スレート、コロニアル

スレート、コロニアル、カラーベストの特徴、耐用年数

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2022年の新しいカタログにスレートの保証は新築に限るってあるけどリフォームでは製品保証は無くなったの?
そうなんだ、去年は条件は厳しかったけど製品保証はあったんだけど、今回リフォームでは無くしてしまったんだ。確かにカタログにそう書いてあるね!
代表
リフォームでは使えなくなるの?
使えるけど、施工後の製品保証がつかないんだね。
代表
スレートってどんな屋根材なの?
元々、葺き替えにはあまり使われていないけど、今もかなりの家で使っているから解説するね?
代表

 

slateha

スレート、コロニアル/組成、特性、スレートとはどんな材料?

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JIS規格名称は「住宅屋根用化粧スレート」、コロニアル、カラーベストはメーカーの商品名です。

スレート」が良く使う一般名です。

アスベストが禁止されるまで、これをセメントで圧縮、固化した屋根材をコロニアル、カラーベストとか言いました。「スレート」は一般名、「コロニアル」「カラーベスト」は商品名です。元々スレートとは薄い自然の石を施工したものを言っていたのですが、人工のものが多く出回ったので、アスベストをセメントで固めたものを「スレート」天然の石を使ったものを「天然スレート」と言い方が逆になってしまったのです。

コロニアル、カラーベストとはかつてのの商品名で、正確には「コロニアル」は旧株式会社クボタの石綿スレートの商品名、「カラーベスト」は同社のカテゴリ名、一般名でした。

現在の住宅用スレート屋根材は、セメント,けい酸質原料,石綿以外の繊維質原料,混和材料などを用いて加圧成形したもので、下地材の上に施工する仕上材のことになります。重量は瓦:45kg/平米の約2分の1程度で、20Kg/平米前後。トタンやガルバリウム鋼板(5Kg/平米)よりは重量があります。

 

石綿、アスベストの粉塵が人体に与える健康被害のため、2006年にはアスベスト入製品の製造、販売、輸入が全面禁止になりました。メーカーとしては、材料の強度を保つためにアスベスト以外の鉱物繊維をアスベストの代替品として使用しています。

企業秘密になるのだと思いますが、もしアスベスト以上の強度、耐久性をもつ製品を開発していればそのことがニュースになり、カタログやサイトに記載されることを希望します。規格はクリアしていると言っています。

JIS規格は「住宅屋根用化粧スレート」、最新の規格では、JIS A5423:2013で規格化されており、その強度試験、仕様が定められています。興味があればJIS規格書はインターネットで誰でも見れます。

この規格の中で、

耐候性試験;
アークランプで90℃か80℃に熱し、その状態を2,000時間(90℃で2,000時間だと、データから約20年相当)放置する。その後表面の化粧層のヒビ割れ、剥がれの有無、変色等を調べます。

耐凍結融解性試験;
5℃~35℃の静水中に24時間浸した後(スレートに水を浸透させる)-20℃の気中で2時間の凍結後、20℃の水中で1時間の解凍をする、計約3時間を1サイクルとして、このサイクルを300サイクル実施する。その後、目視で試験片の表面の外観、変化、層間剥離の有無を調査します。

300サイクルが、何年相当の負荷試験なのかは、記述がありません。耐候試験も2,000時間と試験時間は規定されていますが、それがどのくらいの相当年数なのか?は規定されていません。

この加熱試験は太陽の熱と紫外線にどれだけ耐候性があるか時間を縮める促進耐候性試験ですが、JISが何年相当と規定したら、その年数を「保証」は言い過ぎかもしれませんが、責任を持たなければなりません。だから具体的な年数は規定しないのだと考えます。耐凍結融解性試験も同様です。

耐候性試験の試験時間と相当年数は、メーカーの側が出していました。

A6111加熱処理時間と年数の関係

出典:フクビ工業、ルーフエアテックスSTカタログより

これを見ると、耐候性試験の加熱処理試験での2,000時間は、90℃で行った場合は、20年相当であることがわかります。1176時間が10年相当、2856時間が30年相当、4368時間が、50年相当であることから、グラフを書くと明らかです。

耐凍結融解性試験の300サイクルが何年相当の促進性耐候試験なのか?少し調査が必要です。

現在、このスレート屋根材は、主にKMEW(ケミュー)が生産していて、KMEWのスレートの製品カテゴリでは、「GRAND NEXT」「COLOR BEST」は、JIS規格 A5423をクリアしています。

耐用年数の記述がないのは、スレート材も他の屋根材と同じですが、関連した保証年数について考察してみます。

 

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スレートの保証規定/グランネクスト、カラーベスト/KMEW

唯一と言っていい、スレート(住宅屋根用化粧スレート)の生産会社KMEWの製品名は、ブランド名:カラーベスト、グランネクスト、これの保証についての規定を見てみます。KMEW屋根材総合カタログ 2022 03 P.59、製品保証より。

保証内容:
製品自体の不具合による室内への雨水の侵入の保証:10年
製品の色感が著しく変化がないこと:2年
(グランネクスト:耐候性グレード★★★の製品は10年)

保証条件:2022年3月のカタログ改定
対象は、「新築物件」に限ります。リフォーム物件は、様々な変化や劣化の可能性があり、当社の設計基準、施工基準を満たしているかどうかの判断が非常に難しい為、製品本体の保証対象は新築物件に限定しています。・・・2022年3月、KMEW屋根材カタログ P.59より

コメント:

2022年のカタログより、スレート(製品ブランド名:グランネクスト、カラーベスト)の製品保証が新築物件に限るとなりました。つまり、葺き替え、リフォームには製品保証が出なくなったということです。KMEWの決断ですが、アスベストと同等かそれ以上の鉱物繊維を開発出来なかったということでしょうか?

現製品では、JIS規格 A5423をクリアーしています。これについては、後述します。

>>>スレートのカバー工法が出来ない訳/2021年当時の記事

 

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スレート屋根/再塗装、撤去して葺き替え、カバー工法

築20年でそろそろ劣化してきたスレート屋根はどうすれば一番良いの?
いろいろ意見があるけど、屋根の状態、どの業者が言うか、何をしたいか?によって再塗装、スレート撤去して葺き替え、カバー工法と3つのリフォーム方法があるね。
代表
一番費用のかからない塗装が良いと思うのだけどだめ?
だめじゃないけど、目的が屋根の寿命を延ばす目的なら、難しいと言えるかな?少しの間美観の回復ならやってもいいかな?でもルーフィングの寿命が20年程度だとしたら、数年後にリフォームしないといけないことになるかも
代表
え!塗装して数年後にリフォーム?塗装が無駄になってしまう!
そう、再塗装は目的と時期、屋根、ルーフィングの耐用年数を良く考えないと無駄なお金を使う羽目になってしまうから良く思案するべきなんだ。
代表

 

スレートの塗装/再塗装は、美観の回復の為

スレートの再塗装は美観の回復が目的!

相談で多いのがスレートは塗装すると、寿命が延びるか聞かれますが、難しいです。次の項目である「スレートの劣化の原因、仕組み」を見て貰えれば理解できますが、スレートの劣化、耐用年数に関係する要因は、温度の上下、浸水、乾燥などで、スレートの表表面を塗装しても、寿命が延びるとは言えないです。

KMEW社のカタログには、「色あせが目立つ屋根材をリペイントしては外観を美しく仕上げます」と言っていて、寿命の延長に寄与するとは書いてありません。それはスレートの劣化の仕組みを再塗装で防げないからです。素人目には、塗装は材料を保護し、雨から材料を守ることになるので、少しは長持ちするような気持ちになりますが、そのような研究、論文、根拠となるものがありませんでした。

ただ、全く貢献せず、ゼロなのか?

私の意見では、塗装はスレートを太陽光線から守っていると思うので、少しは再塗装しないものよりは長持ちするのでは?と考えますが、これについては研究論文や、実験データ、メーカーなどの解説にありませんでした。私の思い違いなのかもしれません。塗装屋さんは、違った意見を持っていて「塗装で10年以上は長持ちする」と、塗装業者さんから言われたお客様が複数人いました。

では、スレートの再塗装の可否、時期などをどう考えればよいのか?

再塗装は美観の回復ですので、スレートの耐用年数が20年とすると、築後20年で塗装は塗装費用が無駄になる可能性が大きいので、止めた方が無難です。何故かと言うと、スレートの耐用年数もさることながら、ルーフィングの耐用年数も同じ20年程度なので、数年後、数ヶ月後に雨漏りが発生し、葺き替え工事ってことがあるかもしれません。

築年数から、その可能性は年々大きくなります。そこで、美観の回復として再塗装をやるのが得策なのか?判断する事由なのです。私は再塗装をお薦めしません。

 

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スレートを撤去して葺き替えるメリット

次に、築20年程度で、屋根の葺き替えを考えたとき、スレートを撤去するか?スレートはそのままでカバー工法で工事をした方が良いのか?問題です。どう考えるべきか?

今までは古いスレート材は撤去して、新たに別の屋根材、今はガルバリウム鋼板が多いですが、瓦棒も可能ですし、石粒付鋼板、アスファルトシングルなどもできます。この工法が極当たり前にやられた方法です。

カバー工法のメリットは、一番が古いスレートを撤去&廃材処分する費用がかからないことです。70㎡のスレート屋根では、撤去する費用と廃材を処分するのに、20万円~30万円の費用がかかり、撤去する工法がざっと120~130万円ですから、20~30万円は結構な金額です。

他のメリットはと言うと、スレートを撤去することで、下地を含めた屋根の劣化の様子をつぶさにチェック出来ることです。築20年のところで屋根を下地材からきちんとチェックできることはメリットではないでしょうか?カバー工法では、スレートの下のルーフィングや下地をチェックできません。

一方カバー工法のデメリット;ガルバリウム鋼板でのカバー工法が一番多いのですが、カバー工法としてのデメリットは、いろいろ心配されています。

数十万から百万の結構な工事費用なので、カバー工法についてもチェックする必要があると思います。懸念事項として、考察しています。屋根屋さんの話も聞きつつ、ご自分でも考えてもらいたい重要な事柄と思います。

別ページで更に詳しく比較「撤去か?カバー工法か?メリット、デメリット

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スレートの劣化の原因、仕組み

スレート、コロニアル、カラーベストの劣化は;

  • 夏、雨のための含水、高温下での乾燥の繰り返しによる劣化
  • 冬は、湿気や雨で浸透した水分の凍結・融解の繰り返しによる劣化
  • 夏、長時間にわたる70度近い高温にさらされることによる劣化
  • 1日の変化、季節よる温度変化の繰り返しによる劣化

などが劣化を長期間に渡って繰り返し、やがて材料の反り、表面の剥がれ、割れ、ヒビの発生を起こします。これは表面の塗装とは関係なく起こります。また塗装による太陽光線の防御は殆ど期待できないです。紫外線は「塗装」の劣化を促進しますが、スレートの劣化にはあまり関係がありません。

割れる、剥がれる原因:

材料内水分の凍結・融解の繰り返しです。空気中には常にいくらかの水蒸気、湿気があり、スレートにはその水分があります。冬、この水が凍結すると、ほんの僅かですが体積が増加し膨張します。そして材料中の成分を引き離します。一回や二回では材料自体の成分は割れることはなくても、これが長年繰り返されると、材料中の成分同士の接着している力が衰え、やがて成分が分れてしまいます。

これらの材料中のアスベスト、セメントの成分同士の接着力が徐々に弱くなり分離しまうと、剥がれや割れとなって起こります。

材料の反りの理由:

スレート材料の「曲がり」「反り」は、材料の表と裏での延び縮みが変われば反りが発生します。材料の表側と裏側で湿り気があり、表は太陽の高温で水分が渇き縮み、裏側は水分が残ってわずかに延びると、この乾燥のちがい延び縮みの違いで僅かに外側に曲がっていきます。または表と裏側の温度の違いで、僅かに延び縮み違いが生じます。この僅かの伸び縮みが、5年、10年と繰り返すことで、スレート屋根全体のどこかで反りが発生します。

スレート材の劣化を塗装で遅らせる、劣化を抑えることができるでしょうか?

結果を言うとそれはできないです。石綿スレート材料の表面を再塗装することで、紫外線を防ぐことはできます。しかし、周囲の温度、太陽からの熱は塗装を通って材料に伝わります。塗装すると、おもて表面を雨から守ることはできますが、裏側は塗装できません。

しかし湿気は裏側から、側面からも入り込み上の表面だけ塗装しても、劣化防止の効果はないと考えます。材料の温度変化は塗装では防ぐことはできませんし、劣化の原因を全て軽減できる方法ではありません。

 

スレートの劣化原因:

スレート材料の劣化の原因としてJISに認識されているのは「加熱&冷却、凍結&融解の繰り返し」です。真夏、気温は40℃近く、屋根の表面温度は80℃以上にもなります。夏、スレートはこの環境に昼間2時間~4時間程度晒されます。これが毎日夏の間続きます。冬は水分を含んだスレートが凍結します。凍結すると水は膨張し、材料の内部に負荷をかけます。日中は凍結が融解して元に戻ります。別の寒い日にまた凍結&融解します。これを冬の期間繰り返します。

材料にとっては、真夏や真冬は、過大な負荷がかかる期間です。ヒビ、割れ、欠けなど劣化を発生させる負荷を10年分、20年分、集中して与えるのが促進試験で、10年間の負荷量を数週間で与えるようなことをして短い時間で10年、20年の将来の耐用年数を予想しています。

もちろん、促進試験の結果と実際の年数の劣化の様子も比較する検証も行われています。

JIS規格では耐候性の試験として、耐凍結融解性試験と耐候性試験(加熱試験)があります。これは劣化を促進させる試験で、劣化を促進させる実験として、加熱&冷却、凍結&融解の繰り返しを行う試験ですので、この加熱&冷却、凍結&融解が主な劣化の原因と考えられます。

 

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スレート、コロニアル、カラーベストの耐用年数

予想される耐用年数:20年程度、30年といっているサイトもあります。

「COLORBEST」の水の侵入保証:10年、塗膜保証:2年

KMEWのサイト及びカタログに耐用年数の記述はありません。業界の屋根屋は20年程度なのでは?と考えられています。「COLORBEST」の雨漏り、雨水の侵入の保証は10年、塗装の変色の保証は2年です。ただし保証の適用をうけるには、施工の条件があり、KMEW社の発行する施工マニュアルに準拠していないものは対象外になります。

下地は新しいものにする必要があり、かつその下地の施工条件も規定されています。スレートでのカバー工法は適用外になります。理由は書いてありませんが破損、割れの原因となる施工方法は除外しています。

雨漏りの耐用年数と塗膜、見栄えの耐用年数とは違いそれぞれの耐用年数があると思います。また屋根の耐用年数と屋根材の耐用年数も違いがあると考えます。

屋根用のスレートの寿命は、およそ20年と言われています。30年と言っているサイト、屋根屋もいます。正確な耐候性の実験データ、根拠はなく、またどのような状態になったら材料の寿命なのかもはっきりした定義も曖昧です。塗装が全部剥げたら寿命なのか?塗装が無くなり割れ、ヒビ、反りがひどくなったら耐用年数なのか?はっきりしません。おおよそ20年~30年と業界で言われているだけです。

また、コロニアルの耐用年数が屋根の耐用年数と思っているお客様も多く、表面の様子だけで屋根の葺き替え時期と勘違いしいることも多いです。

スレートの寿命は屋根の寿命ではありません。

 

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屋根の寿命とはどの材料の寿命か?

訪問業者にスレート屋根が劣化して葺き替えるべきです。このままにすると大変なことになる。と言われて相談の電話をかけてこられるお客様は多いのですが、スレート屋根にカビ、苔が生えていたり、割れたり、ヒビがはいったりしているだけの場合が多いです。

この状態で直ぐに葺き替えが必要でしょうか?訪問業者は直ぐにでも工事をと薦めます。

乱暴な言い方をすると、スレートが割れようが、欠けようが、苔、カビがあっても、ルーフィング(防水材)がしっかりしていれば雨漏りにはなりません。雨漏りの仕組みを考えれば理解できるのですが、雨漏りはこのルーフィングが防水機能を失ったときに水が漏れて下地材まで水が入り込む、天井を濡らす状態が雨漏りです。

コロニアル材料には関係ないのです。コロニアルが欠けたりヒビが入ったりすればそこから雨は通常より多く侵入してルーフィングの劣化を早めることはあります。

でもスレートの劣化は直接雨漏りの原因にはならないのです。これは重要で訪問業者につけ入れられるポイントです。コロニアルの劣化イコール雨漏りの発生、屋根の寿命と思い込まされてしまいます。

コロニアル材料が苔、カビで汚くなった、ヒビ、割れで醜くなった、そろそろ仕上材の交換をしたい。と思うのは間違いではありません。これは見かけ、外観の謂わば寿命でその為に屋根を葺き替えることはありと思います。この判断はお客様の主観によります。でも雨漏りとは関係ありません。

つまり、屋根の耐用年数、寿命には、2つ意味があります;

  • 1:雨漏りが発生するまでの耐用年数
  • 2:美観による見た目の耐用年数、寿命

この2つは屋根の耐用年数と言って良いと思いますが、1はコロニアルの耐用年数ではなく、ルーフィングの耐用年数です。2は明らかにコロニアル材の耐用年数、寿命です。仕上材の割れ、欠けは修復出来ないですが、カビ、苔は高圧洗浄で回復することが多く、そのあと寿命が長く残っていれば再塗装でも良いかと思います。築20年で再塗装をしても、直ぐにルーフィングの寿命が来て屋根の葺き替えになると塗装の費用が無駄になってしまって損です。

 

koujijiki

スレート屋根の葺き替えはいつやるのか?どうなったら実施するのか?

正確には、ルーフィングが雨を防ぎきれなくなった頃が葺き替える時期です。判断は難しいです。

雨漏りの部分修理をお薦めしますが、結果葺き替えになることもあります。別ページで解説します。スレート屋根修理のやり方について。

築20年程度のスレート屋根。いつ葺き替えをするのが良いのか?について考察します。私の結論は、雨漏りが数度発生し、部分修理では「もう対応が出来ない、我慢するのが嫌だ」となったら葺き替えと考えます。あくまでも私見です。

良く雨漏りが発生したら、すぐにでも葺き替えを考えるお客様がいますが(もちろん築年数が20年で葺き替えは悪いことではないです。屋根屋ですからお薦めします)、しかし、表面はあまり傷んでいないし、今、葺き替える必要なあるかな?と疑問を持ったら先ずは雨漏りの修理です。

屋根の本体・平部から雨漏りの発生とは、最終的に雨を防御していたルーフィングが劣化したことですから、まずは雨漏りの部分修理です。2回目、3回目と雨漏りが発生したら、全体的にルーフィングの劣化が進んでいると考えるべきで、このあたりが葺き替え、ルーフィングの交換をする時期と考えます。例えばルーフィングの耐用年数は20年程度と思われますので、築後20年で、1回目の雨漏りでやっても良いと思います。

2回目で考えるのか?3回目で葺き替えるのか?予算、あとどのくらいその家に住むのか?屋根屋との相談です。業者は葺き替えるを薦めると思いますが、どこまで部分修理で我慢するのか?です。

雨漏りを1年、2年と放置するのはだめですが、雨漏りを発見したら、直ぐに修理です。何回でも部分修理で済ますのはありと思います。ただ修理でスレートをかなりの枚数剥がしてルーフィングの劣化具合で葺き替えた方が良いと判断する場合もあるかと思います。

良く訪問業者が来て、スレート材の剥がれ、欠け、反りがあって、雨が中に入る直ぐにでも葺き替えをしないと大変なことになる。と営業する業者が多くいますが、大変なことになるのにどのくらいの時間がかかるでしょうか?明日大変なことになりますか?明後日?1週間後?1ヶ月後でしょうか?

この脅かしを良く考えてみると、直ぐに大変なことになるとは思えないのではないでしょうか?慌てず良く調査、考えて雨漏りをどうするか?考えて欲しいです。結論として、1回目の雨漏りで屋根の葺き替えをしても良いと思いますが、初めての1社目の勧めで工事をやってしまわないように気を付けてください。脅しの営業です。

・・・スレート屋根の部分修理の難しさも理解してください。

 

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スレート屋根の断熱性能・特性、金属屋根との比較

スレートの厚さは、5mm程度ですので、ガルバリウム鋼板とかトタンに比較して断熱性能が上では?と思うお客様が多いのですが、スレートや瓦には断熱性能はありません。従ってスレートからガルバリウム鋼板に屋根材を替えても断熱性がかなり悪化することはありません。

スレート材の断熱性能 vs ガルバリウム鋼板、実際に内部の温度を測定してみました。思っていたのと違いますか?

コロニアルとガルバ温度比較グラフ

2つの同じ温度特性の実験BOXを使い、屋根材だけ変えてBOX内の温度を電子温度計で測定しました。屋根材は、緑のグラフ:スレート(KMEWのコロニアル・クワッド)、黒のグラフ:断熱材付きガルバリウム鋼板(アイジー工業、スーパーガルテクト)、気温のグラフの3つの比較です。

測定は朝8時ごろから夕方6時ごろまでで、この日は最高気温が33℃。このグラフで言えることは、ガルバリウム鋼板よりスレート屋根の方が内部の温度は高めです。気温に比べてどちらも暑いことには変わりないのですが、断熱材付きのガルバリウム屋根材の方が多少温度が低いです。

スレートとガルバリウム鋼板では、ガルバリウム鋼板の方が夏は暑くなると考えるのが一般的な考えで、多くのお客様がそう思っていました。でも実際測定すると、その考えは違うと結論できます。使ったガルバリウム鋼板は横暖ルーフαSと同じく良く施工されている屋根材です。

因みにスーパーガルテクトと横暖ルーフαSとは温度特性は殆ど同じでした。

スレートの厚みが5mm程度あり、ガルバリウム鋼板の薄さから判断すると、ガルバリウム鋼板の方が暑いと思われますが、決してそうではないことがわかります。

 

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スレートの不具合、割れ、欠け、ヒビ

カラーベスト(コロニアル)材の施工マニュアル抜粋です。適用工法として野地板とは下地材のことで、必ず既存の下地材を撤去して新しいものを施工するか、既存の上から新しいものを施工することが書かれています。かつ弊社基準のページ(P52)には下地材の段差を3mm未満にすることが記載されています。・・・疑問ですが、KMEWのひとが一々調査に来るのでしょうか?

もう一つは、耐用年数に疑問があり、まだアスベストの代わりになる確固たる鉱物繊維が開発されていないのではないか?という信用性がないこと。アスベストは2006年に全面禁止になりましたが、そのあと出てきた製品が10年前後で不具合を頻発していて、訴訟になった案件も数多く報告されています。

お助け隊でも何回か相談を受けて、実際にお客様の屋根を見せて頂いたことがあります。下のような現状です。

スレートの不具合事例:

コロニアルNEOヒビ

船橋市のお客様、築8年でのKMEW社、コロニアルNEO。上のようなヒビが屋根全体で20箇所ほどありました。直ぐに雨漏りにはならないですが、ヒビが大きくなり雨水の侵入が多くなると、ルーフィングの劣化を早めることになる可能性があります。

これらのヒビの修繕はコーキングで取りあえずの処置ができますが、劣化を止めるまでには至りません。この件では保証の範囲なので、KMEWからは材料が支給されるということでしたが、施工費用は自前です。施工会社に瑕疵はありませんが施工費用を少しでも値引きしてもらうよう交渉もするべきです。

コロニアルNEO変色

不具合は、ヒビばかりではありません。材料の色です。塗装が劣化したものと思われますが、その劣化の度合いが一枚一枚違っています。メーカーの説明ではロットによる違いと言っていたようです。一様な変化ではないので、疑問が残ります。

NEO築5年の不具合

横浜市の案件です。こちらは築5年、同じくコロニアルNEOの様子です。そんなにひどい不具合は見受けられませんが、左の材料は浮き、反りがあります。右は剥がれそうなヒビです。10年保証で5年でこのように浮きやヒビが発生している案件で、お客様は全面ガルバリウム鋼板への葺き替えを決断しています。

コロニアルNEOは、アスベストが禁止をされた前後に開発された、アスベストのない材料です。しかし、アスベストの代替え品として使われた鉱物繊維は、まだまだの感があります。今のスレート材が耐用年数20年以上あると証明されるのは、20年後です。およそ2030年頃まで無傷で残っていれば、KMEWの仕上材は大丈夫となるかもしれません。

 

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スレート屋根葺き替え費用/スレートを撤去して他の材料での施工費用概算

スレート屋根葺き替えタイトル画像

施工費の価格は、屋根工事お助け隊の独自の調査を元に出しています。細かい部品などは、メーカーのカタログ価格、提携の屋根屋の見積、請求書などからの金額を参考にしています。全国の屋根屋の平均価格ではありません。また全国の施工費用相場を言っているわけでもありません。ですから、価格は参考までに、正確には屋根屋からの見積を貰ってください。相見積が必須になります。屋根工事お助け隊工では最低5社、面倒でも3社は取ってください。

10坪スレート屋根サンプル画像

例えば、建坪10坪、2階建て一階、二階屋根の総面積は49.3㎡のスレート屋根を撤去して、ガルバリウム鋼板で葺き替える概算費用を出してみます。

足場設置・スレート撤去、・廃材処理、・ルーフィング施工、・ガルバリウム鋼板本体施工、・本体以外の部品施工、・足場撤去で完成です。

スレート屋根撤去での葺き替え費用概算をお知らせします。

アスベストを含んだスレート、コロニアルを撤去する費用の単価は、¥1,800/㎡、この廃材を産業廃棄物として専門の業者まで運搬し、引き取ってもらう費用が約¥1,800/㎡。廃材処理費用は屋根屋によって大幅に変わってきますので、見積で確認してください。

注意:アスベストが入っているということで法外な金額をとる業者がいますが、この価格でも充分利益がありますので、よく確認してください。

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ガルバリウム鋼板で葺き替える概算費用/スレート撤去含む

既存のスレートを撤去する屋根葺き替え方法です。スレートを撤去後防水材であるルーフィングを施工し、新しい仕上材を施工する方法です。下地はスレートを撤去後雨漏りなどで柔らかくなっていないかチェックし、異常があればその部分の下地材をコンパネ910mm X 1820mmごとに交換です。分かりやすいようにサンプルの屋根を用いて概算を計算します。

税込合計: ¥ 832,000 -  ガルバ・葺き替え費用の詳細ページ

 

石粒付鋼板で葺き替える概算費用/スレート撤去含む

同じサンプルハウスをつかってスレート撤去後の石粒付鋼板の葺き替え費用です。

足場設置・スレート撤去、・廃材処理、・ルーフィング施工、・石粒付鋼板本体施工、・本体以外の部品施工、・足場撤去で完成です。

税抜合計: ¥ 927,000 -  石粒・葺き替え費用の詳細ページ

 

アスファルトシングルで葺き替える概算費用/スレート撤去含む

同、スレート材撤去後のアスファルトシングルでの葺き替え費用です。

足場設置・スレート撤去、・廃材処理、・ルーフィング施工、・アスファルトシングル施工、・本体以外の部品施工、・足場撤去で完成です

税抜合計: ¥ 723,000 -  シングル・葺き替え費用の詳細ページ

 

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カバー工法/スレートの上から重ね葺きする費用

スレート屋根カバー工法での概算タイトル

ガルバリウム鋼板でのカバー工法概算費用

ガルバリウム鋼板でのカバー工法概算:上記スレート撤去&廃材処理費用を除くと

税抜合計: ¥ 653,000 -   ガルバでのカバー工法費用詳細

 

石粒付鋼板でのカバー工法概算費用

石粒付鋼板、ジンカリウムでのカバー工法概算:上記スレート撤去&廃材処理費用を除くと

税抜合計: ¥ 748,000 - 石粒でのカバー工法費用詳細

 

アスファルトシングルでのカバー工法概算費用

アスファルトシングルでのカバー工法概算:上記スレート撤去&廃材処理費用を除くと

税抜合計: ¥ 535,000 - シングルでのカバー工法費用詳細

当然スレートを撤去する費用と廃材処理の費用がなくなるのでスレートを撤去する費用、この大きさの屋根では、約17万円が節約できることになります。

 

 

雨音/スレート材

住宅屋根用化粧スレートは、雨音は殆どありません。実際に雨音を測定してみましたので、聞いてください。同じ条件:一つの試験BOX、降らす雨の量などを同じにした各種屋根材の中での音測定です。録音レベルが測定機材の関係で小さいので、ヘッドホン、イヤーホンなどで聞いてください。また、スレート単体ではどれくらいの音なのか良くわからないので、トタンや横暖ルーフαSなどの雨音と比較すると、わかります。

雨音の測定、夜は気になる雨音/各屋根材での測定と対策

あくまでも相対比較ですので、お客様の屋根の雨音とは同じではありません。@

 

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リフォームでのスレート施工はメーカー保証がありません:2022年

2022年春の新しいKMEWのカタログに、スレート材(グランドネクスト、カラーベスト全製品)において、製品保証は新築物件に限るという制限が新たに記載されました。(KMEW 屋根材総合カタログ2022.3 参照)

コメント:

以前のカタログには、スレート材、コロニアル(KMEWの商品名:カラーベスト)は保証が10年、耐用年数は20年程度、塗装の色の変色保証は2年の保証がありましたが、2022年3月発行のカタログから製品保証の規定が変わって、新築以外(リフォーム)での保証が無くなりました。

屋根葺き替えの保証には、2つあって、メーカーが保証する製品保証と施工会社が行う施工保証がありますが、これからの工事では、このKMEWの製品を使っての工事には、屋根屋の施工保証のみとなります。

屋根材選択の参考としてください。また、このことはどういうことなのか?疑問に持たれた方は、直接メーカーに問い合わせるか、お助け隊まで(0120-58-1152:小形まで)

 

matome

まとめ

スレート材、コロニアル、カラーベストの耐用年数は、2006年以前に製造されたアスベストを含有されたものでは、20年~30年程度あると思われます。2006年にアスベストが禁止になってからの製品は、まだまだ耐用年数の実績がなく、リフォームに使うのは不向きと考えます。理由は2つ、メーカーの保証が無いことと、耐用年数に疑問があるからです。

 

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