ガルバリウム鋼板の性能、特長

ガルバリウム鋼板によるカバー工法工事とは?

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屋根のカバー工法工事/ガルバリウム鋼板によるカバー工法

ガルバリウム鋼板によるカバー工法とは、主にコロニアル、スレートの上にガルバリウム鋼板を直接施工する重ね葺き工法のことを言います。その施工の順番を下の写真に示します。

カバー工法工事ガルバリウム鋼板画像

カバー工法工事の方法:スレートの屋根から、ガルバリウム鋼板にカバー工法にて葺き替えるやり方

①:スレートの屋根:かなり古いスレート材はそのまま残し

②:この上から防水材であるルーフィングを釘にて固定

③:ルーフィングの上からガルバリウム鋼板を施工

④:同、別の個所

屋根のカバー工法工事の主題は単純で既存の屋根材を残し、新しい屋根材を重ね葺きをすることです。これによりいろいろなメリットが生まれます。廃材が出ないのでその廃材処理費用、撤去費用も無く、これによりコストを削減できます。これがカバー工法の大きなメリットとなります。他にもメリットがあり、現在盛んに行われている工事方法になります。

カバー工法のメリット

カバー工法のメリットは次のことが考えられます。

  1. 既存の屋根材を撤去する費用、廃材を処理する費用が不要
  2. 撤去工法より工事期間が短くなる。
  3. 新たな仕上材を既存の材料に重ねることで夏の暑さは今より良くなるはずです。
  4. 雨音は多少小さくなることが期待できます。

A:のメリットのためカバー工法を選ばれるお客様が圧倒的に多いですが、どのくらいの費用が節約できるのか?例えば、コロニアルの屋根、70㎡でいうと、撤去費用が ¥1,500/㎡、廃材処理費用:¥1,800/㎡ですので、撤去と廃材で、約13万円程度が節約になります。

B:は撤去と廃材処理の工程が省かれるので、当然時間も節約になります。

C:は仕上材が加わるので、少なくともコロニアルだけよりほんの少しだけかもしれませんが、良くなることが期待できます。

>>> 参考:実測した屋根材の断熱性能、部屋の温度変化

D:雨音に関する実験も実施しました。カバー工法の雨音も実験にあります。

>>> 雨音の測定/各屋根材での測定と対策

 

カバー工法が可能な屋根:被せられる方の屋根とは?何が可能か?

カバー工法ができる既存の屋根は;

  • コロニアル、カラーベスト、スレート屋根
  • トタン、瓦棒の屋根
  • アスファルトシングル、シングルの屋根

和瓦、洋瓦、セメント瓦の屋根にはカバー工法は使えません。瓦を撤去して普通の工法になります。一般木造住宅の屋根でカバー工法ができるものは主に上記の3種類になります。また、カバー工法に使える新しい屋根材は軽量な材料が選ばれ、次のような屋根材が可能です。ガルバリウム鋼板が一番人気があります。また近年石粒付鋼板もカバー工法で使われるようになっています。トタンのカバー工法工事はちょっと解説が必要になります。

カバー工法に使用する主な屋根材料:

  • ガルバリウム鋼板、SGLの鋼板(横葺き)最も良く契約を頂く屋根材
  • 石粒付鋼板、ジンカリウム鋼板
  • ガルバリウム鋼板(縦葺き用、主に瓦棒で使用)
  • アスファルトシングル、シングル材

ガルバリウム鋼板はスレート屋根のカバー工法の屋根材として最も注文が多くまたリーズナブルな屋根材です。石粒付鋼板やアスファルトシングルなどより軽量で価格も手ごろです。石粒付鋼板が人気上昇中なのは、ガルバリウム鋼板の欠点である雨音がしないことが理由です。また多少高くても石粒付鋼板の特徴である耐用年数50年がうけています。

アスファルトシングルは、普及が遅れている屋根材ですが、これの特徴は自着式のルーフィングと組み合わせて釘、ビスの類を一本も使わずに施工が可能という素晴らしい工法です(釘やビスをルーフィング、防水材に打つことはそれに穴をあけることになります。雨漏りの原因を自ら作っています。)ただしこの施工をきちんとできる屋根屋は限られます。

適切な工事ができる屋根屋はWebのページだけでは判断できません。お助け隊はこれらの工事が適切にできる屋根屋を知っていますので、お客様の要望に一番合う業者を紹介できます。屋根工事は一見の仕事なので、宣伝だけのWebから正しい屋根屋を選ぶのは至難のことになると思います。

注意:

コロニアル、カラーベスト、スレート材は、カバー工法の新しい材料としては使用不可になっています。理由は既存の屋根材の上にコロニアルなどを施工すると、割れる危険が大きいのでメーカーが不可としていてメーカーの保証が受けられません。コロニアル、スレート材は上に被せる材料としては不適です。

そしてこのことは他のサイトにはあまり解説されていません。あまり公にこれを言うと差し障りがあるのか?公には書いてあるサイトがまだないようです。しかし、不都合な工事をやってしまうと結局損を被るのはお客様になります。そんなことがないようにやめた方が良い屋根材についても積極的にお知らせしようと思っています。

ガルバリウム鋼板、SGLの鋼板(横葺き)

勾配が2.5寸以上ある場合は、横葺きのガルバリウム鋼板、スーパーガルバリウム鋼板(SGL)の材料がカバー工法の仕上材として使用できます。「SGL」とは2016年に次世代のガルバリウム鋼板として日鉄住金が開発した新しい鋼板で、従来のガルバリウム鋼板と価格は同じで耐用年数の長い優れた製品になっています。ガルバリウム鋼板、SGL横葺き材料は両方ともカバー工法で使用可能です。

アスファルトシングル、シングル屋根、コロニアル、カラーベスト、スレート屋根の重ね葺きに使用でき、コストパフォマンスに優れた製品です。一般にガルバリウム鋼板で作られた屋根材は横葺きタイプのものが多く、トタン屋根には縦葺きタイプが使用されます。

横葺きのガルバのメーカーと製品は一般木造住宅用には次のようなものがあります。

  • アイジー工業ー:スーパーガルテクト(SGL使用)
  • 株式会社ニチハ:横暖ルーフαSシリーズ(SGL使用)
  • KMEW(ケミュー):スマートメタル(SGL使用)
  • メタル建材:リファーナ、エテルナ(SGL使用)
  • 福泉工業:MFシルキー、efルーフ(SGL使用)
  • セキノ興産:柾目FLeX(JFEガルフレックス)

上から5社の屋根材製品の基盤は日鉄住金鋼板製のSGL(スーパーガルバリウム鋼板)を屋根材に加工して販売しています。SGLの「S」はSuper、Superior、Secial、「GL」はガルバリウム鋼板の略です。次世代のガルバリウム鋼板とメーカーは言います。穴あき保証は25年。

セキノ興産のガルバリウム鋼板屋根材は、JFEの新ガルバリウム鋼板、ガルフレックスを採用。

 

カバー工法のデメリット

良いことばかりのカバー工法ですが、デメリットもあります。

  1. コロニアルの場合、表面についたカビ、苔、ホコリなどがそのまま残ります。特に女性のお客様は気分的に嫌がるかたもいらっしゃいます。この場合は高圧洗浄をお薦めします。
  2. アスベスト入の場合、アスベストがそのまま残ります。処理の後回しになります。
  3. 屋根にお客様が登った場合、割れる場合があります。この際割れることで、ルーフィングを傷つけることがあると雨漏りの原因になることがあります。
  4. 屋根によりますが、屋根の高さが増加することにより雨樋の架け替えが必要になることも稀にあります。コストが上がります。

お客様から良くある疑問、質問で:

「カバーする屋根材の重量がそのまま増加になり、耐震に不利か?」あります。

この答えは、ガルバリウム鋼板のカバー工法は耐震に不利か?でお答えします。

更にデメリットについては、他のサイトや屋根屋さんがいろいろ言われるので、質問が多く、次のページから更に詳しくガルバリウム鋼板でのデメリットについて考察していきます。

ガルバリウム鋼板屋根のデメリット詳細な考察

 

ガルバリウム鋼板のカバー工法についてのまとめ

ガルバリウム鋼板によるカバー工法のメリットの最大のものは既存の屋根材の撤去費用、廃材処理費用が不要なことです。しかしデメリットもありますので、カバー工法を検討する際、良く考えてください

以上です。

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