コロニアル、カラーベストの特徴、耐用年数

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コロニアルは良い屋根材?

コロニアルの解説

 

コロニアル、カラーベストとは?

アスベストをセメントで圧縮、固化した屋根材をコロニアルとかカラーベストとか言いますが、スレート材と同じ素材の仕上材です。「スレート」は一般名、「コロニアル」「カラーベスト」は商品名です。元々スレートとは薄い自然の石を施工したものを言っていたのですが、人工のものが多く出回ったので、アスベストをセメントで固めたものを「スレート」天然の石を使ったものを「天然スレート」と言い方が逆になってしまったのです。

コロニアル、カラーベストとはかつてのの商品名で、正確には「コロニアル」は旧株式会社クボタの石綿スレートの商品名、「カラーベスト」は同社のカテゴリ名、一般名でした。JIS規格での正式名は「住宅屋根用化粧スレート」です。

 

コロニアル、カラーベストの劣化の原因、仕組み

コロニアル、カラーベスト、石綿スレートの劣化は;

  • 夏、雨のための含水、高温下での乾燥の繰り返しによる劣化
  • 冬は、湿気や雨で浸透した水分の凍結・融解の繰り返しによる劣化
  • 夏、長時間にわたる70度近い高温にさらされることによる劣化
  • 1日の変化、季節よる温度変化の繰り返しによる劣化

などが劣化を長期間に渡って繰り返し、やがて材料の反り、表面の剥がれ、割れ、ヒビの発生を起こします。これは表面の塗装とは関係なく起こります。また塗装による太陽光線の防御は殆ど期待できないです。紫外線は「塗装」の劣化を促進しますが、スレートの劣化にはあまり関係がありません。

割れる、剥がれる原因:

材料内水分の凍結・融解の繰り返しです。空気中には常にいくらかの水蒸気、湿気があり、スレートにはその水分があります。冬、この水が凍結すると、ほんの僅かですが体積が増加し膨張します。そして材料中の成分を引き離します。一回や二回では材料自体の成分は割れることはなくても、これが長年繰り返されると、材料中の成分同士の接着している力が衰え、やがて成分が分れてしまいます。

これらの材料中のアスベスト、セメントの成分同士の接着力が徐々に弱くなり分離しまうと、剥がれや割れとなって起こります。

 

材料の反りの理由:

スレート材料の「曲がり」「反り」は、材料の表と裏での延び縮みが変われば反りが発生します。材料の表側と裏側で湿り気があり、表は太陽の高温で水分が渇き縮み、裏側は水分が残ってわずかに延びると、この乾燥のちがい延び縮みの違いで僅かに外側に曲がっていきます。または表と裏側の温度の違いで、僅かに延び縮み違いが生じます。この僅かの伸び縮みが、5年、10年と繰り返すことで、スレート屋根全体のどこかで反りが発生します。

 

スレート材の劣化を塗装で遅らせる、劣化を抑えることができるでしょうか?

結果を言うとそれはできないです。石綿スレート材料の表面を再塗装することで、紫外線を防ぐことはできます。しかし、周囲の温度、太陽からの熱は塗装を通って材料に伝わります。塗装すると、おもて表面を雨から守ることはできますが、裏側は塗装できません。

しかし湿気は裏側から、側面からも入り込み上の表面だけ塗装しても、劣化防止の効果はないと考えます。材料の温度変化は塗装では防ぐことはできませんし、劣化の原因を全て軽減できる方法ではありません。

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コロニアル、カラーベスト、スレートの耐用年数

屋根用のスレートの寿命は、およそ20年と言われています。30年と言っているサイト、屋根屋もいます。正確な耐候性の実験データ、根拠はなく、またどのような状態になったら材料の寿命なのかもはっきりした定義も曖昧です。塗装が全部剥げたら寿命なのか?塗装が無くなり割れ、ヒビ、反りがひどくなったら耐用年数なのか?はっきりしません。おおよそ20年~30年と業界で言われているだけです。

また、コロニアルの耐用年数が屋根の耐用年数と思っているお客様も多く、表面の様子だけで屋根の葺き替え時期と勘違いしいることも多いです。

コロニアルの寿命は屋根の寿命ではありません。

 

屋根の寿命とはどの材料の寿命か?

訪問業者にスレート屋根が劣化して葺き替えるべきです。このままにすると大変なことになる。と言われて相談の電話をかけてこられるお客様は多いのですが、スレート屋根にカビ、苔が生えていたり、割れたり、ヒビがはいったりしているだけの場合が多いです。

この状態で直ぐに葺き替えが必要でしょうか?訪問業者は直ぐにでも工事をと薦めます。

乱暴な言い方をすると、スレートが割れようが、欠けようが、苔、カビがあっても、ルーフィング(防水材)がしっかりしていれば雨漏りにはなりません。雨漏りの仕組みを考えれば理解できるのですが、雨漏りはこのルーフィングが防水機能を失ったときに水が漏れて下地材まで水が入り込む、天井を濡らす状態が雨漏りです。

コロニアル材料には関係ないのです。コロニアルが欠けたりヒビが入ったりすればそこから雨は通常より多く侵入してルーフィングの劣化を早めることはあります。

でもスレートの劣化は直接雨漏りの原因にはならないのです。これは重要で訪問業者につけ入れられるポイントです。コロニアルの劣化イコール雨漏りの発生、屋根の寿命と思い込まされてしまいます。

コロニアル材料が苔、カビで汚くなった、ヒビ、割れで醜くなった、そろそろ仕上材の交換をしたい。と思うのは間違いではありません。これは見かけ、外観の謂わば寿命でその為に屋根を葺き替えることはありと思います。この判断はお客様の主観によります。でも雨漏りとは関係ありません。

つまり、屋根の耐用年数、寿命には、2つ意味があります;

  • 1:雨漏りが発生するまでの耐用年数
  • 2:美観による見た目の耐用年数、寿命

この2つは屋根の耐用年数と言って良いと思いますが、1はコロニアルの耐用年数ではなく、ルーフィングの耐用年数です。2は明らかにコロニアル材の耐用年数、寿命です。仕上材の割れ、欠けは修復出来ないですが、カビ、苔は高圧洗浄で回復することが多く、そのあと寿命が長く残っていれば再塗装でも良いかと思います。築20年で再塗装をしても、直ぐにルーフィングの寿命が来て屋根の葺き替えになると塗装の費用が無駄になってしまって損です。

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今のコロニアル、カラーベストは葺き替えにお薦めか?

コロニアル、スレートの施工費用は、ガルバリウム鋼板や石粒付鋼板に比べて安いのですが、お助け隊では、お薦めしません。

理由は2つ;

一般住宅の屋根用で、スレートの屋根材を作っているメーカーは、現在KMEWという1社ですが、リフォームでコロニアルを使った場合、メーカー保証が受けられない、または難しい、面倒です。どういうことか?

KMEWでは、材料の保証をするのに施工の条件をつけていて、まず下地撤去が必須なので、コロニアルの上にコロニアルのカバー工法は不可、下地材を施工する際は段差を3mm未満にすることが条件になっています。何故段差を気にするか?割れやすいからです。

KMEW施工マニュアル抜粋

カラーベスト(コロニアル)材の施工マニュアル抜粋です。適用工法として野地板とは下地材のことで、必ず既存の下地材を撤去して新しいものを施工するか、既存の上から新しいものを施工することが書かれています。かつ弊社基準のページ(P52)には下地材の段差を3mm未満にすることが記載されています。・・・疑問ですが、KMEWのひとが一々調査に来るのでしょうか?

もう一つは、耐用年数に疑問があり、まだアスベストの代わりになる確固たる鉱物繊維が開発されていないのではないか?という信用性がないこと。アスベストは2006年に全面禁止になりましたが、そのあと出てきた製品が10年前後で不具合を頻発していて、訴訟になった案件も数多く報告されています。

お助け隊でも何回か相談を受けて、実際にお客様の屋根を見せて頂いたことがあります。下のような現状です。

コロニアルの不具合事例:

コロニアルNEOヒビ

船橋市のお客様、築8年でのKMEW社、コロニアルNEO。上のようなヒビが屋根全体で20箇所ほどありました。直ぐに雨漏りにはならないですが、ヒビが大きくなり雨水の侵入が多くなると、ルーフィングの劣化を早めることになる可能性があります。

これらのヒビの修繕はコーキングで取りあえずの処置ができますが、劣化を止めるまでには至りません。この件では保証の範囲なので、KMEWからは材料が支給されるということでしたが、施工費用は自前です。施工会社に瑕疵はありませんが施工費用を少しでも値引きしてもらうよう交渉もするべきです。

コロニアルNEO変色

不具合は、ヒビばかりではありません。材料の色です。塗装が劣化したものと思われますが、その劣化の度合いが一枚一枚違っています。メーカーの説明ではロットによる違いと言っていたようです。一様な変化ではないので、疑問が残ります。

 

NEO築5年の不具合

横浜市の案件です。こちらは築5年、同じくコロニアルNEOの様子です。そんなにひどい不具合は見受けられませんが、左の材料は浮き、反りがあります。右は剥がれそうなヒビです。10年保証で5年でこのように浮きやヒビが発生している案件で、お客様は全面ガルバリウム鋼板への葺き替えを決断しています。

コロニアルNEOは、アスベストが禁止をされた前後に開発された、アスベストのない材料です。しかし、アスベストの代替え品として使われた鉱物繊維は、まだまだの感があります。今のスレート材が耐用年数20年以上あると証明されるのは、20年後です。およそ2030年頃まで無傷で残っていれば、KMEWの仕上材は大丈夫となるかもしれません。

 

まとめ

コロニアル、カラーベスト、スレート材の耐用年数は、2006年以前に製造されたアスベストを含有されたものでは、20年~30年程度あると思われます。2006年にアスベストが禁止になってからの製品は、まだまだ耐用年数の実績がなく、リフォームに使うのは不向きと考えます。理由は2つ、メーカーの保証が受けづらいことと、耐用年数に疑問があるからです。

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