アスファルトルーフィング

瓦は異常なし、でも雨漏り!何故?/ルーフィングの証明

瓦に異常がないのに、台風や強風時に雨漏りがするのは何故か?

 それは防水材であるルーフィングの劣化(穴、破れ、薄くなる、ボロボロ)などの為です。仕上材には関係ありません。なので、仕上材に異常が無くても雨漏りは起こり得ます。

 スレート材、コロニアル屋根でもしばしば、相談がありますが、築30年程度経過した屋根は、ルーフィングの劣化が大きく、防水機能が著しく無くなっています。それで雨漏りが発生するのですが、この場合は横殴りの降雨時に顕著に浸水します。下の屋根を参照してください。・・・実際のお客様の屋根を開いたところ。

瓦の下のルーフィングボロボロー01

 

瓦の下のルーフィングボロボロー02

瓦屋根の全景:屋根裏の点検するために一部瓦を剝がした個所:右が南側

この状況を解説すると・・・

瓦の下のルーフィングボロボロー03

屋根南側、築38年の経過でルーフィングは殆どボロボロ、防水機能が全く機能していません。青いチリチリの破片がルーフィングと思われます。築35年程度でもしっかりルーフィングが残っている屋根も多いのですが、ここは残念な結果になっています。

解説はここから;

瓦は一か所も割れ、欠け、ひどいズレなど全くありませんでした。しかし、施主様によると、1年に一度か二度、台風の横風がすごいときに天井に染みができるそうです。雨漏りです。しかし、シミは極僅かで直ぐに乾いてしまって、問題なかったので、放置していたとのことでした。

軽量化のため瓦を撤去して屋根材を軽い石粒付鋼板に葺き替えたいとのことでした。(実施済)その時に聞かれたのですが、何故、一階、二階とも瓦は殆ど異常がないにもかかわらず、雨漏りするのでしょうか?との質問。

答えは、お分かりのように、ルーフィングが全く機能していないからです。雨が風もなく普通に垂直に降れば瓦が水を防ぎ、例えルーフィングがなくとも雨は中に侵入できません。しかし、風が強く横方向から降る場合は瓦の隙間から雨が入ってきて、ルーフィング役に立っていませんので、雨漏りになってしまうという仕組みです。幸いにも大きな雨漏りにはなっていなかったのですが、すでに屋根の耐用年数としては過ぎていると言っても過言ではないと思います。

スレート、トタンも瓦屋根も同じですが、これら仕上げ材が無事でもルーフィングが劣化して雨漏りが発生する時期なら屋根の耐用年数が来ています。

仕上げ材が何ともないのに雨漏りがあるということは、ルーフィングの劣化が考えられます。そして屋根自体の耐用年数が来ていて、ルーフィングの交換が必要な場合が多いです。

比較:築32年の瓦屋根の別工事例

下の写真は2020年4月に受注した瓦の葺き替え工事、瓦を撤去するときの様子になります。撤去した後その直下のルーフィングの劣化度合いを見てみます。施工から32年、上記雨漏りの工事例での築年数は、38年で経過年数はこの屋根が6年程短いのですが、ルーフィングの劣化度の違いが確認できます。

築32年・瓦屋根のルーフィング劣化

棟部分だけ撤去した瓦屋根、平瓦は結構綺麗です。撤去するのが勿体ない!ところどころに滑り止めの板があります。作業用の足場です。

築32年・瓦屋根のルーフィング劣化撤去後1

瓦を撤去した後、その下にあるルーフィングです。破れている個所が数か所ありますが、まだルーフィングは残っていますが劣化はそれなりにしています。ここは意見が分かれるところと思います。まだ使えるのか?いや交換は必須だ!と

ルーフィングの劣化・瓦

32年の経過、ルーフィングは残っていますが基本的には要交換です。しかし、雨漏りは32年間一度もありませんでした。これを考えると葺き替えが「必須」かというと、私はそうは思いません。

ルーフィングがボロボロな例では葺き替えの緊急度はかなり高いと思います。しかし、下の築32年の例では、雨漏りがないので(葺き替えの動機は別にあって屋根の軽量化です)今直ぐに葺き替えなくても良いと思っています。少なくとも「葺き替えないと大変なこと」にはなりません。雨漏りがあったらルーフィングを部分的に修理して、何回目かの雨漏りの時に葺き替えでも全く問題ありません。

瓦がある状態で、この劣化が確認されていない状態で、まだ使えるというのは、雨漏りが発生したらすぐに部分修理。また他の個所が雨漏り・・・これをいつまで我慢できるか?もう雨漏りの心配は我慢できない!葺き替えだ!と屋根全体の葺き替え(実はルーフィングの交換が重要)をするのでも一向にOKです。

しかし、直ぐに葺き替えだ、いやまだ大丈夫と意見が分かれると言いましたが、大方の屋根屋(屋根の専門家)の意見は葺き替えた方が良いと答えると思います。私も必須ではないですが、葺き替えをお薦めします。

この築32年の例では、瓦を全部撤去したので、ルーフィングの様子が分かったので、葺き替えを薦める根拠、理由が明確です。しかし、たまたま瓦を撤去したのでルーフィングの様子が明らかになりましたが、何もない場合はそのまま、このルーフィングを使い続けるわけです。次の雨漏りまで多分お客様は何もしないと思います。

まとめ

瓦屋根の屋根の葺き替えが必要かどうかは、瓦を一部でも撤去してルーフィングの状態をチェックすることが良いです。ルーフィングの製品によっては30年近くでも雨漏りがない場合も多いです。しかし、雨漏りが発生したら、ルーフィングのことを考えてください。築年数は重要な項目になります。仕上げ材ではありません。

 

 

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