ジンカリウム鋼板

カバー工法での石粒付鋼板施工例

石粒付鋼板を使ったカバー工法工事例、旧スレート屋根

耐用年数50年、メーカー保証30年の石粒付鋼板、ジンカリウム鋼板を使ったスレート屋根のカバー工法工事の事例になります。築40年のスレート屋根は下の写真のように全体的にはカビ、苔も無いですし、綺麗な様子ですが、細部をみると、かなり劣化が進んでいます。雨漏りも始まり葺き替えを決意した経緯です。今回は石粒付鋼板であるエコグラーニをお客様が選択し、それに見合ったルーフィングを考え、ルーフィングを二重にしました。下に解説があります。この工事はカバー工法とルーフィングの二重施工に特徴があります。

40年のスレート屋根

工事前のスレート屋根の全体写真です。総じて良い状態のようです。ここは日当たりも良く風通しも良いので、カビ、苔が付着しても大きく広がらない環境のようです。家が長持ちする非常に恵まれたところと思います。

石粒付鋼板・エコグラーニ完成

棟の工事の途中ですが、夕方になり写真が撮れなくなるので、完成の写真が撮れませんでしたが、大よその完成外観はわかると思います。真ん中に見えるのが大棟で換気棟を取り付けているところです。スレート屋根の石粒付鋼板・エコグラーニでのカバー工法になります。

既存スレート材の劣化:

スレート屋根軒先の劣化

左:一階の下屋の葺き替え部分で、他の箇所とは別にガルバリウム鋼板の施工です。ここにはベランダが設置されるので、石粒付鋼板は使わずに自着式のルーフィング+横暖ルーフαSの施工です。

右:工事前のスレート屋根、下り棟部分、縁の部分にカビが見えます。軒先部分は劣化で脆くなっています。

スレート材ヒビ割れ

劣化のひどい部分、ヒビ、剥がれなど多数ありました。全体の写真ではわからないです。スレート屋根の劣化は塗装で止められませんので、葺き替えが必要になります。

スレート材の割れ

別の箇所のヒビ割れ、材料の剥がれ部分:

ルーフィングの二重張り:

ルーフィングの二重張り

今回のルーフィングは二重張りです。田島ルーフィングのEX-P+の上にエコルーフを施工。エコルーフの特徴は通気性ですが、今回は下にルーフィングを施工するので、通気性は考えません。ルーフィングの耐用年数はどのメーカーも保証していませんが、田島ルーフィングのEX-Pプラスは20年程度が期待できますので、ルーフィングを二重にすることで、更に長い耐用年数を期待しての施工です。

エコルーフ・防水材

田島ルーフィング・EX-Pプラス

ルーフィングのJIS規格である、A6005より新しいルーフィング工業会の規格:ARK-04に適合した新しいゴムアス(改質ゴムアスファルトルーフィング)です。

石粒付鋼板、ジンカリウム鋼板・エコグラーニの施工:

石粒付鋼板施工下屋部分

ルーフィングの上に石粒付鋼板であるエコグラーニの施工風景です。東の軒先までの施工

石粒付鋼板施工 軒先部分

エコグラーニ:軒先からの写真:施工中です。

石粒付鋼板施工 下り棟部分

南側下り棟部分:

石粒付鋼板施工、棟部分

エコグラーニ:二階、大屋根の部分

棟の通気:棟板金+通気モジュール

通気モジュール

結露を防ぐ為の棟部分の換気は、ガルバリウム鋼板ならそのメーカーが用意していますが、ディーズトレーディング社では換気棟を用意していないので、別会社の棟換気を使用します。純正のエコグラーニの棟板金にマッチした強化樹脂性のもので、蜂の巣のような穴が空いた部品です。外からは水、雨が入らない構造になっていて、換気部品全体が通気性です。これを棟板金の中に仕込み換気棟が完成です。

参考:金属材料の専用カッター:

専用電動カッター

金属の屋根材をカットするには、電気ノコギリを使用しますが、屋根の上での細かい細工は、ガルバリウム鋼板では、金切りノコを使用します。しかし、石粒付鋼板は石粒があって金切りノコでは、長時間の作業は困難です。そこで、活躍するのが上のような回転式の小型ノコギリ。左が刃になっていて、既に持っているドリルの先に装着するだけでノコギリになります。このノコギリで作業が数段やりやすくなっています。参考までに。

エコグラーニ:メンテナンスキット:

石粒が剥げた、剥離した場合の専用の接着剤と石粒です。

メンテキット写真

接着剤と同色の石粒

ディートレーディング社では、石粒付鋼板のメンテ用として、専用の接着剤と石粒を扱っています。エコグラーニの板の構成は、鉄の板の上にガルバリウムメッキ(亜鉛+アルミ+シリコン合金メッキ)に塗装。更にその上に細かい石粒をアクリルでコーティングした屋根材であり、劣化の順番は、一番上の石粒がアクリルとともに剥がれるのに15年~20年、一度に全体の石粒が剥がれるのではなく、ところどころ石粒が無くなります。石粒の下にはガルバリウム鋼板(この会社はジンカリウム鋼板と言っていますが同じ鋼板です)があり、ガルバリウム鋼板の耐用年数は25年以上です。

ガルバリウム鋼板も塗装層、メッキ層、地金の鋼板(鉄)まで腐食して穴が空き雨漏りするまで50年という意味が耐用年数の定義と思っています。ですから石粒がところどころ失われたらメンテキットで補修をしてやれば更に長持ちします。しかし、多分一々接着剤で石粒をやり直すことは、屋根に登って作業をしなければならないので、お客様ご自身で行うことはお薦めできません。

石粒付鋼板、屋根工事費用

工事項目数量単位単価金額備考
下地材(コンパネ)施工費用145¥2,000¥290,000厚さ:12mm、材料費込
ルーフィング施工費145¥ 650¥94,250田島ルーフィング EX-Pカラー+、材料費込
二枚目ルーフィング¥ 800¥116,000エコルーフ、材料費込
石粒付鋼板、エコグラーニ施工145¥6,800¥ 986,000色:茶、材料費込
ベランダ部分、一階の下屋工事14.6
¥ 6,500¥ 95,000横暖ルーフαプレミアムS、材料費込
棟板金、同質エコグラーニで44¥ 5,200¥228,800管理費、諸経費はここの屋根屋はとらない
その他の屋根部品、役物一式¥212,000材料費込
工事費合計一式¥ 2,021,000税抜き
合計(消費税込)一式¥2,182,680消費税8%

※エコグラーニは、ディーズトレーディング社の製品です。これと同等の製品はディプロマットがあります。ディプロマットは少し幅が狭い、表面の意匠が単純にデザインされています。

※エコグラーニ(石粒付鋼板)の本体平米単価、工事費用+材料費は:¥6,800/平米、相場より安い価格です。ガルバリウム鋼板も横暖ルーフαプレミアムS(最上級)の本体平米単価:¥6,500/平米。お助け隊ではガルバリウム鋼板の本体施工価格は¥6,500/平米と言っていますので、横暖ルーフの中で一番上位の材料での施工価格は、かなり安い価格となっています。(茨城の屋根屋さんです)

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