋼鈑ですが、ガルバリウム鋼板の長期寿命を支えているのが、亜鉛の犠防食機能とアルミニウムの高耐食性です。アルミニウムは亜鉛メッキ中に混ぜると耐候性が増すことが知られています。注目したのはアルミニウムの混合量、5%と55%の混合割合です。

アルミニウムの混合量を増やすとメッキの腐食が減りますが、切断された端ではメッキがありません。メッキに傷が付いて鉄の鋼鈑が空気中にさらされたら、そこから一気に錆びが発生し、あっという間に腐食が広がってしまいます。アルミニウムはこれを防ぐことができません。

そこで亜鉛の耐食性である犠防食機能の出番です。亜鉛は鉄より活性でイオン化傾向が鉄よりも高くイオン化されやすい中学校の理科で習いました。この特性が鋼鈑の端、メッキに傷がついている箇所で鉄より先に亜鉛は酸化して鋼鈑の表面を守るのです。「犠防食機能」と言っています。

アルミニウムの「耐食性」と亜鉛の「犠防食機能」が最大限に働くアルミニウムの混合比が、5%と55%のポイントなのです。その混合比の最適なポイントを各メーカーは長年研究してきました。

1970年に、米国のベツレヘムスチール社が、アルミニウム;55%、亜鉛;43.4%、シリコン;1.6%のGalvalium(日本語;ガルバリウム鋼板)を世にだしました。かなり成功した製品なので、世界中に市場が広がったわけです。20世紀の大発明と言っていいと思います。

 

ガルバリウム鋼板にある1.6%のシリコンは何の為?

ガルバリウム鋼板のメッキ層に含まれているわずか1.6%のシリコンは、鋼鈑の加工のやりやすさの為に添加されています。ガルバリウム鋼板の製造過程でメッキ層の鉄とアルミニウムの境界でFe-Al、鉄とアルミニウムの合金ができてしまいます。この合金が製造過程で厚くなると、メッキ皮膜を曲げる、折るときにダメージを与えやすくなります。メッキに小さな亀裂や傷がつきます。成るべくこのFe-Alの合金を生成しないように、厚くならないようにするために、僅かなシリコンを添加して、この悪い合金の成長を妨げています。加工をし易くするためです。

スーパーガルバリウム鋼板の登場、2016年:

亜鉛、アルミニウムの他に鋼鈑の耐食性に寄与する金属はないのか?研究は長年続きました。注目されたのは「マグネシウム」。日鉄住金鋼板は、2016年に亜鉛&アルミニウムの合金に、マグネシウムをわずか(2%程度)加えると、ガルバリウム鋼板より耐用年数の長いメッキ鋼鈑になることを発見します。これを使って製品化に成功しました。製品名は;SGL(S;はSurper、Superial、Specialの意味だそうです)スーパー鋼鈑、スーパーガルバリウム鋼板、日鉄住金鋼板では次世代のガルバリウム鋼板とカタログで言っています。

マグネシウム2%の理由

グラフは、ガルバリウム鋼板のメッキ層にマグネシウムを2%程度、亜鉛、アルミニウム合金に混合すると、腐食が進まないというグラフです。縦軸はメッキ層の減少量でg/㎡で、一番減少量が低いポイントは、マグネシウム混合比、2.2%のポイントです。厚さに換算すると、0.4μmで一番劣化の多いポイントは、少ないポイントの6倍の腐食があることになります。このマグネシウムの含有が2%のポイントに着目したわけです。

このマグネシウムを僅かに混合することで、メッキ鋼板の耐久性、腐食を従来のガルバリウム鋼板よりかなり抑えれることが可能になったのです。日鉄住金鋼板では3倍の耐食性と言っています。この腐食性を抑え耐用年数を延ばしたことがSGLのガルバリウム鋼板との大きな違いです。

ガルバリウム鋼板の欠点

ガルバリウム鋼板は薄くて軽い、高耐候性、価格も手頃、良いことばかりですが、欠点も勿論あります。

・薄い鋼板の為に断熱性能に劣る気がする
・薄い鋼板の為、雨音がうるさいような気がする
・スレート材の上に施工すると重くなって耐震に不利?
・金属の塗装材料なので、運搬中、施工中、屋根に登ったとき傷がつきやすい?
・小さな金属クズ、金属片が残っているとそれが錆びてもらい錆を起こす

これらについての回答は、各リンクをご覧ください。ここでは最後の2つについてお話します。傷が付く場面は運送中、工事現場に納品され屋根まで運ぶとき、施工中に傷が付く、主にかすった傷がつきやすいです。これには職人さんも気を使い箱から出して屋根の上まで運ぶ際には丁寧に運ぶようにしなければなりません。また屋根の上では極力傷をつけないように施工します。どの職人さんも同じですが、もし少しでも傷が付いた場合は施工後に塗装が必要です。

金属くず、金属片はよそから飛んでくることもあるかもしれませんが、殆どが施工中に材料を切ったりしたクズの残りで発生します。普通の屋根屋は施工が終わったら屋根を綺麗に清掃して金属くずを完全に無くすことに気を使います。これは余計な心配をさせないために言いませんがあとで問題になるので、屋根屋は必ず綺麗にして終わります。できればお客様ご自身で屋根をチェックすると良いのですが。

ガルバリウム鋼板の耐用年数、ベツレヘムスチール社の実験

ガルバリウム鋼板の耐用年数は25年ですが、これは開発元の25年間の実験の結果言われていることです。そのガルバリウム鋼板の耐候性の実験について。

その他の新メッキ鋼板の動向/Jークラフト、ZAM

ガルバリウム鋼板を生産していた残りの2社、JFE鋼板と日新製鋼も新しいメッキ鋼板を開発済みでした。JFE鋼板は「J-クラフト」、日新製鋼は「ZAM」をすでに開発していたのです。しかし、日新製鋼は新日鉄住金 の傘下になり、J-クラフトはSGLとは別の方向へと製品開発が進みます。耐用年数を延ばす方向とは違い、環境へ配慮した六価クロムを排除した環境に良い製品つくりの方向でした。ヨーロッパや官庁での売上増を目論でいたようです。

ですので、高耐候性のメッキ鋼板は新日鉄住金のSGLの独占状態が続いています。これから金属の屋根材メーカーは次々にSGLの採用を決めると思います。何故ならガルバリウム鋼板の供給元である、JFE、新日鉄住金、日新製鋼とも旧来のガルバリウム鋼板の生産を減らすと思われるからです。すでに売れ筋はスーパーガルバリウム鋼板(SGL)の時代になっています。

 

以上です。

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