屋根材について

ガルバリウム鋼板の情報まとめました/メーカー、性能、特性

更新日:

ガルバリウム鋼板は、1972年、米国ベツレヘムスチール社が開発した画期的なメッキ鋼板です

 ガルバリウム鋼板は、1972年に当時米国で隆盛を極めたベツレヘムスチール社(Bethlehem Steel Corporation:1904–2003、ペンシルベニア)が開発したメッキ鋼板で、その後半世紀以上に渡って世界中で使われた製品です。

現在、ガルバリウム鋼板のライセンスを所有しているのは、BIEC International Inc.でGalvalume®(世界的な登録商標)のライセンスを供与する企業体になっています。この会社はBlueScope Steel Ltd.傘下の関連企業です。余談ですが、BlueScope Steel Ltd.は、新日鉄住金(現日本製鉄)とSGLの共同開発も行いました。

2020年1月現在でGalvalumeのライセンスを供与している会社は全38社で世界中にあり、その主な製造会社は次の組織体です。英語では、Licensees of 55% Al-Zn Coated Steelになっています。アルミニウム55%の亜鉛メッキ鋼板のライセンスです。

・United States (アメリカ):

  • AM/NS Calvert
  • Steel Dynamics Inc.
  • Steelscape Inc.  登録商標:Zincalume
  • Ternium USA
  • U.S.Steel Corp.
  • Wheeling-Nisshin, Inc.

・Australia:(オーストラリア)

  • BlueScope Steel  登録商標:Zincalume

・Japan:

  • JFE Galvanizing
  • Maruichi Steel Tube
  • Nisshin Steel Co., Ltd.
  • Nittetsu Sumikin Kohan
  • Yodogawa Steel Works, Ltd.

ここで注意なのが、BlueScope Steel、Steelscape Inc.は、アルミニウム55%の亜鉛メッキ鋼板の製品を「Galvalume」とは言わず「Zincalume」という独自の名前で登録商標(Trademark)を使っています。製品は全く同じですが、登録商標・名前が違っています。

 ちなみに、BIECは、BlueScope Steelの傘下企業です。???変ですよね!

また余談ですが、この「Galvalume」は他のメーカーも独自の登録商標を持っているところもあります。

・Industrias Monterrey S.A.:「ZINTRO-ALUM」の登録商標

・Galvak, S.A. de C.V.: 「GALVAL」の登録商標を使っていました。でもこの2社は、既にリストにその名前がありません。日本の「Nittetsu Sumikin Kohan」も既にこの会社はなく、「日本製鉄」が引き継いでいます。

・新日鉄住金: 日本語の登録商標は「ガルバリウム鋼板」。ガルバリウム鋼板という名称の登録は、新日鉄住金(現日本製鉄)が持っています。

 

ガルバリウム鋼板(Galvalume)の定義

上記に書いたように、Galvalumeは、BIECの登録商標で、Zincalumeは、BlueScope 社とSteelscope社の登録商標、日本語のガルバリウム鋼板商標権は今は日本製鉄がそれぞれ持っています。

ガルバリウム鋼板の定義、および技術的な規定は、ISO、およびJISにて規格化されていてJISではISO9364に準じてJIS3321に規定されています。JIS3321-2010では; 質量で; 55%:アルミニウム、1.6%:ケイ素、シリコン、残り亜鉛を標準組成とする溶融メッキ鋼板とする。JISでは当然「ガルバリウム鋼板」という名前は「日本製鉄」の登録商標なので出てきません。

JIS3321-2010には屋根材でのガルバリウム鋼板の規定があります(ISO9364にはない)

・JIS3321-2010、附属書JA(規定):屋根用の板に適応する厚さおよびメッキの付着量の規定は;鋼板の厚さ:0.35mm以上で、メッキ量:AZ150、0.27mm以上0.5以下でメッキ量:AZ90、AZ120、AZ150 に規格されている。

補足: AZ150とは?:

AZは、JIS規格内メッキの付着量を規定している記号で、AZ150は、メッキの厚さが;0.054mm=54μm(ミクロン)であることを示しています。同様にAZ90は33μm、AZ120は43μmでこの中ではAZ150が一番メッキ層が厚いです。つまり一番耐用年数が長いと考えられます。ガルバリウム鋼板は鉄鋼会社が生産していますが、ガルバリウム鋼板の屋根材は、屋根材メーカーが鉄鋼会社からガルバリウム鋼板を買って屋根材に加工しています。では、各屋根材メーカーはどの規格のガルバリウム鋼板を使っているか?そのガルバリウム鋼板の主に厚さを紹介します。

ガルバリウム屋根材;各メーカーの厚みとメッキ量

ガルバリウム鋼板屋根材のJIS規格でどの規格に準じた製品を屋根材メーカーが採用しているか?調べのですが、カタログ、および問い合わせ窓口では詳しいことは公開していないようで、カタログでの表記確認までです。

ニチハ株式会社:横暖ルーフSシリーズ、ここの製品はSGLを使ったものとガルバリウム鋼板を使ったものに大別されます。

ガルバリウム鋼板の厚さ:0.35mm; 350μm、メッキ規格:不明、4種類の製品がありますが、全て鋼板の厚さは、0.35mm=350μm。

・アイジー工業:スーパーガルテクトシリーズ、3種、カタログには鋼板の厚さは記述がないが、メッキの規定はあり、AZ150を使用。メッキ厚:54μm、3種の全製品

・福泉工業:MFシルキー:鋼板の厚さ:0.35mm=350μm、メッキ厚:記載なし、通常のガルバリウム鋼板、鋼板の厚み:鋼板の厚さ:0.35mm=350μm、メッキ厚:記載なし

・稲垣商事:ヒランビー:鋼板の厚さ:0.35mm=350μm、メッキ厚:記載なし

・株式会社セキノ興産:柾目FLeX:鋼板の厚み:0.4mm:メッキ厚:記載なしダンネツトップ:鋼板厚さ:0.35~0.4mm、メッキ厚:記載なし。

・JFE鋼板株式会社:優雅やね:鋼板厚み:0.35mm、メッキ厚:

・さいわいルーフ(日本ルーフ建材株式会社):さいわいルーフさざ波:鋼板の厚み:0.4mm、メッキ厚:記載なし、さいわいルーフしおさい:0.35mm、メッキ厚:記載なし。

・千代田鋼鉄工業株式会社:チヨダカラーGL HF20:鋼板厚、メッキ厚:JIS3322規格品。

・ビルドマテリアル株式会社:ワイド220:鋼板厚:0.35~0.5mm、メッキ厚:記載なし。

・月星商事株式会社:横葺MSタフワイド、タフルーフ:鋼板厚み:0.35、0.4mm、メッキ厚み:記載なし。

 

ガルバリウム鋼板の鋼板自体の厚みは、0.35mmと0.4mm、メジャーなガルバリウム鋼板屋根材、横暖ルーフSやスーパーガルテクト、JFE鋼板の製品は0.35mmとなっています。JIS3321-2010で厚さ0.35以上とありますので、最低のラインで製品化したと考えられます。耐用年数を鑑みると、鋼板の厚さよりメッキ層の厚さが問題になって、これは屋根用では、一番厚いAZ150:0.054mm=54 μmが規定されています。メッキ層の厚みを厚くすれば耐用年数は長くなります。

また、ガルバリウム鋼板屋根材の耐用年数は、一番有名なベツレヘムスチール社の実験では25年以上です。(言い切ってしまいます)しかし、AZ150以上のメッキを施すには、鋼板メーカーとしては特注品になってしまい、材料の価格が高くなって屋根材メーカーとしてはガルバリウム鋼板屋根の価格にダイレクトに効いてきますので、そのような製品はあまり市場に出ないと言って良いと思います。各屋根材メーカーもメッキ量の記載がないのは、AZ150なのであえて書かない?のだと考えます。そこまでカタログに記載しても利益がないと考えているのかもしれません。

ガルバリウム鋼板屋根材の組成図:

ガルバリウム鋼板屋根材の組成

塗装層の厚さは、JIS規格にはありませんが、一般に工場での焼き付け塗装1層では、20μm~60μmなので、おおよその値として50μmを使ってみました。ニチハの横暖ルーフαプレミアムSでは、フッ素塗装の塗膜は、2回塗られていて、塗膜は厚いです。塗装層の厚さは記述がありません。

 

ガルバリウム鋼板を「溶融55%AL-Znめっき鋼板」と記述する訳

 Webサイトには、「ガルバリウム鋼板」という名前が沢山出てくるのに、ガルバリウム鋼板を作っているメーカー、例えばJFE鋼板でも「ガルバリウム鋼板」を使えません。多分許可をもらっていると思います。屋根材メーカーも同じです。

何故なら「ガルバリウム鋼板」は日本製鉄(旧新日鉄住金)の登録商標でこの名前を公に使用するには、日本製鉄に許可をもらわなければならないからです。

ガルバリウム、ジンカリウムという名前は?何?

 ある屋根工事のサイトを見ると、ガルバリウム鋼板とジンカリウム鋼板の違いが出てきます。曰く;

 ・ガルバリウム鋼板の組成:アルミ55%、亜鉛43.5%、シリコン1.5%
 ・ジンカリウム鋼板の組成:アルミ55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%

で学術的には同じ素材であるとしていますが、間違いです。答えはジンカリウム鋼板もガルバリウム鋼板も同じ製品であり、1972年にベツレヘムスチール社が開発したメッキ鋼板です。「ジンカリウム鋼板」は登録商標になっていませんが、英語表記は「Zincalume」で、上記にあるように、SteelScope社、BlueScope社の商標になっています。これの日本語が「ジンカリウム鋼板」で同じガルバリウム鋼板です。組成もへったくれもないのです。ジンカリウム鋼板の組成割合も間違いでこんなメッキ鋼板は存在しません。

 しかし、混乱するのは、ガルバリウム鋼板やジンカリウム鋼板の上に細かい石粒をコーティングした鋼板を石粒付鋼板とか石粒付化粧鋼板とか言いますが、これを誰かが間違えて「ジンカリウム鋼板」と言ったため混乱が始まっています。それは「Zincalume(ジンカリウム鋼板)」とは「ガルバリウム鋼板」のSteelScope社、BlueScope社の商標名だからです。

ディートレーディング社は日本の石粒付鋼板の供給会社ですが、2,3年前までここの製品は、「ジンカリウム鋼板の上に石粒をコーティングした鋼板を販売と説明されていました。」・・・今は、ガルバリウム鋼板と同じ組成のジンカリウム鋼板を基材として・・・と直されています。この書き方はこの会社もこの事情を知らないと思います。組成は同じでも違う製品と思っているふしがあります。

 ジンカリウム鋼板は、ガルバリウム鋼板の登録商標上の名前の違いで全く同じもの、でも日本では間違ってジンカリウム鋼板は石粒付鋼板のことになっています。紛らわしい!

 

まとめ

ガルバリウム鋼板は、日本ではJIS3321-2010で規定された、溶融55%AL-亜鉛メッキのことで、1.6%のシリコン(ケイ素)を含んでいるメッキ鋼板のことを言います。屋根材での規定は、厚さ0.35mm(350μm)でメッキの厚さは、54μmのものが主流になっています(JIs規定でAZ150)

ジンカリウム鋼板はガルバリウム鋼板のことで登録商標上の違いに過ぎないのです。「ジンカリウム鋼板」というシリコン含有率1.5%の別のメッキ鋼板があるわけではありません。しかし、ジンカリウム鋼板は石粒付鋼板のこととして使われているが本当は間違いです。ややこしです。

-屋根材について
-, ,

Copyright© 屋根工事は屋根工事お助け隊まで , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.