スレート屋根の葺き替え|カバー工法か撤去か?

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スレート屋根のカバー工法は条件が合えば費用はかなり有利

今最も契約数が多い、スレート屋根葺き替えではガルバリウムによるカバー工法工事です。しかし、カバー工法は全てのスレート屋根でできることではありません。工事の条件があります。

また、カバー工法のデメリット、メリットがありますのでそれを良く踏まえてカバーにするのか、撤去して葺き替えをするのか、決めなければなりません。

カバー工法のデメリットだけを主張し、カバー工法を薦めないサイトもありますが、一方的に反対するのもお客の利益を代弁しているとは言えないと考えます。カバー工法の最大のメリットはスレート材の撤去費用を節約できることです。

カバーできる条件を考え、これとデメリット、メリットを考慮して決めるべきです。その条件、デメリット、メリットをお知らせします。

次の場合はカバー工法ではなく撤去工法を考えるべき:

1:下地材がひどく雨漏りなどの理由で柔らかくなって釘、ビスがきかない場合

2:下地材が劣化していなくてもスレート材の劣化がひどく工事中に粉々になりそうな場合

3:スレート屋根で雨樋がぎりぎりの施工の場合、つまり雨樋の施工が良くない場合、カバー工法で雨水の落ちる位置に不安が残る場合。(雨樋の調整、最悪架替が必要になるかも)

4:古い汚くなったスレート材を残すのが精神的にやな場合(苔、カビは水と太陽を遮ると死滅しますが、その残骸は残ります。栄養分は空気中のホコリなどでこれも絶たれます)

5:カバー工法で屋根の重量が増します。ガルバリウム鋼板+ルーフィングの重さです。これは耐震に多少影響を与えて耐震性能を劣化させます。どの程度かは、別ページで解説。これを避けたいとき

 

スレート屋根葺き替えの方法:カバー工法のメリット、デメリット

カバー工法ができる条件をクリアしたら、カバー工法ができます。その一番のメリットは、なんと言っても工事費用です。スレート材の撤去費用ばかりではなく、2004年以前のスレート材にはアスベストが含有されていて、産業廃棄物としての処理費用がアスベスト以外の残材より1割、2割割高になります。また地方によってはこの処理費用がかなり高くなっているところもありますので、これも考慮する項目になります。・・・アスベスト入りのスレート材処理費用について

軽量な金属瓦でのカバー工法のメリット:

1:スレート材の撤去費用(約¥2,000/㎡)と処理費用 (約¥2,000/㎡、地方によって業者によってまちまち) が必要ありません。60㎡のスレート屋根で:撤去と処理で¥240,000ですから、ばかにできないです。

2:僅かですが、重ね葺き工法(カバー工法)は断熱性能の向上が期待できます。

3:これも僅かですが、ガルバリウム鋼板だけの屋根より雨音が軽減されます。

4:撤去する方法より工事の期間が短くできる。(少なくとも1日短い)

カバー工法のデメリット:

1:カバー工法ではスレート材重量の1/4のガルバリウム鋼板が最も良く使われる材料ですが、これプラスルーフィングの重量が屋根に加わるので、耐震的には不利です。ではどれくらい悪化するのか?・・・カバー工法の耐震について

2:アスベストの処理を先延ばしにします。最後にはアスベストの処理をしないといけないのですが、その廃材処理を何年か先にすることになります。アスベストが飛散することはないのですが、それを封印することになります。

3:スレート材の上にルーフィング、ガルバリウム鋼板、シングル材は釘で固定しますが、その際スレート材が割れることがあります。割れるとルーフィングが傷つきます。雨漏りの原因になる可能性があります。・・・ですからカバー工法の場合は自着式のものを使いスレート材が割れない工夫が必要です。自着式のルーフィング+耐用年数30年の高耐候性のものを二重にすると安心です。撤去費用に比べて遥かに安価です。

4:あまりないのですが、カバー工法により屋根の高さが高くなります。20mm~30mmですが、これにより雨樋の位置が違って雨をうまく受けられないことが発生します。この場合は雨樋の調整、最悪架替が必要になります。

・デメリットについては、対策もありますのでその項目も参照してください。

●下地材の劣化が進んでいて、これに釘、ビスが効かない場合はデメリットではなく不可です。

 

スレートのカバー工法、最大のメリット/費用、価格の比較

スレート屋根の葺き替えでカバー工法と撤去する方法での工事費用の比較です。わかりやすいように、屋根のモデルを考えます。次の家、屋根を想定します。

サンプル:建坪 11坪の木造家屋

建坪11坪のサンプル屋根画像
モデルの住宅:
建坪:11坪(36.3㎡)、2階建て、3LDK
屋根:コロニアル、スレート、屋根面積:51㎡
1階:7.27㎡、2階:43.8㎡
勾配:4寸
棟の長さ計:6.4m、軒先長さ計:6.4m
けらばの長さ計:17.4m
壁の取合:5.8m(一階下屋部分)

このスレート屋根の葺き替え費用:カバー工法とスレート材を撤去する費用の工事費用の比較です。

葺き替え項目撤去の場合の費用カバー工法の場合単価単位数量備考
税抜き工事合計¥ 832,000¥ 618,000概算の為千円未満四捨五入
内訳:
スレート材撤去費用¥102,000¥2,00051ルーフィング撤去清掃含む
廃材処理費用¥102,000¥2,00051運搬費含む価格
ルーフィング施工費¥45,900¥45,900¥90051NEWライナールーフィング 耐用年数:30年
ガルバリウム鋼板本体施工費¥ 331,500¥ 331,500¥6,50051スーパーガルバリウム鋼板仕様
棟部分施工費用 ¥ 19,200¥ 19,200¥3,0006.4
2階建大屋根の棟
軒先水きり部分¥ 23,850¥ 23,850¥1,50015.9軒先に施工する部品、軒先唐草
けらば部分雨抑え¥ 43,500¥ 43,500¥ 2,50017.4切り妻屋根の横部分
壁の取合部分雨抑え¥ 20,300¥ 20,300¥3,5005.8一階下屋の壁と屋根との間の部品
足場設置&解体費用¥104,000¥104,000¥800130工事の為の足場費用
屋根工事の小計¥ 792,250
¥ 588,250
諸経費(工事費の5%)¥ 39,613¥ 29,413

注:価格表でルーフィングは、高耐久性(耐用年数30年)のものを使用。ガルバリウム鋼板はスーパーガルバリウム鋼板、ニチハの横暖ルーフS、アイジー工業のスーパーガルテクトを想定。金額は概算なので千円未満は四捨五入。諸経費とは、交通費、雑費など工事に関わる細かい費用の請求です。これは請求しない屋根屋も多いです。

 

カバー工法のデメリットの解説/対策、工法、材料の選択

デメリット1の解説:重量の増加はほとんどの屋根で大丈夫

家の構造、耐震診断の元々の評価値が重要ですが、評価が6.9%悪化して家が倒壊したら。申し訳ありませんが、その家はもともと倒壊する家だったと考えられます。

例を上げなければ理解できないとおもいますので;

カバー工法で屋根が重くなった例/耐震診断例

元々耐震に強い家:保有耐力:260 [kN]の場合
スレート屋根の場合の評価点:1.5028、カバー工法で屋根を葺き替えた評価点:1.4054
耐震評価は、「倒壊しない」から「一応倒壊しない」にかわります。

元々耐震に弱い家の場合:保有耐力:184 [kN]の場合
スレート屋根の場合の評価点:1.0635、カバー工法で屋根を葺き替えた評価点:0.9945
耐震評価は、「一応倒壊しない」から「倒壊の可能性がある」にかわります。

評価点 1.0が倒壊するしないの分岐点です。元々の評価点が 1.0635の家が倒壊しないのか?と言ったらそんな保証はありませんし、評価が 0.9945の家が簡単に倒壊するとも限りません。そして元々耐震評価が 1.5以上の家は例えカバー工法をやっても倒壊しない可能性の方が大きいということも理解出来たと思います。

ここでのまとめ:

カバー工法で耐震の評価は下がりますが元々のその家の評価が重要で、その上でどれだけ評価が悪化するのか?を考える必要があります。また簡単にスレート材を撤去すれば単純に耐震の評価は僅かではありますが上がります。これと費用とを天秤にかけてどうするのがベストかを考えてほしいです。

デメリット3の解説:ルーフィングを自着式にすると解決します

自着式のルーフィング材は、裏面に接着剤がありルーフィングの全面で固定しますので、釘、ビスを使いません。これによりスレート材が割れる、かけることがなくなります。足でふんで割れても割れた箇所をカバーするので、ルーフィングを傷つけることはありません。優れたルーフィングです。

 

スレート屋根のカバー工法に使える他の軽量屋根材

スレート材は重量が1㎡で20Kgと金属屋根材より4倍もの重さが実はあります。ガルバリウム鋼板は5Kg/㎡ですのでかんり軽量です。ですからスレート材より軽い屋根材なら施工しても安心です。ではその他の屋根材にはどんなものがあって、その特徴は何か?解説します。

耐用年数:50年、保証30年/石粒付鋼板、ジンカリウム鋼板

ガルバリウム鋼板よりちょっとだけ高いがデザインが気に入ればコストパーフォーマンスは、抜群の屋根材です。 スレートのカバー工法でも使える屋根材です。提携の屋根屋での施工実績もあります。ガルバリウム鋼板とおあんじくらい軽いです(7Kg/㎡、スレート材:20Kg/㎡)

ガルバリウム鋼板よりお助け隊の提携屋根屋の価格で1割から2割り程度高いだけです。ここ1,2年で契約数が延びてきている製品です。しかし、ガルバリウム鋼板と同じ金属材料ですが、表面に石粒をアクリルでコーティングしているので切断し難い施工がやりにくいのです。ここがネックであまりやりやがらない屋根屋も多いです。

しかし、そおを逆手にとって、他の屋根屋がやらないのならうちがやりましょうとこれを得意にしているお助け隊の提携屋根屋もいます。要は切断もやり方なのです。保守的な屋根屋さんもいるということです。価格はあまり変らない手間は、かかるのでしたら、楽なほうをやりたいですよね。でもそうはいかないです。

石粒付鋼板/ジンカリウム鋼板|エコグラーニとディプロマット

具体的な製品銘を紹介すると:

・ディートレーディング社/エコグラーニ、ディプロマット
・DECRA System/AHI社の製品ブランド、AHI社は買収され他の会社名に
・Tilcor(ティルコア社、旧メトロタイル社)
・株式会社鶴弥/瓦製造会社がReCoRoof石粒付鋼板を販売/転売品
・株式会社佐渡島/ストーンウェーブI型、II型、III型自社開発
・LIXIL/T-ルーフのモデル3種類、3製品を取扱/海外製品の輸入販売

この中でリフォームで良くきく製品は、ディートレーディング社のエコグラーニ、とディプロマットです。提携の屋根屋さんもこの製品を得意としているので、宣伝も兼ねて紹介hします。屋根の写真と価格(概算)をしたに掲載します。

ジンカリウム鋼板・エコグラーニ

■エコグラーニ/ディートレーディング社(日本の法人)

ディプロマット・グラディエーション施工

■ディプロマット/ディートレーディング社(日本の法人)

スレート材の葺き替え費用/ジンカリウム鋼板にて

上の建坪11坪のサンプルの家を使った概算でスレート材のジンカリウム鋼板による屋根葺き替え費用をお知らせします。

建坪11坪のサンプル屋根画像
モデルの住宅:
建坪:11坪(36.3㎡)、2階建て、3LDK
屋根:コロニアル、スレート、屋根面積:51㎡
1階:7.27㎡、2階:43.8㎡
勾配:4寸
棟の長さ計:6.4m、軒先長さ計:6.4m
けらばの長さ計:17.4m
壁の取合:5.8m(一階下屋部分)

 

ジンカリウム鋼板施工価格概算:ディプロマット、エコグラーニは同価格です。

葺き替え項目撤去の場合の費用カバー工法の場合単価単位数量備考
税抜き工事合計¥ 894,000¥ 680,000概算の為千円未満四捨五入
内訳:
スレート材撤去費用¥102,000¥2,00051ルーフィング撤去清掃含む
廃材処理費用¥102,000¥2,00051運搬費含む価格
ルーフィング施工費¥45,900¥45,900¥90051NEWライナールーフィング 耐用年数:30年
ジンカリウム鋼板本体施工費¥ 357,000¥ 357,000¥7,00051エコグラーニ、ディプロマット仕様
棟部分施工費用 ¥ 25,600¥ 25,600¥4,0006.4
屋根の天辺部分
軒先水きり部分¥ 39,750¥ 39,750¥2,50015.9軒先に施工する部品
けらば部分雨抑え¥ 52,200¥ 52,200¥ 3,00017.4切り妻屋根の横部分
壁の取合部分雨抑え¥ 23,200¥ 23,200¥4,0005.8一階下屋の壁と屋根との間の部品
足場設置&解体費用¥104,000¥104,000¥800130工事の為の足場費用
屋根工事の小計¥ 851,650¥ 647,650
諸経費(工事費の5%)¥ 42,583¥ 32,383

アスファルトシングル/通称・シングル/釘・ビス不要の優れもの

日本ではあまり人気がないですが、米国では、一般木造住宅の屋根は多くがこのアスファルトシングルです。住人自身で撤去&施工ができ、米国の建材店では普通に扱っている屋根材です。勿論スレートのカバー工法もできます。

あまり屋根屋、サイトで言っていませんが、この材料は自着式のルーフィングと共に施工すると、釘、ビスを使わずに施工ができる。という他の屋根材にはできない特徴があります。雨漏りの原因である屋根材を固定する釘、ビスを使わないということは雨漏りの原因、遠因をすべて無くすという画期的な工法です。

え!釘、ビスを使わないということは接着剤で固定する?でも台風などの強風で飛ばされてしまうのでは?という疑問があると思います。その質問については、アスファルトシングルのページで詳しく述べていますのでそちらをご覧ください。長くなりますので、で価格と製品の施工例です。

アスファルトシングル画像

葺き替え項目撤去の場合の費用カバー工法の場合単価単位数量備考
税抜き工事合計¥ 729,000¥ 515,000概算の為千円未満四捨五入
内訳:
スレート材撤去費用¥102,000¥2,00051ルーフィング撤去清掃含む
廃材処理費用¥102,000¥2,00051運搬費含む価格
ルーフィング施工費¥45,900¥45,900¥60051普及品、ゴムアス
シングル本体施工費¥ 357,000¥ 357,000¥5,80051オークリッジ・スーパー仕様
棟部分施工費用 6.4
本体に含む
軒先水きり部分¥ 39,750¥ 39,750¥2,50015.9
けらば部分雨抑え17.4本体に含む
壁の取合部分雨抑え¥ 23,200¥ 23,200¥3,5005.8一階下屋の壁と屋根との間の部品
足場設置&解体費用¥104,000¥104,000¥800130
屋根工事の小計¥ 851,650¥ 647,650
諸経費(工事費の5%)¥ 42,583¥ 32,383

 

まとめ:

スレートの葺き替えには、カバーが可能なガルバ、石粒付鋼板、シングルなどがある

スレート材(コロニアル、カラーベスト)の葺き替えには、撤去方式とカバー工法がありますが、施工する新しい屋根材には、ガルバリウム鋼板(スーパーガルバリウム鋼板)、石粒付鋼板(ジンカリウム鋼板)、アスファルトシングル(シングル)、やりませんがトタン、瓦棒も撤去してからでは可能です。瓦はスレート材の2倍以上の重さがあり、施工することはできません。上の価格表を見ても、スーパーガルバリウム鋼板、ジンカリウム鋼板、シングルとそんなに価格に開きがあるわけではなく、1割~2割り程度の枠に入っていると思います。

ここに示した概算価格はあくまでも概算であって正確な施工価格は提携屋根屋の現地調査の後になります。また電話でも、現在の屋根材、屋根のおおよその広さ、階数、築年数などをお教え頂ければ概算をその場でお答えいたします。ベストな屋根材、工法もアドバイス、屋根屋の紹介も可能です。

以上です。

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