ガルバリウム鋼板の欠点は対策できるのか?

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ガルバリウム鋼板の欠点質問女子

回答先生たくさんある欠点

ガルバリウム鋼板の数多い欠点、葺き替えに使って大丈夫か?

一般住宅用の屋根用・ガルバリウム鋼板は、横葺きのものも、縦葺き用の平板も厚さ0.35~0.4mmの瓦やスレート材と比較して薄い材料になっています。軽くて耐用年数が長い製品ですが、素材が金属であることとこのように薄い材料であるが故の不利な点もあります。このページではその欠点を考えてみます。

またその欠点はどの程度のもので、対策があるのか?あるとしたらどうなのか?費用の面も含めて解説したいと思います。ガルバリウム鋼板の欠点とは?

  1. 薄い鋼板なので断熱性能は全くありません!
  2. 雨音がうるさい/2階では寝れない?
  3. 運送時、施工時に表面にキズがつきやすい。
  4. もらい錆を受けやすい/施工後は釘、ビスなどの忘れ物を要チェック
  5. スレート屋根のカバー工法では重くなって耐震に不利なのでは?

5はガルバリウム鋼板の欠点ではありませんが、コロニアル、スレート材のカバー工法として非常に良く使われるので、考察してみます。1、2、は実際に実験で断熱性能と雨音を測定してみましたので、そのデータから検討してみます。

 

1. ガルバリウム鋼板の断熱性能

ガルバリウム鋼板には断熱性はありません。なので特に夏の暑さを心配するお客様は、多くがコロニアルの葺き替えでコロニアルを撤去し、ガルバリウム鋼板を施工する際に心配です。相談の中心は「断熱材付きのガルバリウム鋼板は効果があるのか?」です。実際に測ってみました。コロニアルと断熱材付きのガルバリウム鋼板で夏の部屋の温度がどれほどなのか?

実験用の断熱BOXを2つ製作し、屋根をKMEWのコロニアル(コロニアル・グラッサ)とアイジー工業のスーパーガルテクトにして、BOXの中の温度を日中に測定してみました。このページにはコロニアルのカバー工法の温度変化、対策として通気工法でのデータもあります。

>>> コロニアルとガルバリウム鋼板の断熱性能実験

>>> スーパーガルテクト vs 横暖ルーフαS断熱性能比較

意外にもコロニアル(スレート、カラーベスト)は断熱性能が良くありませんでした。ガルバリウム鋼板自体の断熱性能はありませんが、材料に断熱材をつけたり、カバー工法や通気工法で対処が可能で、少なくともコロニアル、スレート時のときより悪化はすることはないようです。また、たった10mm程度の断熱材ですが、その効果はゼロではないようです。

 

2. ガルバリウム鋼板の雨音特性

次に気になるのは、雨音です。薄い金属なので、ガルバリウム鋼板だけの雨音は大きいです。トタン屋根で雨音を測定してみました。(すみませんこのとき断熱材のないガルバリウム鋼板がまだ手に入ってませんでした。トタンもガルバリウム鋼板も0.35mmの同じ鋼板です)

雨音の実験では水道からのシャワーで測定しています。その水の量は60mm/時間で、50mmの雨でも土砂降りの雨なので、かなりの水量です。聞くときの音量はお客様のPC、スマホの音量を大きくして聞いてください。下の音量は変えないでください。

トタン屋根の雨音/波板トタンの測定

横暖ルーフαS(断熱材付き)の雨音測定

ニチハの横暖ルーフシリーズは以前のシリーズと同様、全ての製品で10mm程度の断熱材が標準で装備されています。このたった10mmの断熱材ですが、明らかに雨音は小さくなっています。雨音に対しては、この実験セットではかなり効果が認められました。

更にこの雨音を小さくする為の対策が、コロニアルのガルバリウム鋼板によるカバー工法と通気工法になります。それぞれの雨音をお聞きください。

コロニアル/横暖ルーフαSのカバー工法の雨音

非常に良く契約をいただくコロニアルにガルバリウム鋼板のカバー工法では雨音はかなり軽減されて、今までのコロニアル、スレートだけよりは雨音は小さくなります。

コロニアルを撤去後/横暖ルーフαSの通気工法

通気工法は、断熱性能の向上のためにやる方法ですが、遮音にも充分効果を発揮しています。詳しいことはリンクから雨音測定のページを参照してください。

>>> 各種屋根材、工法についての雨音測定/測定方法

 

 

3. ガルバリウム屋根材はキズがつきやすい

ガルバリウム鋼板は、僅か0.35mm~0.4mm程度薄い鋼板に塗装を施した製品で、材料同士の擦れ、材料を加工し、尖った箇所で簡単にキズがつきます。塗装の厚さは、数十ミクロンで、細いひっかき傷でも塗装が失われます。

塗装がなくなっても、そのしたにはアルミと亜鉛のメッキ層があり、このメッキの成分が、鋼板の腐食を防ぐ仕組みが備わっています。亜鉛の犠防食機能と言いますが、塗装が無くなり僅かにメッキ層も傷がついても、雨がふると、亜鉛のイオンが溶け出し、酸化亜鉛となって鉄をカバーするという仕組みで鉄が錆びるのを防ぐのです。

それでも、施工後にチェックして塗装が少しでも傷ついていたら、わずかでもそこを同じ色の塗料で保護するのが、プロフェッショナルの仕事です。丁寧な普通の屋根屋さんは、ガルバリウム鋼板のひっかき傷には気を使って、トラックから屋根に材料を上げる際、材料を屋根に設置する際には最大限の注意を払って傷がつかないように仕事をします。

塗膜の違いによる塗料の硬さ

ガルバリウム鋼板も2016年に新しくなり、スーパーガルバリウム鋼板、SGLという基盤が開発されました。これは従来のガルバリウム鋼板を超える高耐久性の製品で、ニチハ株式会社、アイジー工業、KMEW、メタル建材、福泉工業などの屋根材メーカーがこのSGL(スーパーガルバリウム鋼板)を採用しています。

このなかで主な、1,2位を占めると思われる、ニチハの横暖ルーフαS、アイジー工業のスーパーガルテクトの表面を調べてみました。下の写真です。

ガルバリウム鋼板の塗膜

ガルバリウム鋼板表面拡大

スーパーガルテクトの塗膜と横暖ルーフαSの塗膜との違いは、スーパーガルテクトの方が塗膜が硬く傷がつきにくいようです。もし屋根葺き替えの計画があって横暖ルーフαSかスーパーガルテクトか迷っていたら、サンプルを屋根屋に見せてもらってください。表面を触るだけで感触がわかると思います。しかし、塗膜が少し硬いということは、塗膜が割れやすいということもあります。

両社、いえどのメーカーも塗膜の耐用年数のデータを公開していないでしょうから、塗装の良し悪しで選ぶのは難しいかもしれません。ここではただ、スーパーガルテクトは少し塗膜が硬く、傷が付き難いと私は思います。

 

4. ガルバリウム鋼板はもらい錆に弱い!

ガルバリウム鋼板ばかりではなく金属材料一般に言えることです。

もらい錆とは、ガルバリウム鋼板を施工した後に、ビス、釘、金属の切り屑などが屋根材の上に残っていると、これが錆、その錆をガルバリウム鋼板が貰って錆を移す現象です。

または、空から鉄が降ってきてガルバリウム鋼板の上に乗ってしまうことでも同じもらい錆が発生します。しかし、空気中には鉄の成分はありませんし、考えられるのは台風か強風でどこかの看板や鉄の部品などが飛んでくることですが、限りなくあり得ないです。

一番可能性があるのは、屋根屋さんが、残した釘、ビス、工具です。もちろん屋根屋はこのことを良く知っていますので、工事後のチェック、切り屑などは綺麗に清掃して終わりにします。屋根に金属片を残さないように、注意を払います。もらい錆を防ぐにはこれしかないです。

 

5. カバー工法/重くなって耐震に不利か?

この問題はガルバリウム鋼板の欠点というよりは、屋根の葺き替えの工法の問題ですが、良くある相談なので、あえてここに記載しておきます。結論を言うと350Kgそのものの重さではなく、家全体の重量に対してガルバリウム鋼板の重量の割合が重要で家の重量に対してガルバリウム鋼板の追加の重さは大したことはありません。

家全体が重くなると地震が家を倒壊させよとする力が大きくなって倒壊し易くなります。10Kg家が重くなっても僅かですが、耐震診断上の計算では評価値は悪くなります。屋根面積70㎡の2階建てのコロニアル屋根の家があるとして、これにガルバリウム鋼板でカバーした場合の重さの増加は、約350Kg。

350Kgって結構な重さですが、この重量の増加が、耐震を著しく悪化させる、とあるサイトや屋根屋は言います。これを理由にカバー工法はやめて、コロニアルを撤去してくださいと!

これは正しい判断でしょうか?耐震に不利なら、どれだけ耐震に影響するのか?その根拠と程度を示さないとお客様は、正確な判断ができないと考えます。10Kgの重さが増加しても耐震診断値は悪化します。1Kgでも、100Kgでも!でもその業者は言うでしょう。「そんな10Kgなんて問題になりません。家全体からすれば大したことないです」と、では何Kgなら、問題になるのか?どうして350Kgはだめなのか?

・・・それを計算してみます。その回答から判断してください。言っておきますが、屋根屋は耐震診断の専門家ではありません。根拠のない言葉を信用しないでください。

>>> ガルバリウム鋼板のカバー工法は耐震に不利なのか? 

のページを参照してガルバリウム鋼板のカバー工法を採用するか、やめるかを判断してください

 

以上になります。

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